ねくじぇねならHIMAWARI選手(東京女子プロレス)
東京女子プロレスでは2023年に6人の新人が一気にデビューしました。
2023.1.4 上原わかな HIMAWARI
2023.3.6 鈴木志乃 凍雅
2023.3.18 風城ハル 大久保琉那
これだけたくさんの新人が同時期にデビューしたのは、
アプガ(プ)の4人が一気にデビューした2018年の1.4、
また原宿ぽむ選手の同期5人がデビューした2018-2019年以来です。
2023年世代は芸能パワーで道を開いていく上原選手、パワフルさとコメディを兼ねるHIMAWARI選手、姫属性兼ぽんこつの鈴木志乃選手、次世代エース候補筆頭の凍雅選手、東京女子の未来そのもののハル選手、琉那選手とデビュー1年前後のこの時点ですでに程よく色の違いが出ており、それぞれがここからどのように進化していくのかを見ることに限っても東京女子をチェックしていく価値があると思っています。
東京女子は2018-2019年デビュー選手を中核・中堅に添えてコロナ禍をしのぎ切りました。前代未聞のパンデミックで五里霧中の中では、思い切った手法をとることが難しい部分も多々にあったことでしょう。ある意味において景色が固定されたのはやむを得ない選択であったと思います。
反して、アフターコロナとなる2023年にデビューした選手たちは、これまでよりの長期の将来を意識した育成方針がとられていることは疑いようがありません。
そんな中、この6人から強いて一人だけ選ぶならばですが、私はHIMAWARI選手に注目しています。
DDTの遺伝子を受け継いでいる東京女子において、コメディリリーフは試合の序盤から中盤を温めると同時に、初見の方などに東京女子がどんな団体なのかをわかりやすく紹介する役割を持つとても大切な存在です。こういったコメディー要素は東京女子の選手なら量の多寡はあれどそれぞれ備えているものではありますが、中核となる選手、この選手の試合は(いつも)少し展開が違うところがあるぞ、と感じさせてくれる選手が2、3人は必要です。
現在、ミサヲ→のどか→ぽむが主たる系譜としてこの大切な役割を引き継いでいますが、この中では最後列の原宿ぽむ選手も今年でデビュー6年目に入っています。この部分の継承は欠かすことができない、また、失敗すると団体の個性が見えづらくなることで東京女子が持つもっと多くの要素、明るさ、激しさ、かわいさ、切なさなどを照らすことができなくなり、こういったポジティブ要素を道連れに団体ごと沈没させかねないとも考えています。
HIMAWARI選手は明るく元気なリング状の姿、長い髪に代表される特徴的な外見、個性が伝わる細かい動き、何よりとても豊かですぐ変わる見ていて飽きない表情など何かを伝える表現者として優れたものをたくさん持っています。また、パワフルで堅実なファイトスタイルはのどかさんを思わせるところもあり、しっかりとしたプロレスの土台の上にコメディを重ねることで、決してペラペラではない試合をリードしていけているのではないでしょうか。個人的に印象深い試合として、デビューその日に中島vsミサヲの試合のランバージャック要員として駆り出されていた姿や、HYPEでダレダソレ明美になっていたところなどの順応性の高さに驚いたことを覚えています。
また、大人な性格をしているがゆえに時折ちょっとだけ垣間見える心の影のようなものも、この先キャリアを重ねるにつれ本人自身を彩る魅力のスパイスとして強く働いてくるものと思います。
今は先輩だらけの東京女子で受け身にならざるを得ない場面も多々ありますが、これからキャリアを重ねることでどんどん増えていく後輩に対してどのような戦いを見せていくのか、また、先輩方にどのように牙をむいていくのか、そういったところに注目していきたいと思います。
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