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サピエンス全史をかる〜い感じでまとめてみました(第14章)

こんにちはー!サピエンス全史のお時間ですよー(^o^)

今回もはりきってまとめてみました!

とはいえ、以前まとめたやつを読み返してみたんですけど、

今より軽いな〜

だんだん重くなって気がするので、なるべく軽やかにいきたいと思います^^


第14章 無知の発見と近代科学の成立

過去500年間に、人間は科学による前例のない発展を遂げます。

・地球旅行
・月面着陸
・微生物研究
・原子爆弾開発

歴史はゆっくり長い時間をかけて方向を変えていきましたが、この500年という短い時間の中で、人類は歴史に一瞬で終止符を打つことさえできるようになりました。

この発展が科学の革命です。

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なぜ革命と言えるのか
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西暦1500年ごろまでは、世界中の人類は、医療や軍事、経済の分野で新たな力を獲得する能力が自らにあるとは思えなかったのだ。

そのころから教育や学問に投資されることはありましたが、その目的は既存の能力の維持であり、新たな能力の獲得を目的としたものではありませんでした。

ですが、この500年間に、支配者は科学研究に投資をすることで新しい能力が得られると気づいたわけです。

無題 - 2021年9月22日 19.59 2

こういうふうに、政治経済は資金を研究者に援助することによって利益を得て、その利益でまた新しい研究に投資する・・というループになってるんですね。


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そもそもなぜ科学革命が起きたのか?

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17世期に「地動説」を唱えたガリレオは宗教裁判で有罪となったというのは有名な話です。キリスト教の考えと違う思想や発言をすると「異端」と言われて迫害されてしまう時代があったのです。

そんな中で、加速度的に科学を発展させるようになったきっかけって、なんだったのでしょうね?


歴史の「なぜ?」の絶対的な答えは出せないというのは前回散々言っていましたが。。。


ひとまず近代科学とは何たるかを理解しときましょう。

近代科学の特徴
①積極的に無知を認めた
②観察と数学により新しい知識を獲得した
③新しいテクノロジーの開発をした


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近代科学の特徴の1つ目についてです。

科学革命は知識の革命ではなく、無知の革命といえます。

これまで(知識の伝統)は、この世で必要な知識はすべて聖書やコーラン、聖典などに書いてあり、知らないことは聖職者に質問することで解決していました。

言い換えると偉大な神々や過去の賢人たちが伝えないことは、知らなくていい重要ではないことだとみなされていたのです。

「いやいや、世の中にはもっと重要なことがあって、私たちはそれに対して無知なんだよ」なんて言おうものなら、当然迫害を受けました。


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その点近代科学は、集団的無知を公に認めています。生物学者であろうと物理学者であろうと、自分の研究分野について「全部解決したぜ!」なんて思っていません。

学説は絶えず変わり、昔の説も常に改定されたり放棄されています。


こうして無知を進んで認めることにより、近代科学は爆発的に発展したのです。

しかしそのせいで、古代から見ず知らずの人同士を協力させるのに絶大な効果があった、”あの”虚構や空想の秩序まで疑うようになってしまいました。

とはいえ、科学を発展させるために必要な資金を調達するためには、宗教的な信念やイデオロギーに頼らなければならないという現実もあります。



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近代科学と数学は仲良し

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科学革命の特徴の2つ目。

近代科学は収集した経験的観察結果を、数学的ツールでまるっとまとめるという共通の方法があります。

無知を認めた近代の人々は、昔からの観察結果はどんどん古いものとみなし、つねに完全に新しい知識を探すようになりました。

学者を志望する人たちは、アインシュタインをはじめとした過去の偉人たちの知識を凌駕するのが使命だと叩き込まれるのです。


観察結果はまとめて包括する必要があり、近代科学では数学を使います。

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ちなみに従来は物語の形で組み立てられてきました。

聖書には方程式やグラフ、計算はほとんど出てきませんね。一般法則を規程する時には物語の形式で提示されていたのです。


ですがニュートンは宇宙のあらゆる物体の動きを方程式で表しました。

その後、ニュートンの法則に当てはまらない観察結果は相対性理論や量子力学という物理学の次なる革命に発展していくわけですが、生物学や経済学、心理学は複雑すぎて方程式が通用しません。

それを解決するために新しい数学・統計学が発展します。

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サピエンス全史の中では生命保険基金のための死亡率を統計学で算出した例を挙げていますが、確率計算はこうした保険数理学だけでなく、人口統計学の基盤となります。そしてダーウィンの進化論の土台にもなりました。


