なおさんの文章
テクノラップバンドのリーダーでもあるチミドロのナオさんを、俺は文筆家として尊敬している(もちろんミュージシャンとしても)。
彼が書く文章には、人柄というか人との間合いというか、読み手を知らぬ間に安心させてしまうような距離感や時間の流れがあって、俺が期せずしてやってしまう、謎の言い切りや“さばき”がない。言い切りは距離が近いし、さばきは時間的に性急だ。
いま角田光代のボクシングエッセイを読んでいる。これまで角田光代の作品についてたいした読破経験もないのだが、その文章にはどこか安心感があって、なぜだろうと不思議に思いながら読んでいた。
あ、これナオさんや、と思って、氏の小説とか全然読んだことないのに「角田光代いい作家やな」と言い切りたい気分になった。
おわり