小泉 浩隆

建築家、開発コンサルタント アジア、アフリカ、ヨーロッパおよび中南米にて建築・都市計画、町興し活動を行ってきました。 2023年11月から東京とキンシャサ(コンゴ民国)を拠点とするチーム:アクアトロに参画し「創り」「共育する」活動を開始。活動の「過去」「現在」をnoteで共有。

小泉 浩隆

建築家、開発コンサルタント アジア、アフリカ、ヨーロッパおよび中南米にて建築・都市計画、町興し活動を行ってきました。 2023年11月から東京とキンシャサ(コンゴ民国)を拠点とするチーム:アクアトロに参画し「創り」「共育する」活動を開始。活動の「過去」「現在」をnoteで共有。

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029. コンゴ民主共和国初の観客席付きアリーナ:柔道スポーツセンターの竣工 1/3 (キンシャサ、2023年)

2023年9月9日、コンゴ民主共和国初の観客席付きアリーナ:柔道スポーツセンターの開所式が行われた。日本政府援助の施設である。  2022年12月14日に施主である国家警察とスポーツ余暇省による竣工検査が行われ、同月24日には竣工引き渡しが行われており、2023年7月から8月にかけてのフランス語圏世界スポーツ大会の会場として既に使用されおり、使用者達からの高い評価を得ていた。 (現地インタビュー 出展:Comite de gestion, 国家警察)  2016年末、独

    • 030. シーパラシー太と横浜八景島

       シーパラシー太をご存じだろうか。  シー太が我が家に来たのは2回。横浜八景島シーパラダイスのプレオープン時(1993年4月)と、25周年記念行事(2018年9月28日)の時に、ともにクライアントである横浜八景島さんから記念品として頂いたものである。一代目は姪っ娘にあげたので、現在我が家に居るのは2代目。我が家では「アウアウ」と呼ばれている。  海外赴任が多いため、オキシトシン不足に悩む私に、家人が見つけてくれたのもので、陽気で物おじしない性格風なのも良くて、ここ1年付き合

      • 028. 創作手記まとめ 3/3

        「手記」25回分を見直し、第3回目です。  今回の扉絵は浜野安宏さん「有難う東京会」、川口衛さん「100mのジャンボ鯉のぼり」、新井敦夫さん「神田明明神のライトアップ」、小泉浩隆「芸術家の棲む家展」。そして、アンティグア・バーブーダを襲ったハリケーンや黒海に面する小さなリゾート町カラブルン。  もしご興味があれば、各章へアクセスしてみてください。拙いながら「その時」を簡潔に語るようにしています。  明日(2023年12月26日)から、2023年9月9日に開所式が行われたコ

        • 027. 素敵な一日をお過ごしください。

           私のメンターによれば、今日はキリストが誕生される前の暗い一日だとか。  私は神道イストで、実家は浄土真宗の檀家で、キリスト教といえば、、都度気になる時聖書を読んでいるくらいですが、キリスト教国で過しているときにはこの時期バケーションが始まり、仕事が動かなくなり、町中が静かに輝いています。  家族といるときは家族と、一人の時は自分の時間を楽しむように、今年一年無事過ごせたことを感謝してゆっくりと過ごします。  メリークリスマス。皆様にとって素敵な1日でありますように。

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        029. コンゴ民主共和国初の観客席付きアリーナ:柔道スポーツセンターの竣工 1/3 (キンシャサ、2023年)

          026. 創作手記まとめ 2/3

           「手記」25回分を見直し、3回に分けて皆さんと共有する、第2回目です。自身が四半世紀に関わった「創作」プロセスをNoteに掲載し、見ていただくことで、その内容を客観的に見直すことができたことはとても有難く思います。    扉絵は過去の手記7回分のイメージで、#の数字は各章と符合しています。もしご興味があれば、各章へアクセスしてみてください。拙いながら「その時」を簡潔に語るようにしています。  素敵な年の瀬が皆様に訪れますように!

          026. 創作手記まとめ 2/3

          025. 創作手記まとめ 1/3

           本日は冬至。今年もあとわずかになりました。 自身が四半世紀に関わった「創作」プロセスをNoteに掲載し、見ていただくことで、その内容を客観的に見直すことができたことはとても有難く思います。  ここで「手記」25回分を簡単に見直し、3回に分けて皆さんと共有することは、あながち悪いことではない(手抜きではないw)と自分に言い聞かせ、年末への再ダッシュと来年の展開を考える時間を頂きます。  扉絵は過去の手記6回分のイメージで、#の数字は各章と符合しています。もしご興味があれば、私

          025. 創作手記まとめ 1/3

          024. 大工頭トーマスさん

          カリブ海に浮かぶバーブーダ島は人口1,600 人の小さな島です。 本島アンティグアの大工頭トーマスさんは、明るくレゲーのリズムに乗るように現地の職人達をまとめ上げていました。 ー長いアフロヘアーを纏めたうえにちょこんと載ったヘルメット:  大工頭トーマスさん (2011 年4 月)

          024. 大工頭トーマスさん

          023 地中に穿たれた研究施設計画案(台湾2002)

           台湾国某博物館(*1)の基本設計を進める間に、別途研究施設の特命コンペに招待いただいた。財団法人自然環境研究センターは、環境に配慮し、視覚的にも海から背景の丘陵を邪魔しない、地中に穿たれた2階建ての研究施設計画案を提案した。  プロデューサ:角永博さんからは「このような四角四面の建物はデザインシステムで一杯創ってきた。」と見るたびに文句をいわれたが、博物館の設計に比べ、チーム作業がかなりスムーズにいった。大規模な公共建築物の計画を進めるとき、協働者にとって未知の方法でくみ

          023 地中に穿たれた研究施設計画案(台湾2002)

