潜入
※この記事はあくまでぼくの主観で書いています。
みなさんの周りに、「なんか最近急に変わったなー。」とか「久しぶりに連絡きたなー。」みたいな人いませんか?
その人、危ないかもしれません。
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▼勧誘**
この世界を知ったのは、大学時代の友人からの紹介だった。
とある仕事終わり。ケータイに1つの通知。
「久しぶりー♪東京いるんだよね?久々に飲まない(≧▽≦)?」
大学時代の友人、田中(仮)からだった。
大学時代の田中(仮)は、ぼくやぼくのほかの友人と同じく所謂「クズ」枠。なにかにつけて酒を飲み、コールでしょっちゅう潰れてた仲だ。
田中(仮)が提示してきた日程は、平日。
久しぶりの再会に心を踊らせたぼくは、二つ返事でOKした。
当日、田中(仮)との再会はとても楽しいものだった。
昔話や下ネタで盛り上がるなか、「起業を目指して勉強もしている。」なんて真面目な話題が出た。独立を考えていたぼくは興味がわき、いろいろ聞いてみた。
すると、
・職場の先輩の紹介で知った環境である
・経営者と繋がることができ、経営を学んでいる
と言う。
そしてなんと、いっしょに学んでいる女性Aを紹介してくれるとのこと。早速3人での飲み会を取り付けた。
後日、田中(仮)・女性A・ぼくの3人で飲み会。他愛もない会話。
その中で田中(仮)から、「ぼくたちの『師匠』であるトップ層の経営者に会う機会を特別にもらったけど会いたい?会いたかったら取り次ぐよ。」と言われた。多少酔っ払った様子のAにうまくのせられたこともあり、もちろんぼくの答えはYES。『師匠』に会える機会をつくってもらった。
『師匠』に会う当日、集合は品川。
そして向かった先は、品川のとある『タワマン』。38階。
お会いしたのは1人の男性だった。某企業の営業を経て経営者となったというこの男。不自然なまでに笑顔。気持ち悪さを感じつつも話を聞き、『金持ち父さん 貧乏父さん』という書籍を薦められ、この日は帰宅した。
小学校の読書感想文ですら、最初と最後の10ページずつを読んで書いていたくらい読書の習慣がなかったぼく。良い機会なので当然書籍は買ったわけなんだけど。
引きこもりなぼくはもちろんネット購入。
やっぱ見るわけですよね、レビューを。
出るわ出るわ、「ネットワークビジネス」の文字www
当然の流れで、田中(仮)、女性A、『師匠』との会話のなかで出てくる、『●境』『師匠』というワードでググる。
で、でたーwww
「ネットワークビジネスから派生したマルチまがいの集団」奴〜wwwwwwwwwwwwwwww
田中(仮)の言っていた『●境』というところは、"ネットワークビジネスの団体からはずれた一部集団が立ち上げた団体。毎月15万の支払いが必要になる"らしい。
**えwwww田中(仮)毎月15万払ってんのwwwwwwwやばくねwwwwwww **
ちょうど東京の仕事を辞めて地元に戻る予定だったぼく。
「なんで田中(仮)は胡散臭いものにお金を払っているのか。」「ネタになるし、15万払う前にトンズラすれば余裕っしょ!」ってことで、120%ネタづくりのため潜入☆レッツゴー☆
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▼潜入 **
団体内では、師弟制度がとられていた。
『師匠』=経営者やその右腕的存在
『弟子』=会員
弟子のなかでもまた段階がある。
【仮弟子】
入会前から洗脳活動は始まる。ほぼ毎週土日、「勉強会」としてみんなで集まる。やることはホントに勉強したり読書したり。
本入会に少しビビってたぼくは、仕事を理由に約1年間この期間を続けた。
学びたいことの詰まった長期出張が重なっていたこともあり、好都合だった。1年も続けたのは珍しいらしい。笑
【本弟子(入会)】
条件は、
・一定以上の仮弟子期間があること
・土日祝日が確実に空けられ、かつ定時に終わる仕事に就く
月の土日祝日に必ずセミナーが入るから。さらには、平日は毎晩『現場』に出るため(後述)にこのような条件がつく。
