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『ハードシングス』に学ぶ、困難な時代に求められるリーダーの力

さて。まだ日曜日午前中。
今週の更新タイミングはこの時間で決着しそうです笑
今日このあとは来週学科試験のある産業カウンセラーの準備に時間が使えそうです。何人かの経験者の方から大丈夫だからそんな心配することはないと言われていますが、いまいち準備がしっかりできていないのでいつになく胸がざわざわしてまして。多分今プライベートでも色々なことが起きているからかなとは思うのですが・・・。まあ頑張ります^^

では早速今日も行ってみましょう!!!

ビジネスにおいて、誰もが成功の道筋を知りたがりますよね。私もよく聞かれます。別に私成功してませんけどもね笑
明快な答えが示され、次の一手を実行すれば成果が出る――そんな世界であれば経営は簡単です。しかし、実際にはそうではありません。むしろ、リーダーが直面する課題の多くは「正解がない」状況です。
この時に必要なのが、ベン・ホロウィッツの著書『ハードシングス』で語られる実践知と、心理的スキル「ネガティヴ・ケイパビリティ」かなと思うのです^^
今日はその辺りを絡めてブログを書いていければと思います!!


『ハードシングス』とはどんな本か?

この本が出たのはもう10年近く前でしょうかね。
何度か開いて読んでますが、ふと内容を思い出しまして・・。
『ハードシングス』は、シリコンバレーの起業家であり、投資家としても活躍するベン・ホロウィッツが、自らの経営経験を元に執筆した1冊です。サブタイトルである「ビジネスで本当に難しいこと」からもわかるように、この本は華やかな成功談ではなく、経営の困難や苦悩に焦点を当てています。

本の要約はこちら^^

ホロウィッツは、企業が成長する過程で直面する次のような「ハードシングス」を取り上げています。

  • 大規模なリストラを行う際の葛藤

  • 競合他社との激しい競争にどう立ち向かうか

  • 会社の方向性を劇的に変えるピボットの判断

  • CEOとしての孤独とプレッシャーにどう耐えるか

これらは、どれも簡単な解決策がなく、すぐには決断ができない、そして答えも1つではない、いわゆる「正解のない課題」ですよね。
実は経営者やリーダーは、このような状況で決断を迫られていますし、どこかで決断したらその自分が出した答えに責任を背負うことになります。
私も著者とは比にはなりませんがこれまで経営者としてはまさに胃のキリキリするような局面を何度も経験して「正解のない課題」に直面してきました。そしてかなりの長い間、こうした課題に向き合う際に重要なスキルを知らなかった、という実感があります。実践知は積みあがっても、いざどんなスタンスで困難と向き合えばよいのかを身に着けることができていなかったということです。



ネガティヴ・ケイパビリティとは?

で、私のnoteをよく読んで頂いている方にはしつこい!と思われる方もあるかもしれませんがこのnoteでも何度も書いてきた「ネガティヴ・ケイパビリティ」がとても大事なポイントになってくるんですよね。

経営者がこの「正解のない課題」に直面した時、まさに重要になるのがネガティヴ・ケイパビリティ(Negative Capability)だと思います。
この概念は、詩人ジョン・キーツが「答えのない不確実な状況に耐える力」として提唱しました。現代では、リーダーシップや自己成長の分野で「曖昧さを受け入れ、解決を焦らずにその場に留まる能力」として注目されています。

こちら過去にnoteで触れた記事です。これまで3回書いています^^

不安定で結論の見えない状況は、誰にとってもストレスフルです。しかし、こうした状況で焦って結論を出したり、短期的な利益を優先してしまうと、大きなミスや取り返しのつかない結果を招く可能性があります。ネガティヴ・ケイパビリティは、このようなプレッシャーの中で「耐えながら考え続ける」力を鍛えるものです。鍛えるというか身に着いてくると言った方がよいのかな??