          022. エンリック・ミラージェス、ベネデッタ・タリアブエスタジオでの研鑽(バルセロナ)2/2

          021から続く  ―何度もリピートスタディーをした後、ある一点でとどまるー 毎週末にはコンペに駆り出されていたものの、実施段階に入ったサンタカテリーナ市場の屋根スタディーを継続して続けていた。模型をつくり、3Dで検討してスムーズな流れを作り、金太郎飴のような連続断面図で確認する。模型と断面から手直しが何度も行われる。 (上、断面模型1/50)  やっと形が固定されたとされたとき、丁度クリスマス休暇でエンリックがカルメ・ピニョスと設計・監理をした体育施設:Centro de

          022. エンリック・ミラージェス、ベネデッタ・タリアブエスタジオでの研鑽(バルセロナ)2/2

          021. エンリック・ミラージェス、ベネデッタ・タリアブエスタジオでの研鑽(バルセロナ)1/2

          ―澄み切った青空のもと、スペインのアーティストが白い仮囲板いっぱいに原色のペンキを塗りたくっている。日本人の感覚からはかけ離れたその色彩選択と、筆遣いの粗さ・自由さに「バルセロナってどんな街なんだろう?」と憧憬を抱いた。―   建築家:清家清氏主催の事務所で、公共建築物・ホテルの設計・監理業務をいくつか担当したが、卒業時に見た白囲いアートの強い印象とスペインに対する思いは断ち難く、事務所を拝辞しスペイン政府給費を得てバルセロナ建築大学都市計画講座の博士課程に入学。自分は学業

          021. エンリック・ミラージェス、ベネデッタ・タリアブエスタジオでの研鑽(バルセロナ)1/2

          020. バーブーダ島の日常(アンティグア・バーブーダ国 2011-2012)

           今日はカリブ島嶼国のひとつ、アンティグア・バーブーダ国のバーブーダ島の日常を少しばかりお伝えしたい。  アンティグア・バーブーダ国は面積440平方キロメートル(種子島とほぼ同じ)で人口9.4万人(2022年世界銀行調べ)の小さなカリブ海島嶼国のひとつである。妹島にあたるバーブーダ島は海産物、特にロブスターの産出量が多く、小ぶりながら美味しいと評判だが、先進国輸出用の適切な加工をする施設がなかったため、JICA・相手国水産局をクライアントとして、私の前職:コーエイリサーチ&コ

          020. バーブーダ島の日常(アンティグア・バーブーダ国 2011-2012)

          019. アートゲイト荻窪2020

           文化庁新進芸術家海外研修制度という制度がある。 制度の概要は以下文化庁のHPからの転用です。  文化庁では、新進芸術家海外研修制度として美術、音楽、舞踊、演劇、映画、舞台美術等、メディア芸術の各分野における新進芸術家の海外の大学や芸術団体、芸術家等への実践的な研修に従事する機会を提供しています。・・・(中略)令和3年度末までに、約3,700名が研修をしています。  私はこの制度を利用させていただき、スペインへの渡航を延長して、スペイン人建築家の元で「研修」をしたのである

          019. アートゲイト荻窪2020

          018. 水産加工施設の小さな増築(2016 セントビンセント&グレナディーン諸島国)

           セントビンセント&グレナディーン諸島国は人口は約11万人。観光業と農業を主要産業とするカリブ海と大西洋の境に浮かぶ、総面積389km2の小さな島嶼国です。  日本政府は持続可能な漁業の発展を支援するため1980年代から水産加工施設をいくつか建設しています。その施設・機材の改修と一部増築を目的として、水産4施設の製氷機・冷凍・冷蔵庫の修理と室外機等機械を風雨、塩害から守るべく小さな母屋を建てました。  小さな離島、カヌアン島の機械棟新築工事で、現地工務店のおじさんに屋根組を理

          018. 水産加工施設の小さな増築(2016 セントビンセント&グレナディーン諸島国)

          017. 平面は日々の営みを包み込む-某博物館基本計画(台湾 2003)2/2

          南国の夕焼けは、とても美しい。 屋根は周囲の自然に呼応するようなおおらかな3次曲線の動きを追いかける一方、平面は博物館の展示と研究活動を規定する幾何学的な形となる。

          017. 平面は日々の営みを包み込む-某博物館基本計画(台湾 2003)2/2

          016. 屋根は空に呼応する-某博物館基本計画案(台湾2003)1/2

           大豊建設+自然環境研究センターチームの建築デザインチーフとして参画した、台湾の某博物館国際コンペで優勝採択されたデザイン案。  計画案と基本設計をチームで勝ち取ったものの、実施設計以降は相手国側設計事務所に引き継ぐ他なかった。  不定形な形でも、時代とその国の要請によって、受け入れられる形態は千差万別。凡人の私にとってはTry & Errorの繰り返しである。  屋根は空に呼応し、     平面は日々の営みを包み込む。          エンリック・ミラージェス

          016. 屋根は空に呼応する-某博物館基本計画案(台湾2003)1/2

          015. 学生との共創:竹のパヴィリオン(千葉 2003年)

           スペインからの帰国後、公募に沿って3年間明治大学理工学部建築学科の教諭となった。  当時私のクライアントが敷地内に竹製品のパヴィリオンを作りたいとの申し出を受けて、受講してくれた学生達と課外活動で「竹のパヴィリオン」の設計案を作った。  竹林を想起させる「ランダム」な柱の配置は、構造的に建物を安定させる。  この柱を利用して、竹炭をはじめとする**農園の商品を展示する竹縄棚をまるでパッチワークのように内部で展開する仕様とする。  予算が限られていたため、結局は実現できな

          015. 学生との共創:竹のパヴィリオン(千葉 2003年)