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私の新しいステージ
イケちゃんの提案(?)について、私の答えを出す期限が来た。
カラオケのバイトが休みの日だったので、イケちゃんの会社近くの駐車場で待ち合わせ。
待ち合わせ時間から10分ほど遅れて、
「稀琳ちゃん、お待たせ~
遅れちゃってゴメンね~」
と、私の愛車の助手席に乗り込んできた。
私は悩んだ末に、イケちゃんの愛人になることに決めた。
イケちゃんは、海空先生と違って体格は大きいけど、どことなく雰囲気が似ていた。
そして懐かしい海空先生と同じ香りがした。
「会っていきなりだけど、先週の件について、
稀琳ちゃんの気持ちを聞かせてくれる?」
私の顔を覗き込むようにして、イケちゃんが迫ってくる。
「私のこと、いろいろ助けてください!
イケちゃんとエッチしてもイイと思ってる。」
イケちゃんは笑顔で抱きしめてくれて、海空先生のような優しいとろけるようなキスをしてくれた。
5年ぶりの気持ちいいキスで、ドキドキが止まらなかった。
「今日はエッチしたいけど、時間がないから、
稀琳さえよければ、明後日の19時とか会える?
俺、休みなんだけど、昼間は実家の用事があって会社の近くにいるからさ。」
キスの後から、もう呼び捨てされる私。
恋愛とは違うステージに立たされたらしい。
「バイトのシフトを変わってもらうから、19時で大丈夫だよ。
昼間の事務の方も定時で終わる予定だから。」
「ヨシ、決まり!
今晩は、息子と約束があるから家に帰るよ。
明後日、楽しみにしてるからなぁ~」
私の頭をポンポンしてから、またとろけるようなキスをして車から降りていった。
頭をポンポンするのも、海空先生と同じ感じだった。
イケちゃんと別れた後、何気無く海空先生の家の方へ愛車を走らせた。
なんとなく【会えると良いな】と思いながら。
でも【会えるわけ無いじゃん】と思う自分もいる。
海空先生の家の近くのコンビニに車を停めて、家の方へ歩いていった。
海空先生のガレージはカラッポ。
あの黒のハッチバックは停まっていなかった。
私は仕方なく歩いてきた道を戻り、コンビニでスポーツドリンクを買ってから、愛車へ。
そして思い出を巡るように、海沿いの公園へ向かった。
これは1999年7月頃のエピソード。
海空先生との思い出を大事にしまっておくつもりで、思い出の場所を巡りました。