クリエイターのためのNFT入門 Aquent Podcast#6 田上智裕さん
クリエイティブやデジタルの世界で活躍されているスペシャリストにお話を伺うエイクエント ポッドキャスト。第6回目の今回は、株式会社Techtec代表の田上智裕さんに、NFT初心者のクリエイターに向けて、NFTとは何なのか、またNFTアートの始め方について伺いました🎙
田上さんのご経歴
チームラボでのアプリ開発やリクルートホールディングスでのブロックチェーン事業での経験を経て、2018年にTechtec,Inc.を創業。現在は、無料でブロックチェーンについて学べるオンラインプラットフォーム「PoL(ポル)」や、NFTなど、今いろいろと注目のWeb3について深く学べる「PoLクリプトカレッジ」を運営されています。
NFTって何?
-- 早速なんですけど、そもそもNFTって何なんでしょうか?
NFTを理解するのに必要なのが、ブロックチェーンの理解です。ブロックチェーン上で発行できるのがトークン、仮想通貨ですよね。(トークンには)二種類あるんですけど、一つは一般的な仮想通貨で、ビットコインとかイーサリアムとか言われるもので、それは決済とか取引で今まで使われてきたと思うんですけど、もう一つのトークンがNFT、Non-fungible tokenですね。なので、ブロックチェーンで発行できるトークンには二種類あって、一つはビットコイン(仮想通貨)、もう一つはNFTみたいな感じで覚えておくと、いいかなと思います。
-- ビットコインとかの仮想通貨の並びに、NFTという新しいジャンルが出てきたってことですか?
そうですね。ブロックチェーン=仮想通貨みたいな感じで広まってしまっているんですけど、仮想通貨もブロックチェーンで出来ることの一つに過ぎないので、そのブロックチェーンで出来ることの二つ目が出てきたっていう感じですね。
NFTの特徴
-- NFTってどうしてこんなに流行り始めたんですか?
そうですね。NFTがバズった理由はまあ、10億円で売れたとか、そういう事だと思うんですけど、もともと2016,7年ぐらいからNFT技術は存在していて、その時すでに「NFTヤバそう」って我々の中ではなっていたんですけど。
NFTの本質っていうのは、デジタルデータを複製できないっていうところにあります。インターネットのイノベーションの一つがコピペなんです。デジタルデータを複製出来ることがイノベーションの一つなので、メールでもテキストでも、画像でもなんでも簡単にコピーしてペーストできるようになったのが、インターネットのイノベーションです。
で、逆にコピペでき過ぎてしまったことで、例えば著作権の問題ですが起きてしまっていて、コピペできすぎるのも問題だよねってなってきたのが、まあここ最近。そのタイミングでブロックチェーンが登場して、新しくブロックチェン上で発行できるデジタルデータっていう形でNFTが出てきた。まあ、つまりそのデジタルデータをコピーできないっていうのがNFTがバズったというか、NFTやばいと言われることの最初のきっかけになった特徴ですかね。
-- そうしたら、NFTだったら右クリックしてもコピーできないってこと?
そこも結構難しくて、厳密には、NFTって我々人間が目に見て分かるものではないので、例えばNFTアートみたいにNFT化された画像とかイラストみたいなものは今までどうり画面上はコピーはできるんですよ。コピーはできるんですけど、NFT化されたものだとコピペされたってことがわかるっていうのが特徴で。
今までって、例えばYouTubeに上がっている動画とかウェブメディアとかって、どれが最初の大元のデータなのかって分かりづらかったと思うんですけど、NFTの場合はコピペされたっていうことがすぐに分かる仕組みになっているので、厳密にはコピーできないんじゃなくて、コピペされた、要は複製ものっていうことが分るっていうのがNFTの特徴ですね。
今はNFTバブル?!
-- 猫のNFTイラストとかがウン百万とかで高額取引されて、なんだこれ!って思ってるんですけど
あ、それは何だコレ? だと思います。
-- あれって、なんでそんなことになってるんです?
まあ、あのアートってそういうものっていうのは一つあるかなと思うのと、実際は、NFTって誰から誰に(所有権が)移ったかって全部ブロックチェーンに記録されるので、見てみると売った人が自分で買い戻して価格を吊り上げてるってことが結構あるんですよ、なんか盛り上がっているように見せていて。例えばベンチャーキャピタルと企業が手を組んで、ベンチャーキャピタルの投資先の企業がNFTを発行して、ベンチャーキャピタルが買うみたいなことは結構やっていて。で、このアートプロジェクト盛り上がってるんじゃんっていうトレンドだけ作って、その後、高値で売るみたいなことを結構やっているので、割と目先のなんかめっちゃ高く売れたみたいなのは作り物だったりはしますね。
-- ブロックチェーンで履歴が見れるって事は、買わない人も履歴が見れるんですよね。「自分で買い戻してつりあげてんじゃん」ってバレますよね?
はい。なんか最近だとバレないように、新規で作ったウォレット(NFTの取引で必要なデジタルのお財布的なもの)を使って買ったりするようにはなってるんですけど、このプロジェクトなんかその気あるね、みたいなのは割と話題になったりはしますね。
-- 田上さんから見てNFTは今バブルですか?
