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今日の科学 7月11日 JWSTの最初の観測画像が公開された日

2022年7月11日は、アメリカのジェームズ・ウェブ宇宙望遠鏡(JWST)がファーストライト画像を公開した日です。JWSTはハッブル宇宙望遠鏡の後継機として打ち上げられた宇宙望遠鏡です。最初に公開された画像から、世界を驚かせました。

ジェームズ・ウェブ望遠鏡の最初のコンセプトが提案されたのは、ハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げられるⅠ年前の1989年のことです。宇宙の最初の星や銀河を観測するためには、ハッブル望遠鏡よりも性能の高い望遠鏡が必要だったからです。

JWSTは1990年代後半から設計が開始されたものの、設計変更や開発の遅れなどで、打ち上げが延び延びになっていました。完成して無事に打ち上げられるのか心配する人も多かったのですが、2021年12月25日に打ち上げを迎えることができました。

JWSTは、口径6.5mの巨大な主鏡を持っています。打ち上げ時、折りたたまれていた主鏡は、観測地点に着いてから広げられ、順調に観測準備がすすめられました。そして、2022年7月11日に、最初の科学観測画像(ファーストライト画像)が公開されたのです。

JWSTはファーストライト画像は、ハッブル望遠鏡を超えるもので、世界中の人たちを驚かせました。JWSTの観測データが公開されるたびに、新しい発見があり、宇宙初期や太陽系外惑星などについて、いくつもの論文が発表されています。これからも様々なデータが公開され、私たちを驚かすことでしょう。

散開星団NGC3324。りゅうこつ座の方向に約7600光年はなれた場所にあります。画像の上の方にある質量の大きな星から放出された紫外線によって、下の方にある分子雲(ガスと塵が集まってできたもの)が壊れ、浸食されていきます。(画像提供:NASA, ESA, CSA, and STScI)
ステファンの5つ子。5つの銀河が1つの領域に集まっているように見えることから「ステファンの5つ子」と呼ばれています。が、実は、実際に1つの領域に集まっているのは4つの銀河だけです。中段の左側に見える銀河NGC7320は、他の銀河よりも地球に近い場所にあります。
(画像提供:NASA, ESA, CSA, and STScI)

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荒舩良孝
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