自己紹介:Dr.Bun猫好き腎臓内科医
こんにちは!
Dr.Bunです。
Note始めました。
私は普段総合病院で臨床医として勤務する傍ら、健康情報をわかりやすく伝えるWebライターとして活動しています。
なぜNoteを始めようと思ったのかというと、もともと文章を書くのが好きだったこと、また、日々臨床医として働き続けるなかで、今の医療の在り方について疑問を感じているからです。
病院に来るのは具合が悪い人です。
どうしても普段の仕事は医者と患者という関係になってしまいます。
そこには、病気以外のこと、例えば生活や仕事といった観点がありません。
私は病院でしか患者と関われませんし、患者さんも病院でしか私と接することはありません。
ただ、本当に大事なのは、そこに至るまでの過程、もっというとどうすれば病気にならずにすんだのだろう、ここまで具合悪くならずにすんだのだろうということです。
また、今後の日本の将来を考えると残念ながら見通しは暗いです。
日本の医療に明るい未来はありません。
そこで注目しているのが、ヘルスケア、セルフメディケーションです。
何とか病院の外に出たい。活動の幅を広げたい。
もともと取る気のなかった産業医資格を取って産業医活動を始めたのもその一環です(まだ見習いですが・・)。
Noteの方向性についてはまだ未定ですが、専門である「腎臓病」の啓発をベースとながら、健康や日々の暮らし全般について
①片手間で読めること
②エビデンス(根拠)のある話をすること
③日々の生活に取り入れられること
④私のこれまでの経験と知識からどう思うかを伝えること(たまに毒を吐くかもしれません)
これを意識していこうと思います。
特に私が発信する意味って何なのか考えた時に、一番大事なのは②だと思っています。
ヘルスケア、セルフメディケーションって多分なんとなく聞いたことある方多いと思いますし、身の回りに健康情報ってあふれていると思うので、わざわざ腎臓内科医が発信する意味ってあまりないじゃん、と思われるかもしれませんが。
ただ、この情報化社会において、「エビデンス(根拠)のある話」できる人ってびっくりするほどいないんですよ。
世の中にある健康情報を100とするとだいたい99%はゴミ情報です。
エビデンスって要するに査読付き論文のことです。
「あの人がこう言っている」「有名な先生の言うことでは・・」
これはオピニオン(意見)です。
なので、私も何かを発信するときはエビデンス(根拠)とオピニオン(意見)を区別するようにします。
めんどくさいかもしれませんが、これが私が思う誠実であることです。
では、今後もどうぞよろしくお願いします。
最後に、ここではそもそも「腎臓病」って何なの?ってことについて軽く書いてみようと思います。
腎臓病って意外と多い
まず、皆さんは「慢性腎臓病(CKD)」という病名を聞いたことがありますか?実は、日本人の8人に1人がこの病気を抱えていると言われています。驚きませんか?つまり、身の回りにいる家族や友人の中にもCKDのリスクを持つ方がいる可能性が高いのです。
CKDとは何か?
CKDとはChronic Kidney Diseaseの略で日本語で慢性腎臓病をさします。
CKDとは、腎臓の機能が3か月以上低下している状態を指します。次のような基準で診断されます。
尿検査で蛋白尿やアルブミン尿が確認される
GFR(糸球体濾過量)が60mL/分/1.73㎡未満
腎臓は老廃物の排出や電解質の調整など、多くの重要な働きを担っています。この機能が低下すると私たちの体に深刻な影響を与えることがあります。
CKDは何で怖いのか
CKDの怖いところは、初期段階ではほとんど症状がないことです。症状が現れる頃には、病状がかなり進行していることが多いのです。進行すると、以下のような症状が見られます。
倦怠感や息切れ
むくみ
放置すると、最終的には末期腎不全(ESKD)に至り、透析や腎移植が必要になります。
なぜ多いのか?
日本では高血圧や糖尿病の患者数が増加しておりこれらがCKDの主要な原因となっています。また、食塩の摂取量が多い食生活や運動不足もリスクを高める要因です。
なぜ腎臓病の予防が大事なのか
腎臓病が進行してしまうと、治療には多くの時間と費用がかかります。それだけでなく、私たちの生活の質(QOL)にも大きな影響を及ぼします。
CKDが引き起こす健康リスク
CKDが進行すると、次のような問題が発生します。
末期腎不全(ESKD)
腎臓の働きがほとんど失われる状態です。透析や腎移植なしでは生存が困難になります。心血管疾患(CVD)
CKDは動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中のリスクを増加させます。その他の合併症
高血圧や貧血、骨代謝異常など、さまざまな健康問題を伴います。
大事なのはセルフメディケーション
そうはいっても日常生活では困ってないからいいんじゃないか
いざとなったら病院へ行ったらいいだろう
そう思っていませんか?
それは大きな間違いです。
最後にセルフメディケーションの重要性について見ていきましょう。
腎臓病は予防しかない
繰り返しになりますが、腎臓はいったん悪くなるともとには戻りません。
だからこそ、予防が重要なのです。
また、すでに腎機能が落ちてしまった場合でも、薬だけに頼るのではなく日々の生活を見直すのは、これ以上腎臓病を進行させないためにとても重要です。
今後の日本の社会保障制度について
ご存じの通り、日本の医療は国民皆保険制度に基づいてなりたっています。
透析というとてもお金のかかる治療が一般人でも受けられるのは、この保険制度があるおかげです。
ところが、この国民誰でも平等に医療を受けれる日本の医療保険制度はじわじわと崩壊しています。今すぐに高額医療を受けられなくなることはないでしょうが、自己負担率の上昇、高額療養費制度の上限額見直しなどにより、真綿で首を絞められていっているのが現状です。
だからこそ、自分の健康は自分で守ることが重要なのです。
まとめ
慢性腎臓病(CKD)は、静かに進行する病気ですが、私たち自身の行動で予防や進行抑制が可能です。
これからも健康について一緒に考え、行動していきましょう!