忘れっぽい私や誰かのための短い読書 2
つぎの二連からなる短詩は、パパゴ族のもの。
鷲は歌う
1
何条もの日光が
おれの翼のうえに横たわり
そのいちばん先端まで
ずっと身をのばしている
2
ちっぽけな灰色のつむじ風が
おれをつかまえようとする
おれの行く手にたちふさがり
きりきり いつまでも舞いつづける
こういうふうに、パパゴ・インディアンは、鷲のもつ特性を「視覚化」する。そうして視覚化されたイメージのなかに、鷲のもつ力ーそれはいつも人間の力を超えているーを、いわば確認するのである。こうして超自然の力を与えられた鷲は、ときに応じて人間をわざわいから解放し、とくに死から守ってくれる。少なくとも、彼らはそう信じている。
(中略)
詩人のレクスソスも、先刻触れたエッセイのなかで、「彼らの詩の背後にある強い美的な認識は、自己と慈悲深い自然環境とが同じものであることの‘認識’なのだ」と言っている。
金関寿夫 アメリカ・インディアンの詩
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