xRの未来を予言する「Mirror World」から予測する未来の生活とLeap Motionの今後の動向
先週、Leap MotionのKeiichi Matsuda氏が「Mirror World」というコンセプトを会社のブログにて発表しました。
ちょうど先週は弊社で合宿があり、各メンバーがAR/VRに関する記事や動画をみて、未来にどんなことが起こりそうかを予測するという宿題が出ていました。
↑弊社合宿で一人一人発表しています
そこで自分はこのMirror Worldを読んで「AR/VRが普及した未来はこうなるんじゃないか」ということを合宿で発表しました。
今回は合宿での自分の発表内容を簡単にまとめたいと思います。
内容としてはまず「Mirror Worldというのはどのようなものなのか」について説明し、「Mirror Worldが実現した時にどんな世界になっているのか、どんなことが実現できるのか」を自分なりの考えでまとめました。
Mirror Worldとは
記事中では以下のように表現しています。
Mirrorworlds are alternative dimensions of reality, layered over the physical world.
Mirror Worldは現実世界の上にバーチャルなレイヤーを付与することによって生成される「もう一つの現実」。VRの延長線上にある新しい体験の形であると考えられます。
Mirror Worldではコンピューターが外部環境を認識することで物理世界の形状、人間の存在を検知して、その上にデジタルレイヤーを乗せています。
現状のVRはユーザーを「違う世界へと転送」されるのに対して、Mirror Worldはユーザーが現実世界に居つづけながら、イマーシブな体験をすることができます。
Human - environment interface
Mirror WorldによってKeiichi Matsuda氏は「human - environment interface」が実現できると述べています。
これまで我々は「human - computer interface」を使って、デジタル技術の恩恵を受けてきました。(PCやスマートフォンなど)
しかし「human - computer interface」の場合、現実空間とデジタル空間が分断されてしまっているが故に現実世界で行われているコミュニケーションが分断されてしまいます。
(スマホを見ながらTwitterやカレンダーの情報を確認する。VRゴーグルをつけてVRChatを使う。etc)
しかしMirror Worldで実現できる「human - environment interface」はデジタル空間と現実空間が同居しているので、現実空間のコミュニケーションが阻害されることはありません。
Mirror Worldでは現実空間の環境とインタラクションを行うことそのものがデジタル情報を扱うことに繋がります。
モビリティVR
またVRはポータブル性だけでなく、モバイル性を獲得できます。
ポータブル性はすでにOculus Goなどである程度確立されつつあります。
しかし、今のスマホのように歩きながら、街中で使うことはできません。
しかしMirror Worldでは現実世界の階段、通路などを検知して、それらをバーチャルなオブジェクトに変換させるため、ユーザーは外で歩きながらVRで友達と戦うことができたり、モンスターを倒すことができるようになるかもしれません。
(レディプレイヤー1の歩きVRもあながち間違いではないかも?)
Mirror Worldでは新しいデザインフレームワークが必要だとも言及しています。
現実世界のどこまでデジタル世界に持ち込むのか、どこまで他人とシェアするのかなどプライバシーや共有の範囲が新たな問題になりうると考えています。
考察
ここからは上記のMirror Worldを読んで、どのようなことが今後可能になるのか、今後Leap Motionはどのように事業を展開していくのかなどについて自分なりの考えを述べていきます。
VRとARは一つの場所に集約される
VRとARは今、対極的な技術として認識されがちだが、将来的にVR/ARデバイスは一つのデバイスに落ち着き、デジタルと現実の配合をユーザー一人一人が選択できるようになると思いました。
(MSのMRがそれに近い?)
そもそも近い未来にVR/ARという言葉が残るのかどうかも考えた方がいいかなと思いました。
あらゆるもののログ化
Mirror Worldが実現でき、外部環境を認識しながらレイヤーをかぶせることができるとあらゆることのログ化が可能になると考えられます。
ログ化ができるということは再現性、解析を可能にすることができます。
例えばレディプレイヤー1のオアシス創始者の行動を記録した博物館のように、ある人物がその日どのような行動をとったか、何を喋ったかなどを保存し、再生することが可能になります。
また自分、もしくは他の人の行動ログを使って、その人のコピーアバターを作ることが可能になるとも考えられます。
自分はいけない会議にコピーアバターが行ったり、元恋人のコピーアバターを作って生活の糧にする人も増えそうですし、アイドルのコピーアバターが売れる時代もくるかもしれません。
リアル世界のbotを作ることもできるようになるのではないかと考えました。
空間が多層になり、交差する
外部環境をプロットして、デジタルレイヤーを重ねることで、物理的にはそこに一緒にいる2人が、全く違うレイヤーに存在するというようなことが発生すると考えられます。
逆にある空間と違う空間を重ね合わせ、物理的には違う空間でも同じ空間にすることも可能になります。
「一緒にいる」という定義が曖昧になり、人と知り合うという機会もよりダイナミックになっていくと思います。
例えば今ならpairsやFacebookでインターネットがなければ物理的には出会うことのなかった恋人や仲間と出会えるようになりました。
それがデジタル的なレイヤーや空間のなかで実質的に出会えるようになります。
またリアルにどこかにいく(オフィスやデートなど)ことは極端に減ると考えられます。
Leap MotionがMirror Worldを発表した理由についての考察
彼らは「現実空間の知覚とデジタル化」を加速させたいのではないかと思っています。
最初は「ものを操作する」のに一番適した手からはじめ、North Starに代表されるように手を知覚したハンドトラッキングでUIのコアを抑えます。
その後、徐々に彼らが知覚できる範囲を人間の手から広げていき、最終的に現実空間全てを知覚し、デジタル情報へと変換できるようにしていく。そんなストーリーを描いているのではないかと思っています。
しかし、Mirror Worldのような仕組みを作るには現実世界を知覚するためのデバイスをユーザーだけではなく、街中や屋内にも設置する必要があります。
今後、Leap Motionがどのように現実世界全体を知覚して、デジタルデータ化していくのかは要注目だと思います。
以上が自分が合宿で発表したMirror Worldの概要の説明と、AR/VRが普及した時代の未来とLeap Motionが今度どのように事業を展開していくつもりなのかを自分なりに予測してみました。
ARアプリの開発に興味がある方にオススメの記事
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?