Apple Vision Pro向けアプリをデザインする際に意識した3つのこと
こんにちは!空間コンピューティング技術で人々のまなざしを拡げるMESONの小林です。
6月28日から、日本でもAppleが空間コンピュータ「Apple Vision Pro」を発売開始しました!
日本でももっとApple Vision Proが注目され、人々にそのインパクトを知ってもらえるように、Apple Vision Proに関する記事をMESONのメンバー全員で1ヶ月連続で投稿するアドベントカレンダーを実施しています!
昨日はMESONのディレクターのきょーすけさんが「空間コンピューティング・Apple Vision Proの拡がり」というタイトルで記事を公開してくれています!そちらもぜひ併せてご覧ください!
13日目となる本日はMESONがApple Vision Pro向けに開発した天気体感アプリ「SunnyTune」をデザインした際に意識した3つのことについてご紹介します。
この記事の内容は先日テクノエッジ様が主催したApple Vision Proホルダーパーティーで発表した内容になります。本イベントでは35台ものApple Vision Proを持つ方々が集まりました!全員がApple Vision Proを装着して撮影した集合写真は圧巻です(笑)
SunnyTuneとは?
まずは弊社がApple Vision Pro向けに制作した天気体感アプリ「SunnyTune」についてご紹介します。SunnyTuneは天気の変化を体感できる「天気体感アプリ」です。
SunnyTuneに目をやると自身の視覚や聴覚などの五感を使って、現在や未来の天気を体感できます。
立体的な天気の表現だけではなく、樹や草のなびいている様子、空間に現れる生き物の様子から寒暖や風の強さも感じることができます。
現在はPokemon GOを開発したNiantic社のバーチャルペット「Peridot」ともコラボをしており、SunnyTuneを起動するとSunnyTuneの中に可愛いPeridotを見ることができます。
App Storeでダウンロードすることができますので、Apple Vision Proをお持ちの方はぜひ体験してみてください!
ちなみにこのSunnyTuneは「Volumes」と言われるタイプのアプリです。今回ご紹介するポイントも基本的にはVolumesアプリで活用できる学びになりますので、その前提で読み進めてください。
SunnyTuneのデザインで意識した3つのこと
この記事ではSunnyTuneをデザインする際に意識した3つのことについてご紹介します。
今日ご紹介する3つは以下です。
それぞれ順番にみていきましょう!
情報を感じる
1つ目に意識したのはユーザーが情報を感じるようにデザインすることです。
Apple Vision Proはただデジタル情報を目の前に映し出すだけではなく、視覚や聴覚を通して人々に情報を感じさせる力を持っています。
天気アプリを例にご説明しましょう。
皆さんがお持ちのスマートフォンに入っている天気アプリをイメージしてみてください。
スマホの天気アプリでは「晴れ」「雨」「21 ℃」など、記号や数字によって天気が表現されています。しかし、Apple Vision Proではディスプレイを飛び越えて、眼の前に天気を実際に表現することができます。
草のなびく様子を見たり、雨の音を聞くことで天気そのものを体感することができるようになります。
このようにApple Vision Proではユーザーが情報を「知る」のではなく、「感じる」ようなアプリケーションをデザインすることが可能です。
これまでにような記号的な情報では「雨」と言われてもどのくらいの激しい雨が降るのか、風はどのくらい強いのかなど天気を知ることはできてもイメージすることが難しかったのですが、SunnyTuneのように天気を目の前に表現し感じてもらうことができればもっと天気という情報を直感的に理解できます。
心地よさを生み出す
2つ目に意識したのが心地よさを生み出すことです。
Apple Vision ProはこれまでスマホやPCで存在していたディスプレイという境界を取り払い、私達の眼の前にデジタル情報を映し出すことができます。すなわち、これまで以上にデジタル情報と私達の距離は近くなるのです。
だからこそ、そのアプリが便利であるかどうかと同じくらいに、心地よいかどうかが重要になってくると考えました。
SunnyTuneでは心地よさを感じてもらうためにSunnyTuneアプリ自体を丸みを帯びたフォルムにしたり、現実とデジタル情報の境界を曖昧にしています。
またどこにSunnyTuneを置いても違和感がないように土台を少し浮島のような形にしています。
またSunnyTuneのアプリの中に本当に天気を表現した空間が広がっているように感じてもらうために、流れているBGMは20以上の音素材をブレンドしたものになっています。
こうすることで「繰り返しの音がなっている」という不自然さがなくなり、より自然にSunnyTuneの中で広がる天気を受け入れることができます。
よく晴れた風の強い午後の天気では、風で草がなびく音や鳥のさえずり声が聞こえてきます。
豪雨の夜には雨が地面にあたり跳ね返る音が聞こえてきます。
存在が価値になる
最後に意識したのはそのアプリの存在自体が価値になるということです。
Apple Vision Proの特徴の一つは複数のアプリを同時に使えることです。注視していないと使えないアプリは使用後にすぐ閉じられてしまいますが、アプリの存在自体に価値があればユーザーが他のアプリを使用しているときでも閉じられずにずっと開いてもらうことができます。
自分はApple Vision Proの最初のキラーユースケースはバーチャルワークスペースであると考えており、今後Apple Vision Proを仕事で活用することが増えると予測しています。
バーチャルワークスペースとしてApple Vision Proが活用される際に、もちろん平面のWindowアプリとして提供されるアプリを開発することもできるのですが、そこは「Slack」や「Notion」など、すでに市場を独占しているアプリがたくさん存在しています。
しかし、一方でこれまではディスプレイの制約があってアプリを提供することができなかった、Apple Vision Proによって新たに生まれる市場が存在します。
それが下の画像の赤枠部分です。
これまではコンピュータがデジタル情報を表示できたのが、ディスプレイの内側のみでした。しかし、Apple Vision Proは私達がいまいる現実世界すべてをディスプレイに変えることができます。
そのため、これまでコンピュータがサービスを提供できなかったデスクの上や壁など、新たにサービスを提供できる場所が増えるのです。
SunnyTuneはWindowアプリとして提供される他アプリとも共存でき、ワークデスクの上などにも置いておいてもらえることを意識しました。
SunnyTuneをVolumesというタイプのアプリとして開発することでApple Vision Proで使用できる他のアプリと共存できるようにしています。
またデフォルトの状態ではできるだけUIなどを表示せず、天気の表現だけを前面に映し出すようにしています。これによって、ぱっとSunnyTuneの方に目を向けただけでいまどんな天気なのかを瞬時に確認することができます。
もちろん空間オーディオも有効にしているので、音で天気の変化を感じることもできますし、人によってはその天気の音自体をヒーリングコンテンツとして楽しんでいただいたりもしています。
以上、MESONがApple Vision Pro向けに開発した天気体感アプリ「SunnyTune」をデザインした際に意識した3つのことについてご紹介しました。
ぜひ今後、Apple Vision ProのVolumesアプリを制作する際の参考にしてみてください!
Apple Vision Proアプリ開発の相談はMESONへ
MESONでは企業様とのApple Vision Pro向けアプリ開発も積極的に行っています。
❏ 伊藤忠商事様とのApple Vision Proの常設展示コンテンツ制作
❏ Niantic様とのPeridotコラボ
❏ 東京ガス様との3Dモデルビューワーアプリ開発
上記の取り組み以外にもいくつかの企業様とはApple Vision Pro向けアプリの開発を進めており、今後開発したアプリを発表予定です。
ぜひApple Vision Proを活用したアプリ開発に取り組んでみたいという方は以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
MESONについてもっと知りたい方はぜひ以下の公式ホームページを御覧ください!
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