中世のヨーロッパでは神学をはじめ倫理学や文法学、修辞学が中心であり、数学を学ぶ人はごく少数でした。

現在は真逆で、数学は必修科目です。神学は神学校くらいでしか学ぶことができません。

数学の中でも統計学はまず初めに学ぶべき学問として位置づけられており、心理学や経済学や社会学など多くの学問で基本的な必修科目になっています。

人間の心を理解し、心の病を治すためには、まず統計学を学ばなければならないと言われたら、孔子もブッダもイエスもムハンマドも、恥ずかしい戸惑ったことだろう。

占いも統計学ですよね。横浜中華街の占いもiPatに生年月日入力したりします^^


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近代以前は軍事テクノロジーは必要じゃなかった

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近代科学の特徴その3です。

現在では科学とテクノロジーは切っても切れない関係といえますが、西暦1500年以前は、科学とテクノロジーは全くの別物でした。

ルネサンス期にフランシス・ベーコンが技術が社会に与える影響を考察したのがはじまりですが、この両者ががっちり結ばれたのが19世紀になってからであり、テクノロジー開発のために研究資金を出すという発想もほとんどありませんでした。

それまでのテクノロジー開発といえば、「無学な職人が試行錯誤して荷車のモデルチェンジする」といったところ。


戦争に関しても同じことが言えます。

現在は化学兵器や防衛など軍事テクノロジーに巨額の資金が投入されていますが、19世紀までは軍事革命はテクノロジーではなく、組織上の変化の産物でした。

なんなら軍事技術に優れたほうが戦争に負けるといった歴史がありました。

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最強軍隊を率いるローマ帝国ですが、その優位性は効率的な組織や規律、兵力の規模感にあり、技術面で言えば他の帝国より劣っていました。

古代中国も火薬を発明したにもかかわらず、せいぜい爆竹に使うくらいで、大砲ができるまで600年かかりました。

そのあいだ誰一人火薬の潜在能力に気づかなかったというのですから、「そんなアホな」と思いますけど、本当なんでしょうね(つД-`)



資本主義と産業革命が起きてからやっとこ科学・産業・軍事のテクノロジーが結びつきましたが、いったん確立すると世界が一変します。


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近代科学が進歩した先に黄泉の国が...

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科学革命以前は、人類の文化は衰退しないまでも、停滞していると考えられていました。

神でさえもこの世の根本的な諸問題を克服できなかったのに、ましてや人間の知識で解決するのは不可能であると思われていたのです。

人類が新しい知識やツールで諸問題を解決しようなどという発想は思い上がりもいいところで、神話は人間の限界を越えようとする試みは必ず失望と惨事につながるとを教えていました。


ところが。

近代文化では、貧困や病気、戦争、基金、老齢、死そのものさえもが、人類の避けようのない運命ではなく、それらは皆、私たちの無知の産物に過ぎないと考えるようになりました。

今まで「神の鉄槌」だと考えられてきた雷が電気現象であることを証明し、避雷針を発明したベンジャミン・フランクリンが良い例です。

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サピエンス全史下巻より。

暗黒の雲より出でし黄金の剣カミナリ雲天空への刺客を送り込みたこ揚げやって神々の武装を解除する雷の正体を解き明かすベンジャミンの絵が味わい深いですね。


貧困もこの世界から避けられない問題だとされてきましたが、人間の介入によって飢えなどの貧困は排除できるというのが今の常識です。

むしろ飢えより肥満で亡くなる危険のある人の方が多いといった状況です。

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「死」に関しても、近代後期以前の宗教とイデオロギーにおいては、死は逃れられない運命であり、死を受け容れ死後の生に望みを託すよう教えられてきました。

最古の神話といわれるギルガメシュ神話のテーマでも、永遠の命を求めて旅に出たギルガメシュは、人間は死という避けられない宿命のもとで生きなければならないことを思い知ります。

ですが「人類に永遠の命を与える」という科学革命の最も重要なプロジェクトははるか遠い目標でもなく、「期待してもいいんじゃない?」というところまできています。


いずれにせよ、宗教とイデオロギーが死と死後の生を計算に入れなくなり、18世紀になるともはや死後の生の関心をすべて失います。

「共産主義者が死んだらその後どうなるのか?」その答えを探しても意味はありません。

唯一国民主義は「国民のために死ねばその集合的記憶の中に永遠に生き続ける」と約束されていますが、その約束はあまりに曖昧だということも国民主義者も薄々感じています。


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科学は自らの優先順位を設定できない

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科学はとてもお金がかかります。

フィードバック・ループの話がありましたが、過去500年のあいだ、近代化学は莫大な研究資金の献金のおかげで発展しました。

その莫大なお金の方が、天体の配置を書き出し、地球の地図を作り、動物界の目録を作る上で、ガリレオ・ガリレイやクリストファー・コロンブス、チャールズ・ダーウィンよりも大きな貢献をした。

これらの天才たちがいなくても、適切な資金提供があれば別のだれかが偉業を達成したはずです。


ではなぜ政府や企業から莫大なお金が研究費用に回されたのでしょうか?

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何らかの政治的、経済的、あるいは宗教的目標を達成するのに役立つものだけが資金を提供してもらえた、というのが正解です。

逆にいうと政治的、経済的に影響力のない、科学者の純粋な知的好奇心だけの研究は、資金提供されません、ということです。

科学研究は宗教やイデオロギーと提携した場合のみ栄えることができる。

特に帝国主義と資本主義は、科学と強力に結びついて歴史を動かしたのですが、その話は次回。





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ara
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