ラーゼフォン感想(5~9話)
・第5楽章「ニライカナイ- On Earth As It Is In Heaven -」(脚本:榎戸洋司)
ロボ戦は無しに、ニライカナイと呼ばれる地球の特区での綾人の新たな生活ぶりが描かれる一編。桜は人の血を吸うから赤い花を咲かせると言うが、功刀の家の桜は青い花を咲かせるらしい…という不穏な一幕が入りました。
・第6楽章「消滅都市- Lost Songs Forgotten Melodies -」(脚本:大河内一楼)
この3年前に「∀ガンダム」で脚本家としてデビューしたばかりの大河内一楼が登板。登場人物の内の1人であるキムに焦点を当てつつ、ドーレムの行動パターンを推測してそれを打ち破る、という内容で漸く今作のスタンダードと言える単発回が来た、という感じの回。単発回の出来としてはまずまずで、このレベルの話が続くのなら今後も安心できそうです。
・第7楽章「集まる日- Phantom In The Cloud -」(脚本:大河内一楼)
少し前から登場していた記者の弐神やら航空小隊メンバーやら、新キャラのキャラ立て要素を加えた単発回、といった感じ。前回登場時では内海賢二さんが演じる荘厳な感じだった亘が今回では急にフランクな感じの面白おじさんみたいな様相を見せ、真面目な功刀とのキャラの違いが描かれることに。またボートに乗って二人きりで話をする樹と一色のシーンが入り、宮本充と関俊彦のいい声の応酬が、会話も相俟って個人的に一番好きなシーンでした(笑)戦闘では外から東京ジュピターを見た綾人が奮起する、という一幕もあり。また綾人を泊めている家のおじさんが、弐神に「六道博士」と呼ばれ過去をそれとなく暗示させることに。
・第8楽章「凍る聖夜- The Dreaming Stone -」(脚本:榎戸洋司)
ドーレムの残骸から手に入れたペンダントを樹が七森にプレゼントする流れで「あ、これは…」とは思いましたが、案の定このペンダントが成長して災厄を引き起こす、という、自分がウルトラQの中で最も好きな話「宇宙からの贈りもの」を彷彿とさせる話。ただこの後の話の流れとしては玲香が綾人の前に現れてその思いの力で勝つ、というどこで入れても良さそうな感じのイベントが挟まり、話の出来としては普通。
・第9楽章「時の祠- SANCTUARY -」(脚本:會川昇)
特撮に本格参戦したりしていく前の會川さんが参戦し、水着回としてのサービスシーンも入れつつ久遠が玲香と遭遇し、メインヒロインとしての位置付けではありながらも話の隅に追いやられがちだった2人の重要性が増していく、ロボ戦は無しの回。前回は七森が大変なことになってもそこまで心配してそうではなかった樹が久遠の失踪に関しては本気で心配してたり、その七森は一色と裏で結託しようとしていたり、遥の歌っていた歌を何故か綾人が知っていたりと伏線がしっかり。話の出来としては、水着回としての出来で十分と思える回でした(笑)