何をもって大人と言うのか

人付き合いが苦手になってしまった。

一人でいる時間を増やした。私は一人でいることに慣れていないから、そこで感じる寂しさを拭うために人付き合いをしているような気がして。一人でいることは寂しいものだと捉えてしまったせいで与えてしまった自分への傷をもう二度と繰り返さないためにも、少し一人でいることに強くなりたかったから。

何より一人の時間が増えることでより誰かとの時間を愛しく、尊く思うためにも今は一人でいるべきだと思ったから。

でも最近また少し友人といる時間が増えたら、前はすごく楽しかったと思う子との時間がすごく窮屈に感じるようになってしまった。何で人からもっと好かれるために、もっと人との時間を大切に思うために沢山一人でいたのに、こんなに息苦しいのだろう。何でこの子を楽しませることが出来なくて、自分も楽しくないんだろう。

孤独に強くなったら大人になれると思っていたのに。もっと誰かとの時間を楽しめるかと思っていたのに。一人でいる方が楽で楽しいと感じるようになってしまった。

少し前までは人付き合いが得意だったのに、今では人と会うのが少し億劫だ。コミュニケーション力も高い方だけど新しく始めたバイトの子達とどう絡んでいいかもわからないし、友達と会っても何を話したらいいのかわからない。

こんなことになるなら一人の時間なんてわざわざ持たなくても良かったんじゃないかなとかいろいろ考えると何が正解なのか本当にわからなくなってくる。自分がすごくつまらなく感じる。

自分がわからなくなる時だってある。

こんな文章を書いている今だって、何をすれば正解なのかわからない。どういう姿が正解なのかもわからない。

でも、その”正解”は多分自分自身の中にしか無い。なりたい自分なんて私にしかわからない。”他人”は世界中に数えきれないほどいるけど、”自分”は世界で一人しかいない。その一人の正解なんて、その人自身にしかわからないことは当たり前。この”正解”は誰かにとっての”間違い”かもしれないけど、それでも自分のなりたい自分の姿は絶対に貫くべきだし、それこそが正解なんじゃないかと思う。

私は誰かに勇気を与えられるような人になりたい。人から好かれる人でありたいし、もっと自分のことが好きな人にもなりたい。幸せいっぱいで愛情を沢山人に注ぐことが出来る人になりたい。美味しくご飯を沢山食べて、沢山本を読んで文章を書いて、恋をたくさんする乙女になりたい。

なりたい自分がたくさんあるから、どうすればいいかわからない。一つのなりたい自分にたどり着こうとしたら、もう一つのなりたい自分から遠のいてしまうことだってある。そしてそれが今の私だ。自分に自信を持つためにも一人の時間を大切にしたのに、それをすることで人から好かれる自分からなんとなく遠のいてしまった気がする。

人は一人でいる方が楽だ。何も気にしないし、思考の赴くままに行動できる。それでも誰かと一緒にいるのは一人では味わえない幸せがそこにあるからその人と一緒にいるんだと思う。だからこそ一緒にいて苦しかったり悲しむ気持ちの方が強い人とは絶対一緒にいるべきじゃない。人に対してそう思う自分を責める必要だってない。

正解はわからないけど、もしかしたら今の私には絶つ勇気も必要なのかもしれない。でも明日になったらそんな存在と分かり合える方法を探しているかもしれない。

多分それでいいんだと思う。以前と同じ時間を楽しめなくなったということは、自分がもうひと段階大人になったってことだと思う。仮に昨日の自分が思う”正解”という名のなりたい自分の像が変わっていたとしてもそれでいい。それがまた新しい正解になる。

何をもって大人というのか。

一人で美術館に行きたいし、誕生日で1人旅行も行きたい！と友達に言ったら「大人だね」と言われた。でもそれの何が大人なのかわからない。ただ人といることが嫌になっただけなのに。

何をもって「大人」と言えるのかわからない。私が自分のことを「大人」と認められる時が来ることも、他人がそれを教えてくれる日も何とも遠い気がしてならない。だけど、少しずつ自分の信じるなりたい自分を叶えることが出来たら必ず強くなっていけるだろう。

また誰かと一緒にいたいと思えるようになったとき、私はどんな人と一緒にいるのだろう。どんな話をして、どんな自分になっているんだろう。

今の自分も、未来の自分も目一杯信じてあげよう。明日の私も今日より少し大人になれたらいいな。