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今日の科学 9月2日 物理学者アーサー・アシュキンが生まれた日
1922年9月2日は、アメリカの物理学者アーサー・アシュキンが生まれた日。
アシュキンはレーザー光を使って、100万分の1mmほどの小さな物質を正確に動かすことのできる光ピンセット技術を開発し、2018年にノーベル物理学賞を受賞しました。
私たちは、毎日、光を浴びて生活していますが、光を浴びたからといって、何かの力を感じることはありません。しかし、実際にはとても小さな力を受けているはずです。その力が小さすぎて、私たちにはわからないだけです。
光から受ける力は、素麺の乾麺1把を持ったときの重力の10億〜100億分の1ほどととても小さなものです。でも、とても軽いものや小さなものは、光の力を感じます。JAXAが2010年5月に打ち上げた小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス」は、太陽から発せられる光の力を受けて進みます。
アシュキンは、1970年に2本のレーザー光を使って対象の微粒子を操作する光ピンセットを開発しました。1986年に1本のレーザー光を微妙に絞って対象物を操作する方法を開発し、この技術に基づいてタバコモザイクウィルスや大腸菌をとらえることに成功しました。さらに、生体をあまり傷つけない近赤外線による光ピンセットを開発することで、赤血球などの操作もできるようになりました。
現在は、DNA、金属ナノ粒子、量子ドット、カーボンナノチューブなど、様々な物質をつかんで操作する技術が開発されています。それだけでなく、小さな物質にかかる力を分析する方法や、物質について詳しく分析する分光分析法など、光ピンセットと組み合わせて、小さな物質を分析する方法が開発されています。
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