今日の科学 9月4日 生物物理学者マックス・デルブリュックが生まれた日
1906年9月4日は、生物物理学者マックス・デルブリュックが生まれた日。
彼は、ウイルスの研究をおこない、ウイルスの複製機構についての論文を発表しました。さらに、サルバドール・ルリア、アルフレッド・ハーシーとともに細菌に感染したウイルスが遺伝情報を交換することを発見しました。
デルブリュックは、もともと物理学を学び、オットー・ハーンの研究所でリーゼ・マイトナーの助手をしていましたが、2人が核分裂を発見する前に、アメリカへ渡り、生物学に転向し、生物物理学の分野を切り開いていきました。
彼はウイルスの複製機構の理論を提案し、ルリアとの実験で細菌が突然変異によってウイルスへの抵抗性を獲得することを示しました。さらに、ハーシーも加わった実験では、宿主細胞の中に一緒に入れたウイルスの遺伝情報が組み変わることを発見しました。
ウイルスの複製メカニズムや遺伝的構造の発見は、単にウイルスのしくみを解き明かすだけでなく、遺伝の謎を解くのに大いに役立ちましたし、その後のライフサイエンスに大きな影響を与えました。デルブリュックの研究は初期の分子生物学の発展に貢献したことから、分子生物学の父とも呼ばれています。
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