2020 Juke/Footworkベスト
今年は年末にいろいろありまして、遅くなってしまいました。
例年通り、リリースがクソほどあるため、
一昔が嘘のように
聞いてチェックするだけでも
一苦労という感じです。
それはそれで良いことなんですが。
さて、今年のベストは以下です。
ランキング無し。順不同。
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《シカゴ/Inside Chicago》
DJ Earl - Um Vida (The Life)
Moveltraxxからのアルバムも最高だったEarlの単発リリース。シンプルなネタを、素晴らしいチョップ&フリップスキルによってめちゃくちゃかっこいいソウルフルなバトルトラックに仕上げています。天才!
Crossfire - Weezy (I Am Chicago Footwork) 2020
かたくなに曲をリリースしないシカゴの証人Crossfire aka Watch&Witness。しかしこいつの作る曲がまたかっこいい。シカゴの曲を死ぬほど聴いてるからさもありなん。メロウなネタ物もいいけど、そこにフリーキーさも持ち合わせてるのもまたよし。アルバムが待たれる。
Traxman - Know The Truth
ことしもいっぱい出したトラックスマン。なかでもこの曲がベストでした。ピークタイムの少し後とかに掛けるとフロアが超良い感じになりそうなソウルトラック。
MB03 - Jazz Section
TOG所属のMB03がリリースしたアルバムから。ジャズのマリンバにJB?の声ネタ入りだけというシンプルな作りながら、DJ Romeを思わせる変な曲の構成で変則感マシマシ。バトル向きでベリーナイスです。同じアルバム所収のJoker&BatmanはマジでRome節。
DJ Clent - DIP-LO-MATIK
Clentお得意の大ネタモロ使いスタイル。Dipsetsと同ネタでガッツリフットワークにしてます。ホーンネタとタムだけで、4分半をしっかり持たせるゲットー作法にぐっとくるぜ!
DJ Manny - Ahead of Time
ヘビーヒッターマニーは今年も豊作。なかでもこれは、スキャットみたいな声ネタにフュージョンなエレピとシンセが絡むメロウシット。バトルトラック云々を抜きにして普通にめっちゃ良い曲(と言いつつちゃんとバトルで使えるのがさすが)。
RP Boo - Finally Here (feat.Afiya)
だいたい年末にリリースして、それまでの曲をごぼう抜きするRP。今年は自身名義の公式リリースはなく、Planet Muの周年コンピ収録のこの曲のみ。といいつつ、最高な自身の声ネタとビートを変な感じで構築したスーパーゲットーハウス!シンプルなのにバウンス&疾走感あるのはRPならでは。
Heavee - Garaxy Groove
ダブステップとフットワークを融合させたような意欲作。シンセを多用し、めちゃくちゃ良い感じのベース感。ハーフテンポでここまでしっかり跳ねてるのもすごい。FMシンセっぽいサブベースが効いてる。
Deejay YB - BigL's
年末にぶっこまれた変則バトルトラック。テケテケシンセ。マリオのジャンプっぽい音が大音量で鳴らしたらフリーキーでよさげ。ま、厳密に言うとミネソタやねんけど。
Boylan - Fukk It (Boylan x Paypal x Hank x Jana)
Boylan先生の流石の1曲。熱いディスコネタ一発の高速フットワーク。ピークタイムシット!誰も掛けてないけど、これは本当に良いから掛けましょう!絶対盛り上がる!キックとサブベースの使い分けの勉強できるぞ。BoylanとPleaseがコラボした、先生が歌ってる"Boylan Makes That Money" もチェケ。
