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THE ビッグオー感想(1話)
・THE ビッグオー Act:01「Roger The Negotiator」
記憶喪失の街パラダイムシティ……。この街でネゴシエイター(交渉屋)を営むロジャー・スミスはソルダーノ重工の社長から、誘拐された令嬢ドロシーの救出交渉を依頼される。誘拐犯ベックとの交渉の末、令嬢を取り戻したかに見えたが、彼女には思わぬ秘密が隠されていた…。
つい先日まで視聴していた「アルジェントソーマ」の片山一良監督が手掛けたロボットアニメ。一応スパロボなどで前知識はあるのですが、改めてこの機会に視聴してみました。とはいえ「ガサラキ」なども見ているので、こちらはそれらに比べるとスローペースになりそうですが。
この作品は「パラダイムシティ」という人々全てが過去の記憶を忘れているという街の中で繰り広げられるドラマ…ということで所謂箱庭、街ものという作品にあたります。今作の楽曲はアニメや特撮でお馴染み佐橋俊彦さんが手掛けているのですが、今作のどこか無感情的な、無機質的な感じの強い作風を引き立てており、佐橋さんにこんな引き出しがあったのか、と驚き。
主人公のロジャー・スミスは声はかっこいいのですが、いちいち失敗を指摘されると「あれはああだったんだ!」と言い訳したりするのと、アンドロイドとはいえ女性型のドロシーを囮にするという割と最低な行い(ここの描写はめちゃくちゃカチャカチャ走り回ってて、アンドロイドらしくて良かったです)を指摘された時に「その言葉は、人間の女性から聞きなれているよ」と言ったりと、1話時点ではいまいち格好つけきれないちょっと残念な印象、という人に(^^;とはいえ「依頼人が死んでも約束は守る」という心情を掲げたり、「アルジェントソーマ」でも散見された洒落た言い回しだったりと十分にかっこよさはあり、好きな主人公となりそうです。
依頼人から取り戻すも「これは自分の娘ではない」と言われたアンドロイドのドロシーに「自分を守ってほしい」との依頼を受けたロジャー。馴染みの警官との一幕があった後(ここで「スミス中尉」と言われて不機嫌になるシーンがあり、ロジャーが元軍人であったという要素を加えてきます)、調査の途中で依頼人の死を前にする。ここでも合理的で無感情的な発言をするドロシーを諭すようにロジャーは立ち回り、ちゃんとキャラが立ってていい感じ。依頼人はドロシー「Ⅱ」と彼女のことを呼んだ。調査によると依頼人にドロシーと言う名前の娘はいないらしい。では一番目のドロシーとは…?
刺客からの襲撃も難なくかわしたロジャーだったが、そのとき造幣局を巨大ロボが襲っているとの情報を執事から受ける。依頼人が作っていたドロシー…アンドロイドのドロシーの姉とは、造幣局を襲わせるために作られた巨大ロボだったのだ!というところで、最初のやり取りでアンドロイドのドロシーを見て「これはドロシーじゃない」と言い、そしてロジャーがアンドロイドであることに気付く、というところで、ドロシーという瓜二つの人間の娘がいる、といううまいミスリードを持ち運んできました。なおここのことを指摘されたロジャーは「あそこは暗かったから分からなかったんだ」と言い訳する軽いやりとりあり(笑)
街中で大暴れするドロシーを見たロジャーは、ビッグオー・ショータイム!地を割って出たビッグオーは実に重厚な感じで、如何にもスーパーロボット、という感じの作り。
そしてビッグオー・アクション!ここでの戦闘シーンは実に力強く動き、ロジャーの言い回しもあって力の入った、それでいながら洒落たいい戦闘シーン。そして激戦の末、ドロシーにバイバイを告げるロジャーだったが、アンドロイドのドロシーが近くに来てしまったために、警官と共に倒れ込むドロシーに巻き込まれてしまう…!
1話目からなかなか面白かったです。まだ本格的には見ないかもしれませんが、少なくとも1クール目は全話見てみたい。