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横溝正史原作「悪魔の手毬唄」 脚色の妙に感嘆

先月読んだ「犬神家の一族」に続き、横溝正史の「悪魔の手毬唄」を読んでいる。市川崑監督が映画化した同名作品は、一連の市川崑✕石坂浩二の金田一耕助シリーズの中において叙情的で一番のお気に入り。岸恵子と若山富三郎がいいねえ。

この原作本も複雑な人間関係は映画を見ていて頭に入っているからかすんなり読める。これもまた映画化作品と違う点が散見され、大変興味深い。葡萄酒工場の葡萄酒が入った樽の中である女性が遺体で発見されるシーンは、原作ではただ床に転がっているだけだった、とか。映画ならではの視覚的な効果を狙った脚色部分を知るだけでも大変ためになります。

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