プロとアマのパイロットの違い
こんにちは、あらいぐま機長です。
皆さんは、プロのパイロットとアマチュアのパイロットの違いってどこにあると思いますか?
パイロットという仕事は、みんながイメージするように高度な操縦技術と責任が求められます。だからプロのパイロットを目指す人は厳しい適性検査を受けた上で、長い訓練を経てチェックに合格して、やっとのことで一人前のパイロットとなることができます。
一方で、趣味で飛行機を操縦するアマチュアパイロットも存在します。
でもアマチュアパイロットだって操縦技術や責任がありますよね?操縦技術は自分の安全に直結するし、同乗者に対する責任があります。
じゃあそこにはどんな違いなあるんでしょうか?
今日は『プロパイロットとアマチュアパイロットの違いは何か』を、実例を交えてご説明したいと思います。
ライセンスの違い
まず結論から言うと、プロのパイロットと趣味で飛ぶアマチュアパイロットには決定的な違いがあります。
それはライセンスなんですよね。
普通アマチュアパイロットは『自家用操縦士』っていうライセンスで空を飛び、プロのパイロットは『事業用操縦士』というライセンスで飛行機を操縦します。
エアラインの飛行機は『自家用操縦士』のライセンスじゃ操縦できないんですよ。
これって当たり前の話なんですけどよく考えると深いよなぁって思ったんですよ。
現代のようにプロとアマの境界が曖昧になっていく世界では、飛行機の操縦みたいに大きな危険を伴う作業についてはライセンスってとっても大事になるんですよね。
だって操縦が上手いアマチュアパイロットだってたくさんいるんですけど、ライセンスがないと玉石金剛になってしまいますよね。だから『この人はお客さんを乗せて飛べるレベルのスキルや知識を持っていますよ』っていう担保が必要で、それを国土交通省がライセンスとして発行しているわけです。
なのでパイロットにとってプロとアマチュアの違いってなると、ライセンスの違いっていうのが絶対的なものになると思います。でも他に違いはあるんでしょうか?
操縦技術の違い
パイロットのスキルについての違いも考えてみましょう。
これはパイロットの訓練でも教えられることなんですけど、プロとアマチュアの操縦の違いってなんだと思いますか?
それは『プロのパイロットは常に70点以上をとること』なんですよ。
3回テストをやって、95点、100点ってきても、次に50点をとっちゃうようなパイロットよりも、3回とも70点のパイロットの方がプロに向いてるんですよ。
プロのパイロットは一回でも失敗したらそれでお客さんが怪我しちゃったりするんですよね。
お客さんの中にはお年寄りや赤ちゃんだっているので、60点の着陸をするだけで腰を怪我させてしまうかもしれません。だからプロのパイロットにとっては『100点を取ること』よりも『70点以下を取らないこと』の方が大事になるんですよね。
一方でアマチュアのパイロットっであれば飛行機には自分やその友人しか乗りません。だから多少失敗してもいいし、失敗覚悟で100点満点の着陸を目指せます。
これって訓練の方法にも絡んでくるくらい大きな違いなんですよ。
失敗をしたらその原因を徹底的に考えて、二度と同じ失敗をしないように訓練するのがプロの訓練で、趣味で飛ぶのであればそんな面白くないことをしなくていいんですよ。
純粋に美しい着陸を目指せばいいので、アマチュアパイロットの方が飛行機を操縦する楽しみは大きいんじゃないかなと思います。
やっぱり空を飛ぶ楽しみっていう面では、仕事で飛ぶよりも趣味で飛んでいた方がずっと楽しいと思います。
エアラインのパイロットは航空路も決まっており、離陸から着陸までずっと管制官の指示に従わなければなりません。よくパイロットのCMなどに出てくる「大空を自由に飛べる」はほとんど当てはまりません。
僕も一人で自由に空を飛んだのは10年以上も前。
ソロフライトでの訓練が最後です。
楽しかったなぁ。一人で自由に空を飛ぶっていうのはやっぱりかけがえのない経験ですよ。
自分の住んでいる町がミニチュアみたいに見えたり、あっと言う前に壮大な水平線が見える景色になったり、もくもくとした雲に近づいてみたり、大きなGをかけて急旋回を行ってみたり。
引退したら田舎で小さい飛行機でも買って自由に飛ばしたいなぁと夢見ています!
今日はここまで、プロとアマチュアパイロットの違いについて考えてみました!
みなさんは自分ならどっちのパイロットになりたいと思いますか?
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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