ぼくは魔法使いになりたかった32
龍の住みかのほらあな。
ゆっくり進むと、だんだん明るくなる。
龍たちに灯りは不要。ぼくのため。
龍の話し声のする場所に、それはあった。
簡易な鉄格子に魔法の拘束を受け、手足は動かず口は塞がれて、転がされていた。
魔法の戒めを受けているのは、魔法戦士こと龍の大事な1人息子のツナァルキィシゥテェン。ぼくの姿を見て、一瞬嫌そうな表情になる。
いきなり攻撃されるほど何かしたのか?イラっとして、強い魔法を使おうとした。色々、いろいろ考えて聞いた。
「オレお前になんかした?」当たり前の質問。そして、返事はない。さらに、心に語りかける。
「なんか言いたいことあるんだろ。言えって」少しだけ口調を変える。
「・・・だって・・・」よく聞こえない。
「んっ?なに」オレは、優しく言う。
「お前なんか、生まれなきゃ良かった。」悲壮感ただよう物言いに一瞬、息が止まる。そばにいたが、龍たちは、黙って見つめている
気持ちを知りたくて、そばに座った。
まるで、年の離れた弟と話すように。
第32回ここまで
つたない文章をここまで読んで下さった方に心から感謝します。
そろそろ現実に戻る、予定です。
そう、夢は起きては見れません。
あと、数回良かったらお付き合い下さいませ
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