サウジアラビアという特殊な世界で、
自由に書く。
友人を失った。しかし、これは初めてではない。
おそらくサウジアラビアほど男女の友情が成立しない国はないのではないか。
私は日本語とアラビア語の言語交換を通じて、たくさんの友人を作った。お互いに教え合えるような関係の友人だ。
彼らの中には、魅力的だと思う人も稀にいた。しかし、別にそれを私も表現するわけでもなく、カフェなどのオープンスペースで話して練習するだけだった。最初は女性の友人と男性の友人が半々だった。
私は日本で男女の友情を結構成立させてきたため、気にしたことはなかった。
しかし、男性の友人は特に車を持っている割合が高いため、出かける時に誘いやすかった。奨学金と仕送りとプチバイトで家賃6.3万円と、光熱費、通信費、通学バス代を払うのは苦しく大変だ。
普段は徒歩圏内で済ませることが多いため、海や近所でないカフェに連れて行ってもらうことで気分転換もできた。
しかし、私は誤解していた。男女の友情のほとんどは、サウジアラビアでは永遠ではない。実際、日本でもそうかもしれないが、サウジアラビアではそれを感じる表現がより強く頻度も高い。
「結婚」
結婚を機に、ほとんどの友人、インスタやワッツアップ、あらゆる手段でほとんどの人との連絡が取れなくなるか、取りにくくなる。
私はほとんどの友人たちよりも10歳ほど年上で、彼らとは弟のように接してきたつもりだった。しかし、何も連絡をしてくれずにフォローを外されたり、連絡がある日から返ってこなくなったりする。
結果的に残ったのは、出会った時から既婚者であり、早い段階で奥さんを紹介されていた友人だけだった。私が間違っていたと感じた。イスラームの結婚観についてもある程度理解しているつもりだったが、実はそうではなかったのだろう。
私は無駄に彼らの奥様に心配をかけたくもないしこういった彼らの選択を尊重する。
しかし、これからも私はまだまだ未婚のままアラフォーの時間を過ごしていくと思う。これからは女性の友人だけで十分だ。
何も言ってくれずに連絡が途絶えることは、分かってあげられるけれども、心は傷つく。
それが私の築けた友情の程度だったのだろう。それから文化の理解が足りていなかったんだ。