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仁と義 20章 仁侠短編小説抗争編 15(シリアスコメディ)



弱きを助け強きを挫く。
昔ながらの仁義を重んじる関東頭鬼組かんとうかしらきぐみ
その分家である頭鬼組のシノギ、悪党にはボッタクリ料金、堅気の一般客には明朗会計パブスナックレインボー、ホステス5人組。
顔も容姿も見た目はキュートな二十歳のホステス。
見た目は可愛いホステスだが、根っこは任侠貫くヤクザなニューハーフ、ダークヒーローレインボー組、抗争編。
『入ります‥‥』


喧嘩上等!かかってきな!

前回のあらすじ

関東頭鬼組分家かんとうかしらきぐみぶんけであるパブスナックレインボー組4人、ナッチ、メッチ、ティップ、ミオの4人と膝織一家ひざおりいっかから執拗に妨害を受けているため、護衛としてパブスナックレインボーの隣のアパートに駐在する頭鬼組構成員カズ、ケン、ヒロ、ユキの4人は、ギャングとのトラブルの後、拘束していた2人のギャングから、パブスナックレインボーに突っ込んだトラックが膝織の仕業と分かった。


それぞれの家族への想い

店は壊され、ランは怪我をして入院。
そして、膝織により金で動かされた今回のギャングの事件。そして更に店にトラックを突っ込ませると膝織が言っていたと、拘束したギャングの一人から聞いた頭鬼組8人は怒り心頭である。

その後、カズ達4人は隣のアパートに戻っていった。

そして、ミオ達レインボー4人は膝織の息子の拉致を企てるのである。

膝織の内部情報を知る限りレインボー4人に伝え、すっかり意気消沈した、まだ10代後半のギャング二人をレインボー4人が解放したのは午前零時を過ぎた真夜中だった。

『色々教えてもらったし、タクシー呼んであげるから。もうギャングに戻るんじゃないよ?』

ティップはそう言ってギャングの一人にタクシー代一万円を渡した。

『すいませんでした!』

レインボー組4人に頭を下げたギャングの二人。

5分後、二人のギャングは迎えのタクシーに乗り店を後にした。

『ティップ甘いね〜、好みのタイプなの?』

メッチがティップの頬を指でツンツンした。

『う〜ん···好みとかじゃないんだけど、二つ下の弟に似てるんだよね。素直で可愛気のあるヤツなんだ。もう二年会ってない···』

ティップはカウンターで頬杖を付いた。

『そうなんだ。アイツらも素直にギャング辞めればいいね』

メッチは唇を閉じたままティップに笑顔を見せた。

『この店に来てから会ってないのか〜‥‥。弟君は今のティップの事知ってるの?』

ナッチがそう言ってティップを見た。

『今の私の姿は知らない。ただ、まだ家にいた時、女装してたのはバレた』

『あらま‥‥その時、弟くんどうした?どんな反応だった?』

『えっと‥‥何も言わないで部屋を出ていった‥‥』

『そうなるよね···』

ミオ、ナッチ、メッチが頷いた。


入院中のランも含め、レインボー組5人は頭鬼組と盃を交わしてから、社長(組長)に隠れた一面を見抜かれ、社長(組長)による氷菓子「ガリ◯リ君」の成分である「異性化液糖」をヒントに、若い組員の隠れた一面を見抜いた組長は、組員女性化計画を実行した。

当時、敵対していた石頭一家いしずいっかとのシマの境界線に店があり、そこは争い耐えない最前線であった。
従って、女性のホステスではすぐに潰されてしまう。そしてパブスナックレインボーに変わる前、店のママが行方不明になり、頭鬼組が買取り組のシノギとなるパブスナックレインボーとなった。

そこで気合の入った、隠れた一面を持つ若い組員を組長は見抜き、ホステスへと変えたのである。

気性は荒いが、元々女装願望もあり女性になりたいという一面も持っていたレインボー組の5人。
ミオは既に性転換手術を終えていて、新たにランが「ふたなり」両性具有者の疑問が湧いていた。

ラン(一之江将一(20)は、今回の店に突っ込んできたトラックで頭に怪我をした。
それが原因なのか、ランは潜在意識と表の意識が入れ替わったかのような女性的な振舞いを始めて、舎弟頭である新島浩二(37)を自分の彼氏だと言い出した。
更に、本来男の身体ではあり得ない女性ホルモンの増加が病院で確認された。
これにより、ランが(ふたなり)両性具有者ではないかと言われ、更なる検査をすることとなった。

そんなランは、無理やりパブスナックレインボーのママに抜擢され、女性ホルモン注射を始めた頃、ランの中で何かが覚醒して幽霊が見えるようになり、店内でママだけに起こる超常現象(ポルターガイスト)を収めた。
 そしてパブスナックレインボーのママ失踪事件と、パブスナックレインボーになる前の店のママ失踪事件が、膝織一家ひざおりいっかの幹部による殺人事件だと前ママの幽霊に教えてもらい、パブスナックママ失踪連続殺人事件を解決した逸話を持つランなのである。

そんな異性化したレインボー組5人は、家族に会わなくなって久しく、ティップの弟の話で何となく家族に会いたくなった4人は、カズ達がいる隣のアパートに、お酒とおつまみを持って押しかけて義兄弟の絆を深めるのであった。


立石尚樹の舎弟シゲとユウ

翌日、ミオは恋人である石頭一家の立石尚樹たていしなおき(35)の退院の迎えと、病院内で知り合った、詐欺の被害で300万円を無くしたおばあさんに、膝織の組長がギャングに渡した200万をギャングから取り上げ「これだけ取り戻したよ」と言って渡した。

