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チームの「期待」を可視化しよう!「期待交換エクササイズ」をやってみた

こんにちは!EMConf JP方面とEMゆるミートアップ方面から来ました、LayerXの @ar_tama です。
この記事は Engineering Manager Advent Calendar 2024 の16日目の記事です。

今回は、つい先日行った「期待交換エクササイズ」というオリジナルのチームビルディング施策をご紹介します。

なお、2025年2月に開催されるEMConf JPのプロポーザル供養企画でもあります☺️


「遠慮せずに求め合うチーム」が最強説

皆さんは普段、どんなチームをマネージしていますか?そしてそのチームは今、どのような状況にありますか?

成果は出ているけどなんとなく雰囲気がよくない、あるいは雰囲気はいいけど成果に直結していない……などなど、いいところはそのままに、「もっとこうしたいのに!」と日々葛藤を抱える方も多いのではないでしょうか。

私は、最大最速で成果を出すプロダクト開発チームには、チームメンバー同士がお互いを認めながらも、遠慮せずにより期待し合う・求め合うことが不可欠だと考えています。皆の「背伸び」がチームの価値の総量を増やすなら、それはマネージャーだけがサポートするのではなく、メンバー同士でも行えるのが理想ですよね〜!

「期待交換エクササイズ」爆誕のきっかけ

LayerXでは、「相互理解ワークショップ」というワークがチームでよく実施されています。

私たちのチームでも過去に実施していて、更にお互いのことをワークショップや仕事を通じて理解することで、段々とスループットも高くなってきた実感がありました。

今のチームなら、メンバーそれぞれが更に踏み込んでMoreのフィードバックをし合えるような関係性が作れるのではないか……と思ってはいたのですが、隔週で行っているチームの振り返り(KPT)では、どうしても「チームの課題」にフォーカスしがちで、個人への具体的なフィードバックまではなかなか難しいと感じていました。

前提として、フィードバックというのは期待と実態のギャップに対して行われるもの。マネージャーからメンバーへは目標設定・評価のプロセスなどで伝える機会がありますが、逆向きだったり、メンバー同士だったりすると、そうした機会はわざわざ作らないと意外とないもの。実態(メンバーのこと)をさらによく知り、期待を暗黙的なものから明示的なものにするための機会があるとよさそうだな、と感じたところから、「ドラッカー風エクササイズ」の実施を思いつきました。

「ドラッカー風エクササイズ」のコンテンツ自体は「相互理解ワークショップ」と重なるものもあり、であればいっそのこと「期待」の部分にフォーカスしてみるか〜!と抜き出してアレンジしてみたら、ドラッカーのエッセンスがほとんど抜けてしまった😂ので、「期待交換エクササイズ」と命名してみました。

・その人はどんな人?自分はその人にどんな役割を期待している?
・自分が周りから期待されていると思っている役割は?

「期待交換エクササイズ」のメインの問い

「期待交換エクササイズ」の進めかた

チェックイン

全員で1~3分ほど話せるネタを用意しておいて、順番に話してもらいます。ここでは「皆に自分の話をすること」に慣れてもらうこと、「今、この場」に集中してもらうことが狙いです。
今回は、過去の「相互理解ワークショップ」の内容を振り返りながら、これまでの間に変わったこと・変わっていないことについて簡単にシェアしてもらいました。

ワーク

1人あたり3~5分ほど時間を取って、自分には「期待されていると思っている役割」、皆には「その人に期待する役割」を付箋に書き出していきます。リモートの場合はMiroなどオンラインツールでもよいかもしれませんが、ついつい他の人の付箋が気にならないような工夫が必要かもしれません。

書き終わったら、人ごとに順番に発表します。まずはその人自身が「期待されていると思っている役割」、次に皆で「その人に期待すること」を、付箋を貼りながら共有しましょう。その人に対する付箋が全て共有されたら、最後に本人から一言感想をもらい、次の人にバトンを渡す……という流れで進めました。

振り返り

ワークが一周したら、振り返りタイム!今回はチームとしての次の動きに繋げたかったので、単純なラップアップではなく、こちらも少し長めに時間を取って一人ずつ共有してもらいました。

・自分と相手の期待について、一致したこと、意外だったこと
・自分たちはチームとしてどんな強みがあると思う?
・今期、このチームはどんな成果を出せると思う?

振り返りの問い

今回はこんな感想が寄せられました☺️

  • みんなに抱いている感謝とリスペクトが可視化されて素敵

  • より未来に目を向けられた

  • 思ったよりみんなのこと分かってなかったかも…!

  • みんなもっとわがままになっていい!

個人的には、「この人は自分のことをよく見てくれているな」「自分に期待してくれているんだな」など、言葉にしてもらえたことで改めて実感できたことも嬉しかったですし、何よりチームがより本質的な価値に集中できるための次のステップを踏めた、という手応えを得られました。

実際に、このワークをきっかけに早速コミュニケーションの変化が見られている部分もあり、今後のチームの変化が今から楽しみです(振り落とされないように頑張ります!)。

チームメイトを「書き割り」にしないということ

ところでこのワーク、実際にやってみると、ハードスキルや職能に期待されるようなスキル(例:早くて正確な実装、とか)こそ挙がりやすいものの、「その人の強みをさらに伸ばすための期待」「その人が直面している壁を乗り越えるための期待」を皆で同じだけ出すのはなかなか難しいことがわかります。基本的にそんなことを考えなくても仕事はできる、ということではあるのですが、「相手に期待をかけて、相手のできることが増えると、相手も自分もチームも嬉しいし、より目標に近づけるかも」という手応えを得るきっかけになれたらと考えて、今後も折りに触れ実施してみたいと思っています。

余談ですが、漫画「鈴木先生」には「周りの人を背景の書き割りのように考えてはいけない」というセリフが出てきます。チームメイトを機能として捉えるのではなく、職能のスナップショットだけを評価するのではなく、時間軸を足してその人の持つ可能性に目を向けること。難しいことではありますが、それこそが「書き割りのように考えない」ということなのかなと考えて、日々実践に励んでいます。

漫画「鈴木先生」より
画像はこちらのnoteからお借りしました: https://note.com/hirotakamatsuoka/n/n24a7a48e489c

というわけで、今回はチームの成長をグンと後押しする「期待交換エクササイズ」のご紹介でした。試してみた方、ぜひ感想を教えてくださいね!

LayerX カジュアルナイト@新年会もチェケラ!(クローズドイベントなので、気になる方はSNSでお声掛けください)


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