
スペイン国海なし県に住む
学生時代、師事していた先生が3週間ほど欧州旅行に出かけました。前々からフランス語などを勉強して楽しみにしていたようでした。
先生帰国後、「スペインは何が面白かったですか?」と尋ねると、
魚介類がとても美味しかったわよ
と言う。あれ?魚介類?先生、スペインはフランスと陸続きですよね、海あるんですか?
Maria、スペインはフランスとポルトガルに接したところ以外グルリと海だわ。
そんな無知な私がまさかスペインに嫁ぐとは思わなんだw。
実は、私、スペインに来てから海を2回しか見ておりません。今でも目に焼き付いているのはガリシア巡りで行ったフィニステラ岬(まさに陸地の果て、と言う意味)でした。
フィニステラは圧巻でした。断崖から見る大海原。風が強い日で、雲が流れて、数分間隔で真っ暗になったりパーッと晴れたりしてなんとも不思議な光景でした。
それ以降、私は海なし県住まいが続いております。来年で10年w。
スペイン在住といえば、イビサやマヨルカ、地中海に面したバルセロナや美食のバスクのリアス式海岸を連想するものですよね。日本の仲間たちにスペインを説明するも、山しか知らない私の説明は物足りないんだろうな、と感じております。
とはいえ、陸地帯、山付近の生活で良いことは、野菜や果実、そして地場産の卵やチーズが美味しく食べられると言うことです。
現在住んでいる街は、テルエルと言う県に属しています。テルエルで有名なのは、テルエルの白豚の生ハムです。
スペインといえばイベリコベジョータの生ハム、と言うのが最高級品で有名ですが、テルエルの生ハムも美味しいです。
時に、イタリアの生ハムや塩分控えめの国産生ハムを好む日本からの観光客の皆さんからは、熟成高い生ハムを試すとしょっぱい、とか香りが強いと言う感想を受けます。
そこが魅力なのですが、お酒を飲まない美食家には特に、絶対テルエルの生ハムおすすめです。しつこくないけど旨味が濃くて、バルで数皿頼んでも他のタパスの味を邪魔しません。
それと、果実も美味しいです。スペインの果物ではバレンシアのオレンジが有名ですが、うちの周辺はもともと桃の名産地で、季節になると甘い桃が安価で買えます。
アラゴンは、その昔、王様がアイルランドの岩地に魅了されて山の木を全部刈ってしまった、と言うことから、長年荒野が多い場所だったそうです。
でも最近では、近所にある「アラゴンの海」と呼ばれる湖があって、大きなダムもあることから、水源を利用して山の斜面を慣らして現在桃、アプリコット、りんごなどの果樹園が増えています。
北東京生まれ北東京育ちwの私は、もともと海には縁遠かったのですが、今もその延長か、と日々過ごしています。ないものを欲しがってもしょうがないですしね。
海がある街はやはり解放感があって人気がありますが、静かに過ごす、と言う意味では、ものを語らない山側は空気も澄んでこれもまた魅力かもしれません。
はい、もちろん海側に暮らす夢は捨てきっておりませんw。
いつも読んでくださりありがとうございます。
今週も元気に参りましょう!