おばあさんが、とても喜んでくれたことにミオは素直に嬉しく思った。

それから恋人である尚輝の退院手続きと、尚輝の荷物を尚輝の舎弟と分散して、尚輝と尚輝の舎弟と共に病院を後にした。

尚輝の舎弟が乗ってきた車に乗り、石頭一家本家に出向いて、尚輝は組長に挨拶を済ませ、再び舎弟の車に乗り自宅へ向かった。

『兄貴、俺達外で怪しい奴等がいないか見張ってますんで。ミオの姐さんとゆっくり休んで下さい』

『やだぁ、シゲさん姐さんとかやめてよぉ』

尚輝の舎弟の一人、笹井茂ささいしげるにミオは照れくさそうに言った。

笹井はカズ達よりずっと歳上の28歳の笹井に言われて照れ隠しに笑った。

『いや、兄貴の大事な人なら俺達にとっちゃ姐さんなので、合う度に姐さんと呼ばせてもらいます』

笹井はそう言ってニヤリと笑った。

『さすがに店では姐さんとは呼べませんけどね』

もう一人の舎弟、市谷裕太いちたにゆうた(28)も加わった。

『もぉ、ユウさんまで』

『ま、それは仕方ねぇじゃん。何れ戸籍変更して社会的に女と認められればミオは俺と結婚できるしな』

『そうだけどさぁ‥歳上のシゲさんとユウさんに言われたら申し訳ない気がしちゃうよ』

『そんな事気にしない気にしない』

『だよな?何れは兄貴の奥さんになるんだから、姐さんには慣れてもらわないと』

『分かった分かった。シゲ、ユウ、ありがとな。組に帰っていいぞ』

尚輝はシゲとユウに帰るよう言った。

『いえ、頭に見張ってるよう言われてますんで』

『そうか‥じゃあ久しぶりの部屋で休ませてもらうか。二人ともありがとな』

『シゲさん、ユウさん。お店直ったらまた来てね』

『もちろん!』

シゲとユウは尚輝とミオに頭を下げ二人が見えなくなるまで頭を下げていた。


ギャングの密告

それから数分後、ギャングの一人から石頭一家に電話が入った。

『はい、石頭一家』

『石頭一家の立石尚樹さんと頭鬼組のミオさんが膝織の連中に狙われています。気を付けて下さい』

『あんた誰だ?』

『昨夜レインボーのミオさんとティップさんにギャングをやめろと言われた者です。今から石頭一家の立石尚樹さんの家に向かうところです。ギャング辞めたいと言ったら、仲間と膝織の連中にボコボコにやられました。俺、何とか止めてみます。奴等銃をいくつか持っているので気を付けて下さい。もう一つのグループはレインボーにトラックを突っ込ませると言ってました。皆さんに知らせてください』

電話はそれで切れた。

組員は若頭の三浦翔吾みうらしょうご(37)に電話のことを知らせた。

『分かった。お前は頭鬼組にレインボーが膝織に狙われていることを伝えろ』

『はい!』

石頭一家若頭の三浦はシゲの携帯に電話をかけた。

『はい、シゲです』

『シゲ、今、立石とレインボーのミオ、それにレインボーの店が狙われているとチンコロ(密告)があった。今から立石の所に向かうと言っていた。本当かどうか分からんが警戒してくれ。やつら銃を持っているそうだから念の為注意しろ!』

『分かりました!』

『どうした?かしらか?』

『あぁ、頭からだ。立石の兄貴とミオ姐が膝織に狙われてるそうだ。チンコロがあったそうだ。レインボーの店も狙われてるらしい。今ここに向かっていると言ってた。奴等銃も持っているらしい。ここはマンションだ。堅気の人達には迷惑かけないようにしないとな』

『おうっ!膝織の野郎、懲りねぇ奴だな。盛大に迎えてやろうぜ!』


続く。。。

今で言う名刺交換(#^^#) 仁義を切る、、、痺れます(人´∀`).☆.。.:*・゚↑↑↑↑↑

酒井一郎様、これが任侠、これぞ仁義なのですね‥‥。
一天地六‥‥一つの物事には必ず別の見方や考えがある‥‥ 心に留めておきます。

登場人物

関東頭鬼組  
組長    頭鬼洋次郎(48)
       
若頭    阿久津龍一(38)

若頭補佐  石垣正樹(36)

舎弟頭   新島浩二(37)

相談役   相田真二(38)


 構成員    
荒巻和幸   通称カズ(23)
三澤謙二   通称ケン(25)
須藤弘道   通称ヒロ(23)
小林幸弘   通称ユキ(23)
    他 30名


パブスナック レインボー組メンバー💕
メッチ 
木ノ内健(20)(きのうちたけし)
(めんちきることが多い。メリケンサックを持つが何でも武器にする) 

ナッチ  
中沢義男(20)(なかざわよしお)
(よくナイフをちらつかせる) 

ティップ 
榊枝真二(20)(さかきえだしんじ)
(ダーツの矢を数本いつも太股に隠している)

ミオ
安桜芙美乃(20)(あさくらふみお)     
(アイスピックを両足太股に6本常時備えている)

ラン 
一之江将一(20)(いちのえまさかず)
(通販で買った伸縮警棒とスタンガンを持つ)


タクシードライバー
坂下一雄(さかしたかずお)


石頭一家
代表   石頭博 (49)(いしずひろし)

舎弟頭  水谷雄一(38) (みずたにゆういち)

若頭   三浦翔吾(37)(みうらしょうご)

若頭補佐 小澤誠 (36)(おざわまこと)

相談役  立石尚樹(35)(たていしなおき) (ミオの恋人)
     組員40名

膝織一家 
代表 膝織忠義(ひざおりただよし)
膝織一家舎弟頭 八木亮一(やぎりょういち)
若頭 安曇孝信(あずみたかのぶ)


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