いつかの日記 その①


この三日間で俺はどんな作品を造るのだろうか。
不安によく似た高揚感を抱えてキャリーケースとボストンバッグを運んだ。

撮影スタッフとして高校時代の友人、Wが協力してくれた。久しぶりに会ったWはあの頃とはあまり変わらなかった、
そう思ったのは大きな間違いだったが
それに気づくのはもう少し後の話だ。

フェリーまで時間があったので少し酒を酌み交わし
他愛もない話をして、旅程や制作の意図などを伝えた。
二人があの頃のように砕けた話をするまでに
あまり時間はかからなかった。

Wはハイボールを飲んではグラスの中の氷をカラカラと鳴らし、
俺はぬるくなった麦酒を飲み干して足早に博多港へと向かった。


 到着。波に揺られること約8時間。観光客の中に混じって、大荷物を抱えた気だるげな男が2人。レンタカーを受け取り、荷物を詰めてエンジンをかけた。

何も無い港町。 
俺達は数少ないコンビニエンスストアに立ち寄り
煙草を吸った。
まだ完全に目が覚めていないWは
エナジードリンクを飲みながら目を細めていた。

堂崎教会。赤いレンガで組まれた建物。
福江島には数えられないほどの椿が自生していた。
歩くたびに見かける椿は
冬の寒さを感じさせないほど力強く
清々しい赤い花を咲かせていた。


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制作で訪れた五島列島は福江島。
この日記は制作に向けた記録として残したものではなく
個人的な思い出として書き残したもので、
おそらく飽きたか忘れていて
こんな中途半端な終わり方になってしまいました。

ほんと、記録って感じの文章ですが
読み返すと鮮明に思い出せる。素直に嬉しい。

また行きたい五島列島福江島。

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