SHElikes Webライティング課題「インタビュー映像を見て、取材原稿を書いてみよう」
「信頼残高、0じゃなくてマイナスだから」と言われた会社員が学んだ、相手を大切にする仕事への向き合い方
「自分らしい資産形成ができるようになる」女性向けマネースクール・SHEmoneyを、業界初心者で立ち上げた松尾真里さん。そんなチャレンジ精神旺盛の彼女は、仕事をする上で、一体何を大事にしているのだろうか。
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SHE株式会社
新規事業部 ユニット長(取材当時はSHEmoneyブランド責任者) 松尾 真里さん
大学卒業後、株式会社リクルートに入社。リクルートではWebディレクター、グロースハッカー、商品企画、サービス開発、事業戦略など多種多様な職種を経験。本業の傍ら、副業でSHElikesのキャリアプランナーおよびライフコーチを務める。その後、SHE株式会社代表取締役社長 福田恵理さんに誘われ、新規事業責任者としてSHEmoneyを立ち上げる。現在は新規事業部ユニット長としてSHEmoneyを支えている。
Twitter:https://twitter.com/_matsumari_
note:https://note.com/_matsumari_/
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ラフに意見交換ができる雰囲気づくりでアイデアを出しやすく
ーーコミュニケーションや仕事をする上でこれだけは大事にしているという、キーになるものがあれば教えてください。
コミュニケーションの中で大事にしているのは、心理的安全性だと思っています。
私はリクルートのときに、厳しいコミュニケーションの中で育ってきました。それももちろん大切な観点です。
でも、新規事業の場合は、理詰めして作ったものよりかは、正直思いつきのものが当たる可能性もあるんですよね。なので、普段からいろんなアイデアが出やすいように、雰囲気作りに気をつけています。
例えば、意見が出たらメンバー同士で「いいね!」と言って、「じゃあもっとこうしたらいいよね」と返す、ラフなコミュニケーションを取るようにしています。
ほかにも実際にやったことは、新しいメンバーが入ったときに未来を考える会を開きました。
頑張れる指針になるものとしては、「SHEmoneyの事業としてやりたいこと」と「個人がやりたいこと」の重なりがあることがすごく大事だと思っているんですね。
そもそも「なぜSHEmoneyに関わりたいと思ったのか」や、「SHEmoneyで成し遂げたいことが何か」についてコミュニケーションを取るように工夫しています。それは社員だけではなく、業務委託の方など全員に対して行っています。
また、コミュニケーションの伝達ミスなどを防ぐために、毎月ミートアップのようなものも行っています。オンラインでみんなで集まって、先月と比較しながら振り返りをして、内省できるような場を設けてるのも工夫としていることです。
きつい、やりたくないと思ったら、目的に立ち返る
ーー今ブランドの責任者という立場で、きついことが日々あると思います。ここで折れてはいけない、でも立ち上がりや踏ん張りがちょっときかなそうというときは、どうやって乗り越えていかれたんですか?
内省する時間を取り、目的に立ち返るようにしています。
心が折れそう、挫折しそう、きつい、もうやりたくないかもって思うときに「いや、そもそも今目の前でやってることって、なんのためにやってるんだっけ?これって、必須なんだっけ?」ということを考えます。
そこで「これは必須だよね」となったら、もうやらない理由がないので、自分を奮い立たせています。
あとは、メンバーに気持ちを話すことです。悩みは1人で解決しようとするときついと思うんですけど、シェアするとかなり負担が減るというか。なので、私はシェアすることで乗り越えてきたところがあると思います。
ーーチームのメンバー内で、自分の抱えてることを言えない方や、できないと言えない方もいると思います。それに気付いたときはどうやって寄り添っていますか?
相談できない様子、できないと言えない様子に気付いたときは、視座を一段上げさせることを意識して接しています。
例えば、人に頼ることが悪だと思っている人がいるとします。その人が「本当に成果を出したい」や、「事業成長させたい」という思いがあるのだったら、まず「頼ることが悪だという思考は捨てていいと思うよ」みたいな。
「結果、いろんな人の手を借りて最終アウトプットがめちゃくちゃいいのだったらそっちのほうがいいんじゃない?」と視座を変えられるように対応しています。
そして、定例会議でメンバーとの接点を設けて、メンバーの変化へのセンサーを働かせるようにしています。最近悩んでそうだなって思った瞬間にご飯やお茶に誘い、話をしています。
あとは私の尊敬する上司が言っていて、すごいと思ったことがあって。その上司はとても忙しい人だったんです。でも、「ちょっと今いいですか?」と相談したら、絶対に話を聞いてくれる方だったんですね。
物理的にこんなに忙しいのに、どうしてそれができるんだろうと思って聞いたことがあるんです。そのときに上司が言ってたのは、暇な時間をつくるようにしているということでした。
上司は日々、必ずこの時間は絶対にあけると決めて、ほかのタスクをさばくスピードを早めるなど工夫していたそうです。当時は就業時間内に1時間くらい時間を取っていると言ってました。私もいつも、余白を作りたいと思ってそれを実践しています。
タスクは「バトンパスリレー」。相手への想像力を働かせる
ーー今までSHEでもリクルートでもいろんな経験やいろんな言葉を受けてきたと思います。ここのタッチポイントで働き方・意識・姿勢が変わったと思う出来事はありますか?
今、「想像力を持って働く」ことが自分の教訓になっています。
新人のときに、想像力を一切持たずに働いていたことがありまして。
過去、クライアント納品がある仕事があったときに期日を守らず勝手に伸ばしてしまいました。
次の人にタスクを渡して、その方がとても短納期でやってくださったから最終間に合ったんですけど……。
その結果、完成したもののクオリティが非常に下がって、周りの人達全員の信頼を失い、めちゃくちゃ怒られました。
それ以降、タスクってバトンパスリレーなんだなと思って。
自分がやって終わりではなく、必ず次に走る人がいるから、相手への想像力を働かせて仕事に対峙することが大事なんだなと思いましたね。
当時の上司からは「今松尾の信頼残高ゼロじゃなくてマイナスだから」って言われて。周りの人からも、「松尾と仕事すると事故るぞ」と思われていました。それがもうすごく辛くて。
そこからはこんな思いはもう二度としたくないと思い、まず最初にやったのはスピードで勝つということでした。
スピードでまず信頼貯金を作ってから、その間にスキルを身につけてクオリティが高いものを早く提出するということを地道に1年ぐらい続けました。その結果、3年目にさっきのマネジメントを任せてもらえました。