2018年のARニュースをもっと振り返る/勝手にAR忘年会番外編【7~12月編】
12月8日にAR三兄弟が主催する10回目のAR忘年会にて登壇させていただき、ARニュースをAR三兄弟と振り返りました。
登壇の際には僕とAR三兄弟がARにまつわる各月ごとのニュースを持ち寄って紙芝居形式で振り返りました。紙芝居の中にはARマーカーが印字されていて、そのマーカーからARで動画が流れてくるといういかにもAR忘年会らしい演出も仕込まれていました
AR忘年会では時間などの兼ね合いもあり、各月ごとに1つずつのニュースしか振り返れなかったのですが、自分がAR忘年会でお話しできるということでテンション上がって、かなりの数のARニュースを月ごとにまとめました!笑
前編の1〜6月のニュースはこちらの記事から振り返ることができますので、まだ読んでいない方は併せて御覧ください!
スマホでオクルージョンが実現できた感動の7月
ARクラウドスタートアップの6D.aiがアーリーアクセスの配布開始
「2018年、最も驚いたAR SDKは?」と聞かれたら間違いなく答えるであろうARのSDK、6D.aiのアーリーアクセスが7月から可能になりました。
こちらのSDKの性能には本当に驚いて、夜一人で自分のデスクをスキャンしてみたり、朝渋谷の道をスキャンしてみたりしました(笑)
6D.aiはARクラウドスタートアップのプレイヤーとして頭一つ飛び出た存在になってきていて、今後どんな技術を我々開発者に提供してくれるのか2019年も楽しみです。
ShopifyでUSDZを使ったWebARに対応するサイト構築が可能に
簡単にECサイトを作れるプラットフォームのshopifyがWebARで簡単にECサイトの商品をAR表示できるようにすることを発表したことでも話題を呼びましたね。
ECサイトでのWebARはこれからどんどん需要が増えて行くと思っていて、ECサイト事業者やEC開発者はこの技術や領域には2019年にも着目必須だと思っています。
shopifyのWebARに関してはこちらの記事もぜひ参照ください。
我らのバイブル「ARの教科書」が発売開始
7月にはARの教科書が発売された月でもあります。
この本は自分が昨年創業した際に知識としてほしかった内容がめちゃめちゃ詰まっていて、これからイチからARについて学び、参入したい方々にとっては本当に必読書だと思っています。
今年は有志でのARの教科書輪読会もcluster内で開催していて、自分も一部を輪読担当させていただいたりと、この本からの学びも多い一年でした。
輪読会の内容などはこちらのサイトにまとまっているのでぜひご参照ください。
MagicleapOneの登場でAR史の節目になった8月
MagicLeapOneがついに登場!注文開始!
デバイスの発表をずっと先延ばしにしてきたMagicleapがついに開発者エディションとしてMagicLeap Oneの予約注文を開始しました。
発表された当初はMagicleapが謳った過剰なプロモーション動画の影響もあり、否定的な意見も多かったですが、徐々にデバイスとして評価されはじめ、今では多くの開発者がコンテンツの開発に取り組んでいる印象です。
ARクラウドスタートアップのUbiquity6がSFMoMAで150人のテストユーザーを対象にARクラウドを使用したアプリを公開
ARクラウドスタートアップとして6D.aiと同じくらい自分が注目しているUbiquity6がサンフランシスコのMoMAでユーザーテストを実施しました。
自分もめちゃくちゃ触ってみたくて、こういうのに参加できないのが日本にいる辛いところですね。。。
forbesの記事や写真を見てみると、slackのチャンネル選択のような画像が確認できて、同じ物理空間内に複数のデジタル空間を生成するような仕組みになっているのではないかなと予想していたりします。
AlibabaがHololensを使ったMRショッピングを展示
中国のAlibabaもAR, MRには注力してきており、ショッピングコンテンツ「Taobao Buy」が中国で開催されたTaobao Maker’s Festivalにて公開されました。
動画を見ていただくとわかるように、AlibabaはAR, MRによってショッピングがどう変わるのか?Alibaba自身がどう変えるのか?を積極的に考え、提案しています。
AR時代のショッピングサービスを考えたい方はAlibabaの研究動向は要チェックです!
8th wallのWebARの進化に感動した9月
AR SDKスタートアップの8th wallがWebARを簡単に実現できる8th wall webを発表
9月は8th wall が新しく8th wall webを発表したことが開発者として一番のニュースでした。
8th wall webはもともとARKit, ARCore登場初期からARのクロスプラットフォームサービスを提供していました。そんな8th wallがWebARも簡単に実装可能なぷらっとフォーム「8th wall web」をリリースしました。
8th wall webはすでに一般公開されているので、サイトからどなたでもSDKを入手し、開発することができます。
JauntがRealsense6台で3DアバターをARストリーミングする技術を発表
Jauntはこの月にRealSense6台をつかった3Dのリアルタイム配信を発表しました。
これらの技術がもっと進めば、スターウォーズのホログラム通話なども実現しそうですね。
Jauntはその後VR事業は縮小し、AR事業へ注力するために大規模レイオフを行ったことでも話題を呼びました。
ARニュースがてんこ盛りだった10月
GoogleがPixel3発表。驚異のオクルージョンを誇るAR PlaygroundとAR時代の検索となるGoogle Lensを公開。
Google製のスマートフォン、Pixelの三世代目となるPixel3が発表され、日本での発売も決定しました。
このPixel3は通常のスマホとしてもかなり優秀ながら、AR開発者にとっても驚きのポイントが2つほど用意されていました。
その一つがインカメでのARオクルージョンで人の形を認識して、自分の後ろにキャラクターがいるようにきちんとARオブジェクトを隠蔽してくれます。
そしてもう一つがGoogle Lensでの物体検索。この機能はARスタンダード時代の検索体験だなと思っていて、よりシームレスにこういった体験をスマートフォンに取り込むGoogleはさすがだなと感じました。
NYのARスタートアップがAR版SkypeのSpatialを発表
10月は「AR時代のskype」となり得るサービスSpatialが発表されたことでも話題を呼びましたね。
このサービスを作った方々はマイノリティーレポートのシーンから着想を得たそうです。
こういった複数人でのARでの共同作業や会議が可能になれば、場所の制約に縛られずにいろんなところで仕事ができたりコミュニケーションの幅も広がりそうですね!