今はもうバブル? ずっとバブルですし。まあなんか今はもうバブルじゃない気しますね。これがベースなんだろうなーっていうのは。もっと昔はもっとバブルだったので。
-- (NFTアートの著作権について)ブランド物のロゴが入ったイラストとか売っていますが良いんですか?
最近のNFTって著作権違反のものが全体の三割四割ぐらいはあるっていうデータが出てたので、今ってどの国でもNFTの法律無くてやりたい放題になっちゃってるんです。その辺は今年のテーマだねっていうのはいろんな国で話されていますね。著作権違反だけど、捌く法律が今はないです。
クリエイターにおすすめなNFTアート
-- なるほど。あと例えばイラストを作った人がそれを売って、買った人がまた別の人に売ったら、元々作った人に対しても利益が入ってきたりするんですか?
あ、そうですね。そこもNFTの一つ特徴で、ロイヤリティを設定できるんです。NFTって自分で作ったものを最初に売った時は全部自分に入るんですけど、二回目以降だとだいたい3%ぐらい、全取引に対して自分に入ってくるっていう風な設定ができるようになっているので。なので、例えば10万円でしか売れなくても、なんか将来的にこの作品いいねってなって、1000万円とかになったら、その3%、30万円が毎回全取引ごとに入ってくるっていうのは特徴かなと思いますね。ちゃんとクリエイターに還元できるっていうのはあるかなと。
-- フォトストックみたいに、大量には売れないですよね?
そうですね。NFTの複製とかもあるんですけど、最初に話した通りでコピーできないのがNFTなので、同じNFTたくさん売るみたいなことってやっている人いるんですけど、もうなんかもうそれこそ意味が分からないことにはなってきますね。複製できないのがNFTなのに同じNFTたくさん売りますみたいなのって、何が起きているんだろう? っていう感じではありますね。
-- 田上さん的に、これからクリエイターさんがNFTの世界に参入したい方がいたらおすすめしますか?
あまあそうですね。全然やってみるのは楽しい業界だと思いますし、今までよりも自分の頑張りっていうのが自分に直接帰って来やすい仕組みだと思うので、もうなんか遅いからとかって考えずに、どんどんやってみるといいかなとは思いますね。まあ、何が当たるかわからないので。どんどんチャレンジしてみると、いいんじゃないかな。
-- アーティストがNFTを使うメリットってどんなところですか?
そうですね。NFTのいいところって、グローバルであることが一つある。今までは、例えばインスタでもなんでもいいんですけど、なかなかグローバルの人に知ってもらいにくかった、知ってもらったところでいいねくれるぐらいだったと思うんですけど、それをNFTとして売ることで、突然アメリカの人からそのNFT買わせてよ、みたいな連絡が来たりとかっていうのが起きる。そういう意味では、より活躍する場が広がったみたいな観点で、クリエイターさんにとっては非常にいいトレンドなのかなと思いますね。
-- 買う側からしてのメリットは?
まあ、買う人はけっこうまあ二側面あって、投資目的で買う人と、コレクションとして本当にアートとしてかう人がいるので、好きで買う人は好きで買えばいいと思うんですけど、投資目的で買うとNFTって流動性が低い、要はなかなか買い手がつかなかったりするので。投資目的で買うのもいいけど、ちゃんとその作品楽しめると、いいねっていう感じでは思いますね。
-- これからNFTやってみたいなって言う方がいたら、どうやって始めればいいですか?やり方教えてほしいです
売ろうと思ってやると結構雰囲気出ちゃうので、なんかワンチャン狙ってるなこの人、みたいなのを結構コミュニティが感じる傾向が強いので、もちろんその稼げるとか売れると思ってやって全然いいんですけど。。
最初の始め方としてやりやすいのがツイッターで、ハッシュタグで#nftgiveawayっていうハッシュタグがあってめちゃめちゃ投稿されているんですけど、まあ要は私が書いたイラストプレゼントするよって。そういうトレンドがあって、無料でもらったNFTでも売れるかもしれないって考えてもらいたいって人もけっこういるんですけど、その人のファンになったりとか、ツイッターフォロワー増えたりして、スタートダッシュしやすくて結構みんなやってる。日本だけじゃなくて、海外の人もこのハッシュタグ結構見てるので、最初ツイッターでやってみると、いいかなと思いますね。
-- #nftgiveaway 。一緒にやってみませんか?
絵じゃなくても、デジタルデータなので、それこそ最近だと音源をNFT化して売るとか結構出ているので、 割と何でもあるかなと思います。
-- (このポッドキャストもNFT化しようかな。。)なんか今日お話聞いてハードルがちょっと下がったような気がします
もうめちゃめちゃはいすぐにできると思うので、はい。
「クリエイターのためのNFT入門」インタビュー全編はこちら↓
NFTやブロックチェーンを知る上でもよく出る言葉、今注目の「Web3」についても伺っています。
だんだん難しくなってきましたが、これからのデジタル ワールドには必須⚠️のブロックチェーンや脱・中央集権(decentralization)についても、この機会に聞いてみませんか?
「Web3って何?」インタビュー全編はこちら↓
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