D.J.Fulltono - Happy Jukin Stick
NYのZonaがリリースしたTraxmanとのコラボEP。もはや誰とコラボしてもフルトノスタイルががっちり出ててヤバイ上に、こういう曲でしっかりゲットーハウスやシカゴのノリを出せるのがフルトノさんの強み。個人的にはもうシカゴに分類されております。
DJ Paypal - Ocarina
リンク非公開
ゲームのサントラ使い(ゼルダっぽいとの情報あり)。タイトル通りオカリナの哀愁メロディがバッチリすぎる一曲。現在非公開のためリンクはなし。ま、厳密に言うとベルリンやねんけど。
DJ Big Hank - Feel Good LLC
TOGに所属するDJ。HankはLupayやJalen、Jana Rushなどとも頻繁にコラボしていることからも、完璧なシカゴスタイル。シカゴゲットー伝統のミーム声ネタ使いのバトルトラック。めちゃかっこいい。アナログあり。
DJ Taye - Never Coming Down
こちらもなんかのゲームネタ。MIDI音源ぽいサンプルとフットワークのビートが良い意味で違和感あっていい。Tayeはリリースが少ないのが気になるな。
DJ Rolow - Shake (feat.Kidd)
"Simple But Effective" を地で行く効果的な一曲。DJがどの場面でも掛けられるような万能ツール。Kiidが絡むとだいたい良い曲やし、マジセンス良い。
DJ Phaze - Tactics
BOTCのDJ Phaze。この人も結構キャリアが長い。RocやClentに類するいわゆるゲットースタイルで、昨年初頭に出たシングルもなかなか。使い方は難しいけど、Tacticsは耳に残る金物シンセで印象的な一曲!
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《シカゴ以外/WORLD》
AMEN the Producer - Crying 4 U
LosやBojaqらと行動を共にする、Papisquadのフットワーク&ジャングルのトラックメーカー。今年のシカゴ外ではこちらが個人的ベストでした。一聴するとポップなJuked Outなんですが、疾走感、タメ、キックやタムの打ち方など、しっかりフットワークしていてバトルでも映える上、女の子もアガれる大箱感も。天才!
Ace-Up - Itz Possible
Ace-Up(aka Fruity)の唯一?の公式リリース。LAのフットワーク&ジャングルのコンピから。ブレイクの甘めの声ネタが心地良いです。こういうスムースなのは使いやすくて、時代も問わない。スルメ曲やとおもいます。
Bruno Uesugi & Oyubi - BOTA
日本のフットワーク界の若手最右翼となったOyubiくんとブルッチのコラボシングル。バイレファンキとフットワークをミックスする試みはアメリカのDJ Chapなどがやってましたが、日本でガチなクオリティまで引き上げたのは彼らが最初。
DJ Swisha & Kush Jones - Torcida
JBWの高打率なツートップがコラボしたら、そら良い曲できますわな。アルバムもよいですが、打楽器乱れ打ちなBatucada使いのこの曲は出色。めちゃくちゃ夏っぽい仕上がりで、絶対盛り上がる鉄板な1曲でした。Kushのシングル連作シリーズ“Strictly 4 My CDJZ 7”に入ってる"Samba Forcused"っていう曲もブラジルインスパイア系でよかったですよ!
Tank Jr. - Open Your Mind
ヤマタツをこんな風に使ったフットワークないぞ!あのホーンでめっちゃ上げつつも、チープなシンセのメロディでエモさ丸出しな展開がすばらしい。Tank Jr.はマイアミのトラックメーカーで他にも良質なジューク出してます。内緒でシェア!
