
シダの記録 #3 Elaphoglossum peltatum

標準タイプ
コスタリカ〜エクアドルあたりの中南米に生息する極小型のシダです。写真の鉢の直径サイズは15cmほど。草丈数センチのとても可愛い姿のシダです。
このシダと初めて出会ったのは確か十数年ほど前の東京ドームでの世界蘭展でだったと思います。当時はクールタイプのPleurothallis等の小型ランの栽培に熱中しており、エクアドルの業者さんなどが来日する折には熱心に通っておりました。そしてその折にそれまで見たこともないサトイモ科植物やシダ類などと出会えました。東京ドームの蘭展ではいっときはラン科植物以外の販売禁止のお達しが運営サイドから出ていたことがあったようですが、じきに解禁されようでまた再び様々な面白い植物と出会える場となっているのは嬉しい限りです。
話をこの種に戻しますと、この種はそんなに暑がりはしないようですが入手以来気温が30度Cを超えない空調の効いた室内で高湿度確保のために水槽を用いての密閉栽培で維持しています。以前は葉形の違う4タイプを入手し栽培していましたが、銀杏の葉っぱに似た葉の切れ込みが癒着した2タイプは気がついたら喪失していました。いま手元にあるのはこの写真の標準的なタイプと後に紹介する細葉タイプの2タイプです。

標準タイプ

標準タイプ

標準タイプ
水槽での密閉栽培の様子

細葉タイプ
水槽での密閉栽培の様子

細葉タイプ
こちらが細葉タイプです。株一本の大きさは標準タイプに比べ微妙にこちらの方が小さい感じです。葉は極めて繊細なものですが意外にも性質は強く栽培は楽です。長期の密閉栽培でも腐ったりすることなく根茎を伸ばし鉢いっぱいに繁殖してくれています。うちでは喪失してしまった葉が銀杏の葉のような2タイプの方が性質はデリケートなようです。
写真を撮っていて気がついたのですが、いかにこの種が強健とはいえ水苔が相当痛んで来ているので丁寧に植え替えてやらねばいけませんね。

細葉タイプ

細葉タイプ
最後に例によって iNaturalist のリンクを貼っておきます。
自生地の写真はワクワクします。