010. 京都大学ラグビークラブハウス3/3 (宇治 京都 2012)
008, 009から続く
5, 実施体制
クラブハウス建設の実施体制については、ラグビー部長が窓口となり継続されていたが、私は2008年12月に初めて大学施設課との交渉に同席した。
1)大学に寄付を集め、大学に建ててもらう。
2)クラブに寄付を集め、クラブハウスの建設をした後、建物を大学に寄付する。
という2つの方法が議論され、税金控除等寄付をされるクラブOBの負担を軽くするべく、大学に寄付を集め建ててもらう方式が採用された。
また大学からの実施設計および監理業務の発注については、弊社(前職)への随意契約を打診頂いたが、私の中南米への渡航・滞在時期と重なったため、建築学科の同期で、地元京都に基盤を置く有限会社キアラ建築研究機関を設立し設計活動をしている松本正氏に対応をお願いしたところ、快く引き受けてくれたため、建設委員会からクラブ会員の皆さんへ、建設コンサルタントの紹介を行った。
松本さんおよびキアラに当時在籍されていた平田さん、森永さんが当初のコンセプトを維持しながらも大学やクラブ側の要請を慎重に取り入れて入札図書作成および監理業務を行ってくれたことが、実施段階におけるフレキシブルな対応につながったと思う。
6. 対話
和田会長(当時)が唱えられた「芝生のグランドとその脇に建つクラブハット(クラブハウス)」の信念のもと、同部執行幹事会および建設準備委員会の皆さんの、クラブ会員との対話のため関西、名古屋および東京を複数回横断する熱心な行脚による議論を傍らで聞くとき、クラブとラグビー競技そのものに対する熱い思いを再認識した。
丁寧に検討されたプラニングに基づいて創られた空間環境は、生活の快さにつながり、クラブ活動上必須な「道具」となる確信はあったものの、思い返せば会員の皆さんに対して拙い説明をしていたものだと反省しきりであるが、意見を異にされる会員の皆さんからも熱心に聞いて頂き、また、個人的に励ましのメールを頂くなど何度となく思いがけない反応をお受けしたとき、京都大学ラグビーフットボールクラブが1つの家族のように感じ、作業を継続していく上での大きな励みとなったことを、今は懐かしく思い出す。
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