《奇妙な短編物語》欲のやまない砂時計 #1
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「才能が欲しい」
目の前に座る男は言った。
店内を満たすのはコーヒーの良い香りと、ラジオから流れる一昔流行ったバラード調のインストメンタルミュージック。
テーブルは四卓のみでいずれも二人席。カウンターがあり、内側にははっきりと顔が見えない店主がいるだけで付属する椅子は無い。
足元の照明と、テーブル上のロウソクが効いてて席に座ることは出来たが、昼間だというのに狭い店内の端から端までの距離感が掴めないぐらいの薄暗さ。
俺達は今喫茶店に居て、完成する飲み物を待