エヴァ、本当に終わった。

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こんにちは。ゆぱです。

今話題のシン・エヴァンゲリオン劇場版、観てきました。わーい。

なにを隠そう、私のオタク人生はエヴァから始まったといっても過言ではなく、それなりに感慨深かったので記録に残しておこうと思います。というわけで全編自分語り!ネタバレもありません!(と書きつつ、私はこの自分語りという言葉があんまり好きじゃない。誰かすごい人が新しい言葉を作ってくれると信じて待ってる)

エヴァを初めて見たのは小学校高学年のころ。テレビ版の再放送を見て「なんだろう、これ」と思い、気づけばクラスメイトと旧劇場版を新宿コマ劇まで見にいくことになり、映画館でも「なんだろう、これ???」と思いました。その余韻に引かれてというか、自分でもよくわからないまま、なんだかんだでオタクの道に入ることになり、今に至ります。

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ここでめちゃくちゃ話が飛んで自分語りに入りますが、私はずいぶんと長い間、ネガティブと虚無感の塊でした。いろんな人生設定の重なりやもともとの内向的な性格からそうなっていったわけですが、単純にいえば生きづらさにひねくれて拗らせていったわけですね。体質的に小さい頃はあまり活発に運動できなかったりして、必然的に趣味は読書などのインドアに偏っていきました。アニメもそのうちのひとつ。

小さい頃はオタクはまだすみっこぐらしのような生き方をしている時代でしたし、エヴァテレビ版も旧劇場版も、どちらかといえばどんどん内側に閉じこもっていく話だったように思います。

幼い私にとってはそれが本当に救いでした。エヴァに限らず、小説にしろアニメにしろ静かで淡々とした物語や、内に閉じた美しい話を好んでいたような気がします。現実はイヤでも開かれていくんだからフィクションくらい閉じさせてくれよと本気で思っており、大学時代にハマった新海誠作品なんかもまさにそのジャンルでした。(内向きというのは『君の名は』以前の作品の話。『君の名は』以降もとても好きです。)

多少の波はあったものの、ネガティブ&虚無のまま20代後半に突入。なんとかかんとか社会の端っこに引っかかって生きながら、まあ最悪なメンタル状態からは脱したかな、と思っていた頃に出会ってしまったのが、そう『鬼滅の刃』。

私のTwitterをまめに見てくれている稀有な方や、LINEにお付き合いいただいてる友人はご承知かと思いますが、本当にいっときは鬼滅で人生が構成されていました。

テレビアニメから沼にはまり、時間がある時は鬼滅のことを考え、アニメをリピートし、単行本を読み、友達に布教をし、小学生ぶりにジャンプ本誌を購読し、舞台を見に行き、友達に布教をし、Twitterやネットで情報を追い続け、映画は公開初日に観に行き……やや異常なレベルのハマり方でした。どんなにその作品が好きでもモノが増えるのがいやでグッズには手を出さない自分が、情報を漁りわざわざ通販で買い集めたり。

なんでそんなにハマったのか、まじで今でもわかりません。

あの主人公たちのまっすぐな気風も、バイオレンスでグロいのも、家族至上主義(読み込めばそんなことはないんだけど)なのも、とにかくやたらキャラが喋るのも、作品ジャンルとしては全部苦手。そもそもバトルものにあまり興味がない。それなのにハマってしまった……ほんとうになんでなのか。

まったくわからないまま、鬼滅は私の虚無感をぺりぺりと剥がしていきました。

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いまさら私が説明することでもないですが、別に鬼滅は「がんばれば上手くいく」的なきらきらとした前向きな話ではありません。むしろかなりレベルの高い諦観が物語の根本には通っていると思う。めちゃくちゃ人死ぬし。人生は辛い、大変だ、でも前に行くしかない。そういう描かれ方をしているからこそ、虚無の星のもとに生まれた私に刺さったんだと思います。

本当に少しずつ、少しずつ「あ、虚無にとらわれてなくてもなんとかなるかもしれない」と思い始めました。

もちろん虚無感自体が悪いこととは思ってません。私は今でも虚無に捉われないで生きてこられたひとたちのことをむしろ超人だと思ってます。私のほうが普通(ムダな自信)。でも、鬼滅に出会ったあたりから、虚無に支えてもらう必要がなくなった。

もちろんそれは鬼滅だけではなく、社会で働く中で得たもろもろや、少しずつうまくいくようになった家族関係、昔よりは強くなった身体とメンタル、友人や恋人からの影響など、いろんな要素が複合的に重なって、要はそういうふうに思えるタイミングに差し掛かっていた、ということなんだと思います。深く触れることは避けますが、京アニの事件も実はかなり自分の考え方を変えました。そこにがっと鬼滅がトドメをさした。いや、トドメはさしてないけど。

それが2019年から2020年にかけて起こったこと。

そんななかで観た、シン・エヴァンゲリオン劇場版。あーーーと思いました。あーーー。あくまで超個人的な見方ですが、鬼滅によって方向転換された人生観が、エヴァ完結により完全に地固めされたな、と。

もしかしたら、いわゆるオタク文化の全体の方向性としてそういう流れがあるのかもしれないけれど、ともかく私はその流れのど真ん中にのっているんだな、と思ったのでした。まぁ今も適度にうじうじはしていますが、歩いてるルートが変わった感といいましょうか。

これ以上迂闊なこと書くとネタバレになるので控えます。

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小学生のころ、いろんな鬱屈を抱えて新宿まで見に行った旧エヴァ。そのとき一緒に見に行ったクラスメイトのひとりと、おなじ新宿に完結編を見に行った。

ただそれだけのちょっと良い話(?)に過ぎないし、観た日もなんてことのない感想を言い合って終わっただけです。これを機に突然さっぱりきっぱりした人間になれるわけもなく、これからもくよくようじうじはし続けると思いますが、私のなかでひとつの時代が終わったのは確実なのでした。いい意味で。

ただ3時間弱はまじで長くて、途中でめちゃくちゃお尻が痛くなりました……。これが加齢……。






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