●セミナー
土日祝日は、予定がセミナーですべて埋まる。レンタルルームを借りておこなうチーム内部の小規模セミナーや、会全体で成果を上げた人間をスピーカーに迎えた中規模セミナー、1泊2日参加費9,000円・別途宿泊費の泊まり込みの大規模セミナーなどなど。
何回かさぼってみた結果、鬼のように電話がきた。
「風邪くらいで休むな!」「仕事どうにかなんないの?」「仕事休まないとか、本当にやる気あるの?」など、参加がほぼ強制といっていい。
後半はなにかしら理由付けていかなかった。
●自己投資(笑)
「自分の家計は、小さな経営」の考えの下、自身の家計簿をつけてチームのリーダーに報告する。テキトーにでっち上げて報告。あくまで真剣な顔で。
●現場
平日は毎晩のように街コンやHUB、道端でナンパという『現場』に繰り出す。出会った人たちと後日カフェにいくことなんかもある。出会った人たちをみんなで集めて、フットサルやパーティーをおこなったりもする。
フットサルやパーティーは楽しいので、誘ってみて来てくれる人には参加してもらった。
●ミーティング
そして『現場』が終わった夜中には、ミーティング。
現場で連絡先を交換する人数の目標を立てたり、ナンパした人たちに飲み会に参加してもらうための準備などが行われる。
みんな真剣。ぼくはほとんど聞いてなかったけど。
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▼実態**
【仮弟子】
洗脳の入り口。
この期間はわりと勉強になる。読書の習慣が身につくほか、ふだんの生活でなかなか言語化しないようなことを言語化しながら、人として必要な初歩的なマインドを落とし込んでくれる。やるじゃん。
ただし場所は、法に触れないために公共のオープンスペースを利用する。30〜50人で一般開放してる場所を陣取る。最近は団体での長時間の占有がバレて、大崎の某スペースを出禁になったとか。やるじゃん。
【本弟子】
●セミナー
内部の人間からお金を搾取するために、徹底的な洗脳をおこなう。
小規模/中規模セミナーの登壇者は、基本的に団体の内部で結果を出した人。身内の登壇が常態化したセミナーってなんやねん。笑
肝心な内容はというと、ただひたすら同じ内容の繰り返し。
なんなら自分たちで「自分がこの環境に入った理由」と「勉強会で学んだこと」を相手に伝える練習を始めたりする。バカバカしいと思うかもしれないけど、これは「あくまで『自分の意志』でこの場所にいる。しゃべっていることが、自分の『なりたい姿になるために必要なこと』として『本人の言葉』で刷り込まれる。」といった洗脳の手口。
ただし某海岸沿いの会場で開催する一泊二日の大規模セミナーには唯一、役に立つ時間がある。いわゆるガチの経営者や芸能人が登壇してお話をしてくれる時間。トップが一応表向きの事業も展開しているため、その繋がり。ぼくが潜入していたときは、経●香保●さんや國●利●さん、オ●ラ●のあっ●ゃん なんかが登壇してたなぁ。。。
●自己投資(笑)
なぜ家計を報告する必要があるのか。
この団体の仕組みは、
・『師匠』のお店の商品を、『弟子=会員』が"定期購入"する
・『弟子=会員』は購入者の紹介料として"インセンティブ"が入る
・一定数の紹介者を獲得した『弟子』が、『師匠』の店をまわしたり
さらに結果を出せば、自分の店を持ち、『師匠』となる
この"定期購入"の額が「自己投資」の15万の正体である。
そりゃ搾り取るために、経済状況の把握には力入れるよね。笑
「15万」の支払いが必要な理由は、あくまで「金持ちや自由になるために必要な、先行投資。」「先行投資をした者は、月に一度経営者の話を聞ける権利が得られる。人は環境の生き物。つるむ人間で自分が変わる。」などと伝えられる。言葉巧みに15万の支払いに対してのハードルを低くしている。すでにゴリゴリに洗脳された会員はなんの疑いもなく支払う。恐ろしい。
●現場
街コンや合コン、ナンパもいわゆる勧誘活動。