Nianticが六本木ヒルズにてARゲーム「Neon」をお披露目
Pokemon Goで知られるNianticがAR空間をユーザー同士で共有できるNeonを六本木にて公開しました。
実際に遊んでみて、端末によって安定性に違いはあるものの、自分がプレイしたiPhone8では結構安定して動いていた印象でした。
ARゲームについてはこれからどんどんNianticが仕掛けてくると思うので、2019年の動きも要注目ですね。
ARクラウドスタートアップのBlueVisionがLyftに買収される
世界3都市でシティスケールのARクラウドを構築するスタートアップのBlue VisionがカーシェアスタートアップのLyftに買収されました。
Blue Visionの構築したARクラウドを活用することでLyftの車が自動運転を実現できるようになり、逆にLyftの車にカメラを搭載して走らせることでBlue VisionのARクラウドのデータがどんどん蓄積されていくという本当にキレイな相互扶助だなと思いました。
コナン君のメガネ?一般消費者向けスマートグラス「Focals」が$1000でお披露目
ほとんど普段遣いのメガネと変わらない見た目のスマートグラス「Focals」が発表されたのもこの月でした。
このスマートグラスはBluetoothでスマホと接続する形で、スマホからの通知や簡単な情報を網膜投射で表示してくれます。
AmazonやIntelも投資しており、Alexaとも連携が可能だそうです。
12月にはIntelが開発を中止したスマートグラス「Vaunt」の特許をFocalsの開発元であるNorthが購入していたことも報道されます。
スマホメーカーがグイグイ攻めてきた11月
ファーウェイがARヘッドセットを1 ~ 2年以内にARヘッドセットを市場投入する計画を発表
11月にはスマホメーカーのHUAWEIが1〜2年以内にARヘッドセットの市場投入を発表しました。
個人的にはスタートアップはやはりハードウェアの開発にはなかなか手が出しづらいので、こういった大きな会社がどんどんハードの開発にトライしてくれるのは嬉しいことだなと思っているので、HUAWEIがどんなARヘッドセットを出してきてくれるのか今から楽しみです!
SamsungがARクラウドサービス「Project Whare」を発表
これは個人的にはかなり寝耳に水なニュースでした。
2019年も多くの大小様々な企業がARクラウドに関して事業をおこしてきそうですね。
スパイダーマンの新映画のプロモーションWebサイトにWebARが起用される
今年はWebARのユースケースとして映画プロモーションに活用される例が出始めた年でもありました。
その代表格となるのが、日本でも来年の3/8に公開予定の「スパイダーマン:スパイダーバース」のプロモーションサイトでのWebARの活用でした。
このプロモーションはスマホでサイトを開くとWebARカメラが起動して、スパイダーマンと並んで写真が撮れるというシンプルなものです。
来年はもっとWebARを使ったプロモーションが出てくることでしょう。
ちなみにARを使ったPRなどの事例に興味がある方はこのスパイダーマンのAR PRを手がけたtriggerという会社の事例などをチェックすることをおすすめします!
日本からも新しいARアプリがまた一つ誕生した12月
ARスタートアップGraffityがペチャバトをリリース
12月には日本でARを使ったコミュニケーションを模索するスタートアップ「Graffity」がARシューティングゲーム「ペチャバト」をリリースしました。
このペチャバト、超手軽にARを使ってシューティングゲームを身近にいる人と楽しむことができるので、ぜひ試してみてください!
Google Lensで認識することが可能な物体の種類が1億点を突破
カメラに写った物体を認識して検索することが可能なGoogle Lensでの識別可能な物体が合計1億種類にまで向上しました。
Google LensはAR時代の検索アクションとなるものだと思っていて、そこに今から投資して技術を磨き上げるGoogleはさすがだなと感じます。
6D.aiがスマホだけで複数の人の認識を可能にするライブデモを発表
7月の章でもご紹介した6D.aiがサンフランシスコで開催されたAWE NiteというARのカンファレンスでスマホカメラだけで人物検知を行うライブデモを公開しました。
スマホARをどんどんおもしろくしてくれる6D.aiの動向は2019年も目が離せませんね!
GoogleがAR美術館機能「Pocket Gallary」をリリース
GoogleがリリースしているAR美術館アプリ「Google Arts & Culture」をアップデートし、「Pocket Gallery」という機能をリリースしました。
この機能により、ユーザはヨハネス・フェルメールの作品を一挙に鑑賞できるようになりました。
この機能の体験として優れているところは一重に立って操作する必要がないことだと考えています。
多くのスマホARアプリは広いエリアを確保し、立って周りを見渡しながらスマホを操作する必要がありましたが、このアプリはAR的な要素とVR的な要素を組み合わせてユーザーが立たずともARコンテンツを見ることができるようになっています。
Googleは技術的な側面だけでなく、UX的な側面でもARについて様々な研究をしていることが伺える事例でした。
以上、2018年のARニュースを7~12月まで振り返って見ました。
2018年はARの開発者にとって本当に色々なことが可能になった飛躍の年でした。
2019年はもっと様々なことができるようになり、ARが人々にとってより身近なものになっていくのではないかと思っています。
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