アライアヤ
日記祭が近い。緊張。楽しみ。緊張。楽しみ。晴れろ!晴れろ!ずっとこんなことを考えている。値札をつくらなきゃと思いつつ、もう3日前だ。 本をつくったのも即売会への出店もぜんぶ初めてだから、頭のなかで考える日記祭がいつも最悪の展開になってしまう。わたしにとっての最悪とはさみしい気持ちになることだ。さみしいのはいくつになってもいやだ。 夫から、どういう状況になったらいやなのかときかれたので「両隣のブースは盛り上がってるのにわたしのブースだけずっと誰もいなくて、でもそんなことぜん
飲み終わったリプトンの紙パックをたたんだら「たたんでくれTEA ありがとう」というメッセージが出てきた。「たたんでくれて」はよく見かけるけど、たたんでくれTEAはあたらしい。 うれしくなって夫に報告すると、夫は「アヤが正しい行いをしたからだよ」と言った。正しい行いをしたから、何?ときいても、その先は教えてくれなかった。
母と銀座へ。ウエディングドレスを試着した。挙式当日は夫とふたりなので、母にきょう見てもらえたことがうれしい。胸元のレースがハートっぽく見える可愛いロングスリーブのドレスを仮予約した。 ドレスショップを出たあとは近くのコージーコーナーに入り、ケーキセットを注文。シャンティ・ジェノワーズという栗のケーキを食べた。いっしょに頼んだハーブティーの香りがいい。 ハーブティーをひとくち飲んだあとふざけて「入浴剤みたいな匂いする」といったら母はやだ〜と笑った。少し抜けている母は、ルイボ
ぽつぽつと雨が降るなか夫と歩いていると、いつもの場所に鳩がたまっていた。5羽くらいの鳩がせわしなく地面をつついている。さっきまでまあまあ降っていた雨にうたれたのか、びしょ濡れになっている鳩とまったく濡れていない鳩がいた。 夫は、雨に濡れることを気にする鳩と気にしない鳩がいるんじゃないか、と言った。たしかに人間のなかにも小雨で傘をさす人もいれば、大雨をびしょ濡れで歩く人もいる。わたしは湿気で髪の毛がうねったりひろがったりするのがいやなので、鳩だったら気にする鳩になるだろうし、
吃音外来へ。先生が異動したことにより、通院先がチーバくんのおしりあたりからチーバくんのおなかあたりに変わった。おしりの病院は遠すぎたのでありがたい。 診察が始まってから少し経つと「アライさん、休めてないですね?」と言われた。眠れてないですね?だったら眠れていますと返していたけれど、たしかに休めてはいない気がする。診察中も頭がぼーっとしていた。とにかくまずは寝てくださいという指導を受けて、「夜は布団の中でいいことを3つ考えてから寝ましょう」と言われたので、今から3つ考える。
使っていない花瓶があったので造花をいくつか買い、いいかんじに組み合わせてからリビングに飾った。クリームイエローのスイートピーと薄いオレンジのなにか。造花とはいえ、家の中に花があるのはうれしい。 帰宅した夫に見せると花の組み合わせを褒めてくれた。なんで急に花?ときかれたので「花瓶があったから」と答えると、夫は「登山家みたいなこと言うね」と言った。
きょうは何もしなかった。罪悪感がすごい。 実際には掃除や洗濯をしたり、漢字ドリルを解いたりしていたのだけど、働けるのに働いていないという事実が心に重くのしかかる。わたしにはニートの才能がない。 バキ童チャンネルで、土岡のニート時代の話を聞きながら笑っていたときだけ心安らかだった。 夫は早起きして仕事の前にジムで筋トレしてきたらしい。誇らしげだった。
高校生のとき「ちゃんと化粧して」と言われた。「一緒にいるわたしが恥ずかしい」とも言われた。朝は起きられないから授業中に少しずつ仕上げた。 少し太ったときは「膝の上に肉がのっている」と言われた。体重が50キロを超えることは悪だった。 大学生のとき「ピアスくらいしたら」と言われた。なぜ、とはきかなかった。きいたかもしれないけど覚えていない。 大学に行くため玄関で靴を履いていると、その服は変だと指摘された。こういうものなんだよ、と言い返す日もあったけど、変な服で出かけるのがいやで
