"分人"とロールプレイ
会社の任意研修で、演劇ゼミを受講した。
中高ミュージカル部で過ごしたこともあり、誰かを演じるという手法をワークショップに取り入れることのおもしろさを体感したので、是非紹介したい。
演劇ゼミとは、演じることを通して、自分を/場を俯瞰して気づきを得ることを目的としたワークショップである。
ステイタス
その中で特に印象的だったのが、"ステイタス"についてのワークだ。
ステイタスとは、地位や身分のことで、役職など"外的"なものと、場に対する影響力など"内的"なものがある。
ステイタスの高い人と低い人では、立ち振る舞いから異なる。
ステイタスが高い人は、仁王立ちするなど体を大きく見せたり、相手の目をしっかり見て話す傾向がある。一方、ステイタスの低い人は、自分を守るように腕を組むなど体を縮こめたり、相手と目線を合わせるのを避けがちだ。
Fake it till you become it
Amy CuddyのTed Talkでも、同様のことが言われている。
心はボディーランゲージに影響を与えて、上記のように体を大きく見せたり小さく見せたりする。逆もまた然りで、ボディーランゲージは心に影響を与える。
"Fake it till you make it. Fake it till you become it."
意識的に"自信のある自分を演じる"ことで、いつしか無意識に自信を持てるようになる。
分人
時と場合によって意識的に自分を演じ分けることもあれば、無意識に様々な自分が出てくることもある。個人とは英語で"individual"、つまり"分けられない"のだが、分けられる人、"分人"として捉えてみるのはいかがだろうか。
…ということについて書かれているのが、平野啓一郎さんの『私とは何か』という本だ。
自分を"分人"として俯瞰してみると、"本当の私"、"嘘の私"というものはなく、すべて"私の一部"であると思えるようになる。
さまざまな"私"がいる中で、特にこの部分が好き!誇りを持ってる!という"私"こそが、
ありたい姿や大事にしていることではないか。
さまざまな人と出会い、さまざまな"私"と出会う。"私"はこれだ!と決めつけず、さまざまな"私"を受け入れていく。
"私"を旅する。
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