『ハードシングス』の実例で見るネガティヴ・ケイパビリティ

ホロウィッツの実体験には、ネガティヴ・ケイパビリティを体現している場面が数多くあります。ここでは、そのいくつかを見ていきましょう。

1. リストラの決断:不安定さに耐える
ホロウィッツは、自身がCEOを務めていたLoudcloud社で、大規模なリストラを実行せざるを得ない状況に陥りました。経営資源が不足し、このままでは会社が存続できない。リストラは避けられない選択でしたが、従業員の生活や会社の士気を考えると、簡単には決断できません。

ここで彼が示したのは、短期的な感情に流されず、リーダーとして会社全体の利益を最優先する姿勢です。この状況で必要だったのは、感情や迷いを押し込め、不確実な未来に耐えながら最善の道を模索する力、つまりネガティヴ・ケイパビリティだったんだろうと私は解釈しました。

2. ピボットの判断:曖昧さを受け入れる
Loudcloudは後にOpswareへと事業モデルを大きく転換(ピボット)します。これも非常に困難な決断でした。当時の状況では、どちらの選択肢が正しいかは明確ではなく、大きなリスクを伴いました。しかし、ホロウィッツは曖昧な状況を受け入れ、長期的に最善と思われる方向へと舵を切りました。
ネガティヴ・ケイパビリティの観点で見ると、彼の姿勢は「完全な答えが見つかるまで動けない」という状態に陥らず、不確実な中でも前進する力を示しています。

3. CEOとしての孤独:耐える力の必要性
ホロウィッツは「CEOという仕事は孤独だ」と繰り返し語っています。従業員、投資家、顧客といった多くのステークホルダーの期待を背負いながら、自分自身で決断を下し続けるのは大きな負担です。この孤独感に耐え、時には自分一人で考え抜かなければならない状況が、経営者の仕事の本質だといえます。
CEOの孤独と向き合いながらも、感情に流されず、冷静に判断を下し続ける姿勢こそ、ネガティヴ・ケイパビリティの一つの形です。
というととても苦しい状況が続くと思われるかもしれませんが、私は経営者は「孤独」だからこそ、楽天的で楽観的、そしてすぐに答えは見つからないものだと腹をくくる明るさ、ここが重要なんだろうと思っています。



ネガティヴ・ケイパビリティをどう活かすか?

『ハードシングス』に学ぶ経営のリアルは、ビジネス以外の分野にも応用可能です。不確実な時代において、リーダーだけでなく私たち全員が「曖昧さや困難に耐える力」を必要としているのではないでしょうか?

1. すぐに解決を求めない
多くの場合、問題を解決しようと焦ると視野が狭くなり、適切な判断ができなくなります。答えが出ない状況でも、とりあえずその場に留まり、観察し続けることが重要です。
まあこんなものだと腹をくくって明るく構えるくらいがちょうどいいと思っています。答えを急いで行動した時のその後の流れを記録しておいてあとで振り返ると、ああ、あの時あそこまで急がずに判断した方がよかったな、ということが案外多いものです。

2. 自分の感情をコントロールする
ホロウィッツも述べている通り、経営者は感情に流されずに行動することが求められます。これは、感情を抑え込むのではなく、自分の不安や迷いを認めながらも冷静に考え続ける力です。
ここで大事なのは、「認める」ということだと思います。
自分の中に迷いも不安もある、またそれは弱さなんだと。その弱さを持っている自分のことをまずは自分が向き合って認めて受け入れる。
これが私が今年大事にしたい「自己受容」ということですね。
自己受容しないと私の感情をコントロールすることはできないのではないかと思っています。

3. 不確実性を受け入れるマインドセットを持つ
「完璧な解決策」を求めるのではなく、「今できる最善の選択」を繰り返していくことが、結果的に成功につながることを意識したいなと。
完全な解決策を求める人の価値観は正直、物事を「0か100」で判断しがちではないかなと。
今できる最善の選択。これを選べば今0だけれども1になる、2にもなる、それくらいのある意味ゆるいスタンスでいつどうなるか分からない現状を受け容れるのが大事だと私は思います。


まとめ!

『ハードシングス』が伝えるのは、ビジネスにおける困難な現実と、それを乗り越えるための覚悟です。そして、この覚悟を支えるものとしてネガティヴ・ケイパビリティの考え方が役立ちます。

  • 不確実な状況にとどまりながら、最善を探す力。

  • 孤独や迷いを受け入れつつ、冷静に行動する力。

  • 短期的な解決を急がず、長期的な視点で選択する力。

これらはすべて、現代のリーダーやビジネスパーソンにとって不可欠なスキルです。『ハードシングス』を手に取り、ホロウィッツの経験を学びながら、ネガティヴ・ケイパビリティを日々の仕事や生活に活かしてみてはいかがでしょうか?
私としてはこれから今年はまさに注目度が増してくるのが「ネガティヴケイパビリティ」だと思っています^^


以上☆

困難に立ち向かうリーダーの姿を生成AIで作ろうとしてうまくいかなかった笑


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