四杯目「サンセット通り」
赤道の国のサンセット。
この目がそれを映すことはあるのだろうか?
ベランダから街を見て想った。
発進するバスのアナウンス。
誰かのクラクション。
鉛色の空。
身体だけがそれを想い、心だけがここに居ない。
だから、調節する。
言葉の色。
音の持つ映像(イメージ)。
こちらと向こう、向こうとこちら、隔てる何か。
でも、違う。
僕の街にも夕陽はあり、美しい朝があり、泣き出したくなる程の星空が覗くことがある。異国は——自分の外に触れ、侵されることは——ときにそんな可能性を思い出させてくれる。
赤道の国のサンセット。
この目がそれを映すことはあるのだろうか?
ベランダから街を見て想った。
毎週末の朝、珈琲を飲んで浮かんだ散文をお届けします。
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(四月一)
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君は友の、澄み切った空気であり、孤独であり、パンであり、薬であるか。みずからを縛る鎖を解くことができなくても、友を解き放つことができる者は少なくない