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好きだろう、と「好き」の差

私は音楽の講師の傍ら、PCゲームの音楽などを担当したりしています。最近、クライアントに恵まれるというの幸せな事だなぁと痛感しています。
ここで言うクライアントとは「依頼者」という意味ですが、PCゲームのメーカーも運営的には問題だらけの所が殆どです。クリーンなホワイトメーカーなど今まで見るどころか「話に聞いた事も無い」というのが実情です。
クライアントとクリエイターとは依頼者する側とされる側、なわけですが最近これらの関係もいろんなパターンがあるもんなんだなぁと思っているわけです。そしてそれを見ているうちに、日本の「生産効率の悪さ」の本質が見えた気がしました。

ニーズの捉え間違い

ニーズとは本来何でしょう?そもそも、マーケティングとは何を判断材料にしているでしょう?最近はビッグデータの活用がマーケティングを把握する鍵だとよく話に聞きますが、鵜呑みにすると大変な間違いをするとして、注視しています。人間の本質は「無意識に嘘をつく」からです。
とある食器メーカーの有名な話があります。新しくデザインしたモダンな形のお皿がありました。清潔な白と高級感のある黒とがありました。どちらを店に展開するべきか悩んだメーカーはモニタリングを行うことにしました。20名程の主婦に集まってもらい、どちらが良いか選んで貰ったのです。結果、満場一致で黒が良いという結果が出ました。高級感がある。気品がある。料理が美味しそうに見える。そう言った理由です。
この話はここでは終わりません。モニタリングが終わった後、「好きな方を持ち帰って良い」と伝えたのです。結果余ったのは「黒」。多くの主婦が黒が良いと言ったにも関わらず、殆どの人が白を持ち帰ろうとしたのです。
メーカーの人は困惑して理由を聞きました。「黒の方が良いと思うし売れると思う。でも私の家では黒い皿を使うような料理はしない」

この結果は、主婦が嘘をついたのでしょうか?良いと思った事は事実でしょう。売れると思った事も事実です。しかし結果的にはそれを選ばなかった。何故でしょうか。ここに、ビッグデータの信憑性が危うい原因があります。

嘘をつく多数派

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