見出し画像

今日の科学 7月6日 数学者ローター・コラッツが生まれた日

1910年7月6日は、ドイツの数学者ローター・コラッツが生まれた日です。
コラッツは、数学の未解決問題の1つであるコラッツ予想を提唱したことで知られています。コラッツ予想の証明には、日本の企業がⅠ億2000万円の賞金をかけました。

コラッツ予想とは、
「すべての正の整数は、
  偶数であれば2で割り、奇数であれば3倍して1足す操作を繰り返すと、最後は必ず1になる」
というものです。

簡単な文面なので、何を言っているのかは理解しやすいものですが、証明しようとすると、一筋縄にはいきません。

実際に、具体的な数字で試してみましょう。
14は14→7→22→11→34→17→52→26→13→40→20→10→5→16→8→4→2→1となります。
15は、15→46→23→70→35→106→53→160→80→4020→10→5→16→8→4→2→1となります。

このように、1つ1つの数字を確かめていけばいいように思います。

でも、1つ1つの数を具体的に確かめていくだけだけでは、「すべての」正の整数がコラッツ予想のようになると証明することはできません。正の数はどこまで大きな数があるのかがわからないし、すべての数で確かめるのは無理があるからです。

コラッツ予想を証明するには、すべての正の整数にあてはまるように一般化して、数式で示す必要があります。しかし、コラッツのルールによる数の変化は複雑で、たくさんの数学者が挑んできましたが証明にまで至っていません。

コラッツ予想について、オーストラリアの数学者テレンス・タオが「ほとんどすべての正の整数が、最終的に1にとても近づく」という論文を発表しています。この論文は、コラッツ予想が正しいそうだと示したものの、完全に証明したわけでありません。コラッツ予想証明までの険しい道のりはまだまだ続きます。

サポート頂いたお金は、取材経費(交通費、宿泊費、書籍代など)として使用します。経費が増えれば、独自の取材がしやすくなります。どうぞよろしくお願いいたします。