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中東が好きになったのは何故だろう - 初めての中東・クエート市内
このインド人のおじさんは、残念ながら、評判は良くなかった。
働かない、指示するだけ、が多い仕事ぶりで、究極自己中心。
しかし、事務所撤退後にフォローをしてくれる大事な人だ。
まずは、ホテルに連れていってもらい、チェックイン。
上司の常宿だったようだが、恐ろしく 陰気だった。
「クエートには、日本のビジネスホテルのような 手頃感の
あるホテルは少ない。」とのことで、
高い=シェラトンホテル
安い=ノミが出ても知らないよ レベル
チェックインしたホテルは、そこそこの値段で、まだ、
ホテルと呼べるところだそうだ。
部屋は広いが 埃っぽい。カーテンが閉められていて、
カーペットは深い赤だが、これも汚れが激しい。
バスタブは割れがあり、それをガムテープでふさいであった。
そのガムテープは、イラクのクエート侵攻の跡だったのだ。
まだ、この時は、侵攻の傷跡があちこちにあり、
街を綺麗にする、傷んだところを修復する等という気力が
この国に生まれていなかった。
最初の中東出張ということで、スケジュールはかなりゆったり
作っていた。アブダビは多分1泊。クエートは数泊だった。
チェックイン後、事務所へ。
そこでまず、インド人のおじさんと、その弟、3人で話が始まる。
”どんな風に予定を考えている?”と聞かれ、
いや、、スケジュール表事前に送ったよね。と思いつつ、
”ちょっと、街を回ってみたい。明日のアポのある会社の周辺とか、
できれば歩いてみたい” と話すと、おじさんは ニヤリと笑う。
”それはいい考えだね、だけどね、もし、今日そんな事をしたら、
明日までには アポをとっている全ての客が、君のクエート入りを知ることになるよ”
私たちは視線を交わしながら、にやりと笑いあった。