「光る君へ」が社内恋愛っぽい
NHK大河「光る君へ」を毎週楽しく見ています。
今までの大河と違って戦シーンなし。
私は戦の計画を武士らが立てるところでいつも脱落してました(また戻るけど)
今回の大河は「心模様」の描かれ方と役者さんの表情にとても惹かれます。
紫式部は「源氏物語」を宮中で執筆するよう藤原道長から命じられ、かつ中宮・彰子(道長の娘)に仕える任を負っています。
「光る君へ」がどんどん社内恋愛っぽくなるな〜って感じるんですよね。
仕事で大成功を収めている元恋人が、元カノに「自分の企業で働いてほしい」と、いきなり引き抜く、みたいな?
確かお前は才能がめちゃあったからと。
しかも自分の娘の専属カウンセラー兼家庭教師みたいな仕事をしてほしいと。
道長の具体的な依頼としては、亡き前皇后にずっと未練を残したままの一条天皇が、現皇后(彰子)のもとにお渡り(子作り訪問)したくなっちゃうような物語を書いてほしい・書くんだ!ということ。
荒唐無稽に思えるけど、紫式部の才能と人柄で一条天皇と彰子をまんまと恋愛モードにするんですよね。
そんで昨日は皇子誕生という、なんともめでたい1話でした。
見てるんですよ、元カレが。
いや、藤原道長がまひろ(紫式部)を見てる。
仕事中のまひろをチラッチラ目に入れるのです。
まひろも見られてることを感じる。
感じつつ、元カレが堂々仕事をしている姿にうっとりもする。
それだけで才能がなお引き出されるような自信が満ち溢れる、吉高由里子さんの表現力が本当にお見事なんですよね。
また、「今も想いはあなたにある」ということを互いに感じ取っている。
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私の話で恐縮ですが、これまで同じ職場かクラスメートとの恋愛がほとんどです。
最近は「社内恋愛なんてありえない」と考える人が多いようで、その雰囲気は私もバイト先で感じることではある。
でも、私個人としては社内恋愛をおすすめしたい。
やっぱり自分が仕事してる姿を想い人が「見てくれる」というのは、内側がすごく満たされる。
脚本の大石静先生もきっと職場の人と恋愛関係にあったんじゃないかと思うほど、道長とまひろが互いの働きぶりを感じるシーンがリアルなんですよね。
あくまで私の場合ですが、社内恋愛状態になってもセクシー卑猥モードにはなることはない。
心の中の中まではわかりませんが、昔のTBSドラマでよく見かけたような、階段の陰で絡み合ってさっと離れるみたいなことは、ない。
2人きりのタイミングになっても、むしろ話さない。
ここで心を許すと、誰かが入ってきたときに「あれ、相当仲いい2人?」という空気感が漏れやすいので。
道長とまひろも少し前までは濡れた瞳で見つめ合っていたのに、職場の仲間になってからかなり仕事モード。
恋愛感情を意識して封印してるように見える。
妻も子どももいるしね!
とかいって、2人で話しているだけでやっぱ周囲に「相当仲いい2人…」と勘繰られていた。
油断禁物とはいえ、何がしかがうっかり漏れ出すんでしょうね。
距離が近いことへの抵抗のなさとか。
悪意ある噂を立てられてましたが、現実は大して噂にもならないんじゃないかなと、令和はね。
平成は噂を露骨に楽しむ社内ムードがありました。
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その昔、松たか子さん主演舞台を見に行ったことがあるのですが(もっと泣いてよフラッパー)、その音楽担当が夫の佐橋佳幸さんでした。
佐橋さんは舞台上で演奏もして、松さんがその音色に合わせて美声を響かせる姿にすごく憧れたんですよね。
「パートナーと共に働く」「パートナーの前で輝く自分を見せられる」ということは、私の中でちょっと特別な感慨・羨望の思いがあります。
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道長から壮大なミッションを託されたまひろは、「さすがに無理」「できない」と堂々断る場面もあったけど、道長も「やるんだよ!」と威嚇した。
「この道長様だぞ?」というのをここぞと滲ませても、元カレとしての近しさを知っているまひろに威嚇はさほど効果なし。
でもなぜ引き受けたかというと、道長こそが重いミッションに押し潰されそうになってるのを感じたから。
「この人、こんなに苦悩してるんだ…」
間近でそう感じられるのも、共に仕事をするようになったからであって。
本当は背中をさすりたいような気持ちになったかもしれない。
でもそれはできない。
帰ってから妻がその役割を担うのだろう。
今のまひろは恋愛よりも、彰子の心をほぐすなど仕事に邁進中に見えるけど、大石先生の脚本なのだから、どこかの陰でさっと抱擁・さっと離れるくらいは今後拝めるかもしれません。