ここで「自由な生活」や「お金持ち」といったワードに食い付いた人間を勧誘していく。もちろん表向きは「経営者になるための勉強をしている」という触れ込み。フットサルやパーティーなんかも勧誘の入り口として開催することが多い。
●ミーティング
そして『現場』が終わった夜中には、ミーティング。
みんな眠い目をこすりながら頭を使う。
後述の洗脳の基本である、睡眠時間を制限するためだ。
▼所感
①ナンパ楽しかった
純粋に度胸がつくし、ぼくは勧誘なんて一切せずに友達づくりと女の子との出会いに使ってたので、今でも遊ぶような友達もできてすごく役立った。
そして改めて渋谷ギャルの恐ろしさを知った。あいつらやべーよ。
「これからどこいくの?いっしょに飲もうよ!」
って言うと、
「菅田将暉」
って返してくんの。
菅田将暉レベルの男じゃねーと相手しねぇよって意味なんだよね。
身長に圧倒的な特徴を有したぼくは、怯まずに「オレこう見えてもチビ界の菅田将暉って呼ばれてるけどどーする???」って聞き返しましたけどね。もちろんギャルはフルシカト。
②巧みな洗脳技術
洗脳に必要な要素である、
・睡眠時間を奪う
・自己決定させる
・自分の決定を第三者に公表する
・同じ言葉やスローガンを繰り返し使う
といったものがすべて網羅されてる。
正常な思考・判断能力を奪う手法。
洗脳の実践方法や洗脳された側の心理状態は、とても勉強になった。
『自分の決定を第三者に公表する』ことや『スローガンの刷り込み』なんていう、義務教育を受けている人間ならだれでも経験していることが『睡眠時間の欠如』や『劣等感』『承認欲求』によって、見事にうまく作用して洗脳がおこなわれていく構図は見ていて恐れすら感じた。
「バカみたい」と思った方、たぶんイチバン危ない。
こういった洗脳方法は、オウ●真●教や現在の中●のウ●グ●民族弾圧にも使われている洗脳の基本(ウ●グ●民族弾圧なんかはここに『暴力』『体罰』『法律』なんていう強制力も加わっていく)。舐めてるとマジで危ない。
③会員は基本良いヤツ
活動してる会員は基本的に良い人たち。
だけど、世間をあまり知らなかったり夢見がちだったり。
気付いて辞めた人たちとたまに飲みに行くくらいには、みんないい人。いい人過ぎるんだよね多分。ちなみにこの長い文章をここまでちゃんと読んだそこのあなた、いい人過ぎるから危ないよ。笑
④自由とはなにか
会員は、経営者を目指したり自由な生活にあこがれているにもかかわらず、垢の他人に言われた通りに何も考えず、毎月2.3万のインセンティブのために毎月15万も支払ってる。
友人田中(仮)にいたっては、実の兄の結婚式のために帰省するかどうかを自分で決められずに、『師匠』なる垢の他人に決めてもらう始末。
君たちの求める「自由」とはいったいなんなの?
⑤コスパ悪くね??
ざっと考えてみる。
【メリット】
・コミュニティに属することができる
・まじめにやればセールストークがうまくなる
・まじめにやれば人としてのリハビリができる
(対話や飲み会などの小規模企画によって)
【デメリット】
・毎月15万+セミナ―参加費等が消えていく
・勧誘とバレたときに信用を失う
・そもそも上の一握りしか稼げる仕組みになってない
メリットの部分、一般企業でもできるwwwwww
毎月15万を払うほどの価値がどこにもないwww
その15万でもっといろんな経験ができる。
▼まとめ
ということで、ぼくが潜入したマルチ(まがい)団体のお話でした。
ぼくは無事にトンヅラし、この記事を書いています(笑)
友人の田中(仮)は洗脳が深く、いまだに15万を払い続けているようです。
・上京したての方
・劣等感を抱えている方
こんな人が危ないです。くれぐれも自分には無関係だと思わないように。
面白そうな団体があれば潜入してみます。
気になっている団体があればこっそり教えてください。笑
また、元会員の方をTwitterでよくお見掛けします。
とても良い方ばかりなのを知っています。
ぜひともお会いしてお話したいです!お気軽に連絡ください!
それでは…
to be continued...