見出し画像

今日の科学 6月22日

1978年6月22日は、冥王星の衛星カロンが発見された日です。
発見者は、アメリカ海軍天文台のジェームズ・クリスティとロバート・ハリソンです。カロンの直径は、主星である冥王星の直径の半分以上もあります。主星に対してこれほど大きな衛星は他にありません。

冥王星は1930年に発見された天体で、発見当時は太陽系9番目の惑星として考えられ、惑星として分類されていました。ただ、冥王星は地球からとても遠い場所にあるため、詳細な観測ができないままでした。そのため、望遠鏡などの観測技術が向上することで、新しいことがわかってきました。

その最たるものが衛星カロンの発見です。冥王星は、発見当初は地球くらいの大きさがあると思われていたのですが、カロンの発見によって、月よりも小さい天体であることがわかりました。最初の頃の観測では、近くにあるカロンの質量も一緒に見積もられていたのです。

カロンは冥王星に対して大きくて、重い天体であることから、冥王星との二重惑星ではないかと主張する人もいて、一時は惑星への昇格も議論されました。でも、後にその話はなくなりました。カロンは冥王星に対する評価が変化する大きなきっかけをつくった天体といえます。

探査機ニューホライズンズが撮影したカロン(出典:NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute)

現在発見されている冥王星の衛星はカロンの他に、ニクス、ヒュドラ、ケルベロス、ステュクスがあります。

サポート頂いたお金は、取材経費(交通費、宿泊費、書籍代など)として使用します。経費が増えれば、独自の取材がしやすくなります。どうぞよろしくお願いいたします。