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汚染水呼びは変わりませんでした
本日、中国の国家原子力機構が、「福島核汚染水」への分析を行い、その結果が公表された。
我が国の多数の専門機関が国際原子力機構(IAEA)の枠組みに参加し、福島核汚染水の海洋排出に対して、国際的な測定を行った。2024年10月中旬、我が国の専門家は福島第一原子力発電所を訪れ、福島核汚染水の排水口付近の海域における独立した、初めての海水サンプル採取を行なった。
現在、我が国の化学研究機構は、サンプルへの検査と分析を終えている。サンプルにセシウム(Cs-137)、ストロンチウム90など放射性物資の濃度に異常は見られなかった。IAEAは分析を今も行っており、今後各国の検査結果がまとめて発表される。
今回の独立したサンプル採取と検査結果は、特定の時期と特定の地点における海洋環境を反映したに過ぎない。我が国は国際社会やIAEAなどの関係する専門組織と継続して日本へ約束を守るよう促す。また、福島の核汚染水排水が、人体と環境に悪影響を及ぼさないよう、最大限努力するよう促す。
さらに、国際的な監視と独立したサンプル採取とモニタリングを継続し、国際的な監督を強化し、福島核汚染水の海洋排出が挽回不可能な結果をもたらさないよう防止する。
今回の検査結果はたまたまかもしれない、みたいなスタンスであり、この短い報告の中に、「福岛核污染水排海」(福島核汚染水の海洋排出)が4回現れるように、中国の立ち位置は変わっていない。
【ここから追記】上記引用の中でゴシックにしてある箇所の原文は、「国际原子能机构的实验室分析比对活动仍在进行中,后续将汇总发布各国实验室的检测数据」となっている。
ところが、国家原子力機構の発表には別バージョンも存在した。当該箇所が「根据国际原子能机构(IAEA)工作流程,相关具体数据将由IAEA汇总后统一公布」(IAEAのワークフローに基づき、具体的なデータはIAEAが総括した後に統一して発表する)との表現も一部で見られる。
日本メディアは後者を引用しているが、現在国家原子力機構で使用されている説明は前者だ。後者の表現では自分達が難癖つけてましたと自白しているのも同然だからだろうか。【追記終わり】
環球時報は専門家の意見として、「一度の検査結果を参考するには限界がある」とのコメントを紹介。「現時点では影響は見られない」が、中国をはじめとした国際社会の監視が必要と、国家原子力機構と歩調を合わせている。
外交部は「日本産水産物の輸入再開には科学的見地を守る」と、これまでの姿勢を変えるつもりは今のところない。
何回検査をすれば科学的なのか、中国が満足するのか。汚染水という呼称を止めた日がその時なのだろうが、今の中国だと輸入再開をしても汚染水呼びは変えなさそうな気もしないでもない。
==参考消息==
https://www.caea.gov.cn/n6760338/n6760343/c10646569/content.html
https://finance.sina.com.cn/jjxw/2025-01-23/doc-inefwmtp7293702.shtml
https://finance.sina.cn/2025-01-22/detail-inefvzct7461544.d.html
http://www.news.cn/20250123/31ab954c436f4be9855de6c613d21912/c.html