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仁と義4 任侠短編小説 超常現象編2 (コメディ)


膝織一家の極悪人


カウンターに置いてあったグラスが自分に向かって飛んできたのを華麗にキャッチしたパブスナック レインボー、新入りママであるラン。

ランは得体の知れない者をカウンターの中で見据えていた。

その様子を端から見ているミオとナッチ。


『あっ、ランが幽霊に近付いてく…何する気だろう』


幽霊が見えるミオが実況を始めた。


『幽霊怒ってるっぽい…なんか文句言ってる。ランも怒りながら何かいってる。…幽霊頷いてる…。幽霊の愚痴でも聞いてるのかな?ランが慰めているのか幽霊も泣いてるみたい。任せろ、みたいな感じで胸叩いたね…。幽霊少し笑顔になったみたい』


幽霊と話を終えたランがミオとナッチのそばにきた。


『今までこの店のママになった人追い出してたんだって?あの人…。
何で言ってくれなかったんすか?
彼女、美咲さんという名前だって。
石頭一家を名乗る男に殺されて山に埋められたって言ってた。近くに行方不明になってる3人も埋められてるって』

『ランちゃん、幽霊と話ししてたの?見えてるの?』


ナッチが目を丸くしてランを見た。


『うん、普通に見えてる。ていうか、最近見えるようになったの。
それよりさ、ミオちゃんにお願い。ロックヘッドの連中店に呼んでほしいんだ。
美咲さんの恨み晴らしてあげないと成仏したくてもできないんだって…』

『そうなんだ…アタシになついてるロックヘッドの男がいるから声かけてみる。
ロックヘッドの連中、コロシまでやるかどうか分からないけど問い詰めてみよう。お互い楽しめる拷問やってさ♪』


ミオはそう言いんがらスマホを取り出して、自分になついてるロックヘッドの男に電話をかけた。


『もしもし尚樹?アタシ…ミオ。飲みに来ない?何人か組員連れてきてよ。お客さんいないから敵対心無しで楽しもうよ♪尚樹の好きなことしてあげるから…て言うか…ホントは逢いたいんだ…○ラ○○しよ…うん、うん…分かった。じゃあね』

電話を切るミオ。

『若い衆4~5人連れてぶっ飛んでくるって♪どう料理してあげようかね…』


既に美咲のことより自分がどう楽しもうか考えてるミオ。


その時…店のドアが乱暴に開いて、如何にも柄の悪い男たちが入ってきた。

条件反射の如くボックス席のテーブルの下に隠してあるメリケンサックを確認するメッチ。

テーブルの裏に、貼り付けるように隠してある投げナイフを太股のベルトにマックスで忍ばせるナッチ。

ダーツの矢が太股のベルトにマックスで差し込まれているか確認しながら笑顔を繕い、柄の悪そうな客を店内に迎え入れるティップ。

ミオもカウンター内へ行き、笑顔を繕いながらアイスピックをカウンターの下に並べていた。

柄の悪そうな客は5人。

その中の一人に見覚えがあるミオ。


『新しいママが入ったんだってな!誰だよ…顔出せや。挨拶代わりに良いことしてやっからよ』


その中では格上らしい男がズボンのベルトを緩めながらメッチ、ナッチ、ティップ、ミオ、ランを順番に品定めするように見ていた。


『お客さん、ズボンのベルトを緩めて何をするおつもりですか?一応公共の場ですので…淫らな行為は店内では禁止しております』


ランがボックス席に着こうとしていた5人の前に立った。


『お前が新しいママか?』

『お察しの通りです。レインボーのママを任されています、ランと言います』


ランはそう言いながら名刺を差し出すと、男は引ったくるように名刺を取り上げベルトを緩めてズボンとパンツを下ろしお尻を拭く仕草を見せてランの手の中に名刺を戻した。


その時、幽霊の美咲が声を震わせ叫んだ。


『ラン、そいつだよ! アタシを殺してここのママを餌食にした男だ!気を付けて!』

美咲の声はランとミオにだけ聞こえていた。


『あんたら石頭(いしず)のもんじゃねぇよな?』


ランが腹を据えた声を出して5人に一歩近付いた。


『なんだこいつ男みてぇな声出しやがって』

『あー、わかった! あんたら膝織(ひざおり)一家のオタンコナスの連中かー、どうりでバカっぽいことしてんなーって思ったよ』


ミオがアイスピックを手の上でくるくる回しながら5人を見て笑った。


『膝織一家か…アホ面下げて頭鬼組に喧嘩売りに来たんか?アタシがママだけど?何か楽しいことしてくれるのかしら~ランどきどきしちゃう~』


下半身丸出しの男がパンツとズボンを上げようとしたとき、ミオが投げたアイスピックが下げたままの男のズボンとパンツを貫き床に深く刺さった。

それを見ていたボックス席に座っていた4人が立ち上がろうとしたとき、ティップのダーツの矢が4人の座る席にカッカッカッカッと4本のダーツの矢が刺さった。


『あんたら動いたら、今度は顔に刺さるよ?』


ティップはそう言ってあどけない笑顔を見せていた。


続く。。。



「主な登場人物」

関東頭鬼組 分家  組長 頭鬼洋次郎(48)
       
        若頭      阿久津龍一(38)

        舎弟頭     新島浩二(37)

        相談役     相田真二(38)

構成員     一之江将一  通称マサ(20)
        荒巻和幸   通称カズ(23)
        三澤謙二   通称ケン(25)
        須藤弘道   通称ヒロ(23)
        小林幸弘   通称ユキ(23)


パブスナック レインボー組メンバー💕

      メッチ 木ノ内健(20)(きのうちたけし)
(めんちきることが多い。何でも武器にする) 

      ナッチ 中沢義男(20)(なかざわよしお)
      (よくナイフをちらつかせる) 

ティップ 榊枝真二(20)(さかきえだしんじ)
      (ダーツの矢を数本いつも太股に隠している)

      ミオ 安桜二三男(20)(あさくらふみお)     
      (アイスピックを両足太股に6本常時備えている)

      ラン 一之江将一(20)(いちのえまさかず)
      そのうち武器を持つようになる。 


今回も最後まで読んで下さりありがとうございました♪

また来てね(@^^)/~~~♪

   安桜芙美乃(ミオ)


AC-illust

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