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新井の映画感想「麻雀放浪記2020」

はじめに

私は度々書いているとおり岡崎体育のファンである。2学年年上の彼にいつも刺激を受けている。

悔しいことに、2年前に巻き返してやると誓ってから、岡崎体育とも、米津玄師とも、R-指定とも距離は離れていくばかり。完全に言い訳でしかないが、仕事と育児で手一杯である。あとは睡眠時間をどれだけ削っていくかの勝負だが、これが全く難しい。

ともあれ、今日は長男も次男も早い時間に寝てくれた。普段見られていないものをU-NEXTで見られないか。「岡崎体育」で検索してみる。「麻雀放浪記2020」が出てきた。

この映画の評価が低いことは何となく知っていて、わざわざ見ようとは思っていなかった。調べれば映画.comの評価は2.5、yahoo映画なら2.3。一般的に高評価の映画であれば4.0以上の星が付くサイトでこちらの評価は、まあ、低い。しかし今、ちびちびと白ワインを飲みながら2時間強を見切って、「悪くないぜ?」と思いながらこの文章を書いている。


あらすじ

主人公「坊や哲(斉藤工)」は1945年、敗戦後の日本で博徒として生きていた。ある夜、宿命のライバル達と麻雀を打っていたところ、役満、九蓮宝燈を上がろうとした瞬間、雷に打たれ、2020年にタイムスリップする。

右も左もわからぬまま彷徨っていた哲は、警察に捕まりかけたところを売れない麻雀アイドル「ドテ子(もも(チャラン・ポ・ランタン))」に拾われる。その後、彼女のプロデューサーであった「クソ丸(竹中直人)」に見出され、「昭和哲」として麻雀番組に出演。ふんどしスタイルのイケメンが勝利を重ねる姿が、世の人気を博していく。

2020年の東京は戦争の影響で東京五輪が中止になったところであり、日本の国威掲揚のために代わりに麻雀五輪が開催される予定であり、哲はそこに出場することとなる。


感想

率直に感想を述べると、劇場で定価(1,800円)を払って観るつもりはないが、観たら観たで面白い、だ。以下、詳細を書いていく。

退廃的な近未来像について

2019年公開の映画ではあるが、背景として、「戦争で日本が敗戦し、東京オリンピックが中止になった」という経緯がある。貧困層は現代日本よりはっきりとし、路地裏では子どもたちが博打を打ち、国家に歯向かおうとするなら警察が有無を言わさず警棒を振るってくる。

哲を拾ってくれたドテ子と、プロデューサーのクソ丸もお互いにVRゴールグルを付け、全く相手のことを考えずにセックスをしている。そんな姿にショックを受ける哲。ここに描かれる2020年は、果たして空想上の現代なのだろうか。

戦後から急に現代に来た人がいたとしたら、我々の生き方のどこに違和感を持つだろうか。

変わった街並み、服装、電子機器、食事。それらと同じように描かれる登場人物の貞操観念のズレ。居候の男性がいるにもかかわらずVRゴーグルをつけてシマウマや女王様とプレイしている様子は異常に見える。しかし、実際には自宅でそれをすることは今でも可能であり、現実にしている人もいるかもしれない。

また、期せずしてオリンピックが中止となって現実と重なってしまった本作だが、現実の2020年以降では人々はマスクを付け距離を保ち、都心の大規模オフィスは伽藍堂だ。

哲が昭和に帰りたいと願った生きづらい現代。それは決してSFなどではない。


各所で見られるキャストの変な豪華さ

特に東京都知事役で舛添要一出るんかい!

麻雀五輪の解説として席に座る舛添要一氏。既にこのときは小池都知事に代わってはいるが、近年の東京都知事が出演しているのには驚いた。

さあ、今回私が映画を見たきっかけである肝心の岡崎体育だが、「ドク」という役名で登場する。ポジションは「ドテ子のストーカー兼、発明家」。ドテ子のピンチを電磁パルス銃などの発明品で救う役回りだ。

タイムスリップものということで、バック・トゥ・ザ・フューチャーが意識されているのは明白。しかし彼の出番は少ない。

坊や哲が追い求めるママとして登場するのはベッキー。

ピエール瀧の登場シーンもノーカット。

何だかいろいろ演者について気になる作品だが、題材が題材だけに売り上げはよろしくないようで、現在も続編の制作について発表される様子はない。

哲がドテ子に「また会えるだろう」と言い残したことや、エンディング後に戦後日本にAIロボットが起動していた終わり方など、伏線は残している。アフターコロナの日本、世界を舞台にした「麻雀放浪記202〇」をできるなら観たいものだ。

たぶん劇場では観ないのだが。

レペゼン群馬、新井将司。世界一になる日まで走り続けます。支えてくださる皆さんに感謝。