Nikes × Stayhigh - Ugly Name
今年はかなり精力的だったNikesはクオリティトラックが多くてナイスでした。ましてスペインのStayhighとのコラボとなれば、TEKLIFE印な良質トラック確定。DJユースな4&4で◎。リストには挙げてませんが、ドイツのDJ EndsもNikesと近くていいですよ。
D Tiberio - Jeffy Just Needs A Hug
DJ Nani, LianoとともにLAで活動するD Tiberio。彼らはローファイな独自のフットワークとジュークをリリースしてますが、この曲は徹底した3連をローファイヒップホップに落とし込んでいて、なかなか新基軸。曲ごとの当たり外れがあるクルーですが、これはマジで良いです。
Aiwabeatz - Come 2 Pass [feat.SEKIS & DIKE, Eastern P, SPRA]
スクリューDJのアイワビーツのアルバム収録のダビーなレゲエフットワーク。プロデュースはAiwabeatzとワンデイのSekis&Dike。レゲエのバイブスをしっかり残したビートもラップもかっこよい!セキダイ名義でラップアルバム作って欲しい
Kush Jones - Jiggiest
昨年も相当量リリースしたKush Jonesは、シカゴで言うとMannyのスタイルに近くて全方向系。なかでもこういうフュージョンライクなメロディアスな曲でハズレがない印象。この曲は特にかっこよく、デトロイトスタイルでグレイト。
otomoni - 行かないで Don't Go
Juke/Footworkはいろんなジャンルに飛び火しているわけですが、ミク界隈は結構早い段階から取り入れる人がいた分野。とはいえ、スタイルありきで音楽性よりは「それっぽく聞こえる」曲が多かった印象でしたが、この人はかなりしっかりフットワーク感があって、しかも日本ぽいエモさもあるので面白いです。
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《アルバム/ALBUMS》
DJ Earl - Bass + Funk & Soul
フランスのMoveltraxxから。リリース前にいろいろ引っ張っただけあって、内容はすばらしい。トラック物からネタ物まで、TEKLIFE直系の使える曲ばかり。個人的には"OFF THEY FEET"がお気に入りでした。
loopdrive - forged sketches
ポーランドを拠点にテクノスタイルなフットワークを世に広めている功労レーベルoutlinesより。フットワークのエッセンスに、テクノの質感とビート感が見事に融合したすばらしいアルバム!いまこそ聴くべきサウンド。
EQ Why - Rhythm Vibration
去年は前半精力的/後半まったりめの活動だったEQ Why。ESG使いのM2、クラフトワークを激遅スクリュー化したM3など、相変わらずのトラック巧者ぶりを発揮したクオリティシット!今年5月に出ているアルバム"Footwork Tracks vol.8"、"Get Your Ass Out The Circle"もおすすめです。
DJ Lil Generous - 121097
玄人向けなシカゴのDJ。佳曲ぞろいでいずれもダンスフレンドリー、かつリスニングでもイケる感じ。Lil Generousはあんまり知られてないけど、キャリアも長いし、リリースも多いアーティストなのでぜひきいてみて!
MB03 - Jackie World 2
Manny, Curtis, Lupayらと同じ、TOG所属のダンサー兼トラックメーカー。現行&クラシック系のヒップホップやR&Bなど、ネタ物豊富なアルバムですが、ダンサーらしい感性がイカされたトラックはバトル平均点高し。
DJ Kill - Full Traxx
シカゴミドルスクールのDJ Killのフルアルバム。現行にはないようなハーフ&ジュークなスタイルで際立っておりました。AGのTERRADOME用のトラックもあって、いまも2000年代初頭と変わることなく同じ曲調というのがわかってうれしかった。昨年前半に出てたDJ RoyalとLil RomeのコラボLPもナイスでした。
DJ Roc - The Crack Capital Vol.3
去年出したRoctoberもかっこよかった重鎮RocのCrack Capitalシリーズ第3弾。M1,M4のおどろおどろしい感じのバトルトラックを聞くと、一昨年に閉鎖されたBGzが思い浮かぶ。ガチものシカゴシット!
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《総評》
シカゴ派ではMannyとEQ、そのほかではJBWのKush Jonesがホントにリリース量が多くて買うだけで念入りにチェックできないぐらいのペースでしたね。
来年はコロナも落ち着いて、クラブでジュークが聞けるような時代になればいいなと心から思っております。
基本的にSoundcloudとBandcamp以外はほとんどディグってないので、もし「これやばかった」「このリリース漏れてるで」などがありましたら、Twitterなどで教えて下さい。それでは今年もよろしくお願いします。
D.J.APRIL