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通信芸術大学大学院M1の秋


M1の秋から冬へと季節が変わった。
広範囲の関係書籍の積読は、完読せずとも徐々に解消されつつある。
積読はお宝の宝庫であると知る。さらに既読本に複数回の再読が要求されることが多く、その再読のたびに景色が変わることがまた嬉しい。
「読」とはこんなにも多様で、世界を深く広くしていくものであるのかと「読」への感動を再認識する。
そして、日本語の美術批評を読みながら「美しい文章」に浸る。大岡信氏、高階秀爾氏の文章は美しく心地いい。
そんな日々でフランス抽象絵画を研究している。

【修士論文のゼミM1 】
修士論文は、7月上旬に中間報告Ⅰ(8000字)、11月上旬に中間報告Ⅱ(12000字)の提出があった。以下、構成内容。
<中間報告Ⅰ(8000字)>
作家を決める
作家の概要をまとめる
作家と関連する国と人物、その歴史的背景、美術様式などをまとめる
どこに独自性が見出せそうか考える
研究する意義を考える
<中間報告Ⅱ(12000字)>
作家の背景について
作品の分類と特徴
作家、作品の評価されたもの、批評家について
作家、作品評価の背景にある美術動向、思想

 この2回の作業で修士論文へ向けて、研究をどのように掘り進めるかの範囲が見えてきた。もちろん、まだ、場所ごとにどのくらい深く掘るかの「深さ」の検討も必要とされるし、補助線を引くための「広さ」が欲しいところもある。時間的にはまだ「いける」と、先生方のアドバイスを頂いたのでしばらくは思うがままに補助線を引きまくっていこうと考えている。

【対面ゼミの参加】
 11月末にあった対面の指導ゼミに参加した。参加者が極めて少人数だったおかげで、自身の進捗を詳細に説明することもできたし、先生からのアドバイスも細かにいただけてとても有意義だった。首都圏住まいではあるが、東京まで90分ほどの身としてはオンラインはありがたいシステムであるが、やはり直接コミュニケーションをとることは想像以上に得るものが多いことを実感する。

【履修単位】
 秋もせっせと必要単位の習得に費やした。中間報告Ⅱと同じ頃に3教科のスクーリングとレポートが立て込んだが、学部での「レポート職人修行」のおかげで時間をあまりかけることなく仕上げられるようになっていると感じた。それでも、やはり、自分の専門でない分野のレポートはきつい。テーマをとことん絞る、そして、できるだけ自分の分野に引き寄せることが肝心であると考える。来年度は修士論文のゼミの単位だけである。

【研究・学習スタイル】
 基本的には生活の中心に「研究」を置くようにしてきた。その周りに、「仕事・家事」「フランス語」「デッサン」「テニス」「美術展」の時間をパズルのように組み合わせて過ごしている。一つ躓くと総崩れであるが、「研究」と「仕事・家事」、そして「健康」以外は崩れたところでどうってことない。今年、DELFのB2にトライしたときは「今やるんじゃなかった」と思ったが、結果、合格したので当分その先にトライすることもないだろうから早くに片付けられてよかった。実際には、研究でフランス語文献を読むので、以前よりもフランス語を読む機会は多くなっており、スピードが上がっているのは間違いない。「フランス語」はフランス語教室や大学の研究とは別に「フランス語精読講座」をかれこれ1年半とっている。今はクロード・レヴィ=ストロース『野生の思考』の抜粋を読んで文法を確認しながら日本語訳する。「速読」に「精読」が効果的であると改めて実感する。

【美術展】
Noteを始めたのは美術展の記録を残そうと思ったこともあったのだが、結果的にあまりに多くの美術展に行ってしまい投稿する暇がなくなってしまった。今年後半、印象的だったのはアーティゾンの毛利悠子(画像・筆者撮影)、ポーラ美術館のフィリップ・パレーノ。
やはり現代アートが面白い。


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