夫に誕生日プレゼントを渡した。今年のプレゼントは自作の短歌1首と、それをもとに考えた手作りの絵本。主人公のハムスターがこわい夢を見るというお話で、かわいい本ができたと思う。 夫はページをめくるごとに、後ろに倒れる勢いで大笑いしてくれた。ハムスターが眠ろうとして、ひつじの代わりにひまわりの種を数えるシーンが特にウケていた。 一万回きいたあなたの口癖を百万回きくまでそばにいる/アライアヤ ひとしきり笑ったあと夫は、われわれは(今の生活を続けたとしても)今後一万日くらいしか一
裁判傍聴へ。きょうは1回目から傍聴していたとある裁判の判決が出た。10分ほどで終わり、すぐに裁判所を出て電車に乗る。霞ヶ関駅にいる人はみんな弁護士みたいだ。 夜は新宿のロフトプラスワンへ。せきしろさんの自由律俳句集『そんな言葉があることを忘れていた』の刊行記念イベントに参加した。 サインを書いてもらうとき「せきしろさんの日記すごい読んでます」と伝えた。でもよく考えたらせきしろさんはもうnoteの日記を書いていない。「きのうの日記も読みました」というようなテンションで話して
共通のSNSをやめてしまった友人から連絡がきた。元気そうでうれしい。友人が遠くへ転校してしまったような気でいたけれど、連絡をもらって、会おうと思えば会えるんだ、と明るい気持ちになる。関係を続けてくれることがうれしい。 夜はさいきん読んでいる柚木麻子の小説『BUTTER』の影響でバター醤油ごはんを食べた。初めてのバター醤油ごはんはなんとなく後ろめたい。口に含んだほかほかの玄米にバターがからみついて、くっきりと粒のかたちがわかった。
太陽光がさすリビングでたっぷり寝たあと、夫とさんぽに出かけた。入道雲が夕日に照らされてすこし桃色に見える。コンビニで買ったチョコモナカジャンボを食べながら歩いていると、自転車で通りすぎる人たちが空のほうを見て笑っていた。前から来た女性も立ち止まって空の写真を撮っている。見ると、入道雲がぼやけてさっきより濃い桃色になっていた。 自宅の前で急に手を繋ぎたくなって夫の左手を握ったら、握り返す仕草でチョコモナカジャンボのゴミを渡された。手は繋いでもらえなかった。 帰宅。ソファにな
絶対に行きたかったJO1のライブに当たった!うれしい!うれしい!うれしい!うれしくてちょっと叫んでからソファにダイブした。うれしい!! --- 日中自由に過ごせなかった人が睡眠時間を削って自分の時間を持とうとすることを報復性夜更かしと呼ぶらしい。わたしはほぼ毎晩これをやっている。寝つけないというより眠る気になれない。何もしていないのに毎日睡眠不足という最悪の状態で、なんとかしたい気持ちだけがずっとある。 寝室でアロマストーンを使っていたころはよく眠れていたような気がした
はり最終日。先生に「じょうずに恥をかけない」という最近の悩みを話した。わたしは人と話しているときに自分の知らない言葉が出てきても「○○ってなに?」ときくことができない。夫にはきけるけど、出会ったばかりのころは無理だった。どうしても恥ずかしい。 そういうことありますか?と先生にきくと「ありますあります。ぜんぜんありますね。会話の流れをとめちゃうから、わかんなくても『あ〜』とか言って流します」と答えてくれた。わたしは「ですよね〜」と笑いながら、なんだかほっとしたような気持ちにな
夫がテレビやYouTubeで川尻蓮を見つけるたびに「あ!アヤの大好きな川尻蓮だ」と言ってくるようになった。これはアイドルにうつつを抜かすわたしを気まずい気持ちにさせたいという夫のギャグだ。否定するのも変か…?と思い、毎度もにょもにょしたオタクの顔になってしまう。余計に気まずい。 「川尻蓮は骨格と姿勢がいいのでへその位置が高いんだよ」という話をしてからは、「アヤがへその位置を知ってる川尻蓮だ」と言うようになってしまった。へその位置の話はさすがに軽率だったと思う。
きのうは夫を連れてしながわ水族館へ。なんとなく行き先を伝えずに出発したら、夫はどこへ連れて行かれるのかわからないスリルでテンションを上げ、京急線に乗るだけでも「京急線〜?!」とおおきな声を出してくれた。 お魚をひととおり楽しんだあとは申し込んでおいた「裏側潜入ツアー」に参加。今回は海獣チームのかたが担当で、水族館の仕組みをいろいろと教えてくれた。イルカもおなかが痛くなると人間のようにビオフェルミンをのむらしい。かわいい。 帰ってラーメンを食べてひと眠りしてから映画館へ移動