初めての出産。
出産予定日から10日過ぎ、まだかまだかと私も周りも待ちくたびれたころ、
医師から陣痛促進剤の使用を勧められた。
翌日から入院し1日分の投与量が終わったが、有効な陣痛がつかなかった。
微弱陣痛が続いて、陣痛室で隣にいた何人ものママが出産していった。
もともと体力のない私は微熱も出ていた。
医師からは、もう1日陣痛促進剤を使うこともできるが、
私の体力を考えると、これから帝王切開することも考えていると。
出産はどんな道をたどってもいいこと、
通常分娩でも帝王切開でも、出産というゴールは変わらないこと、
大切なのは母子ともに無事であることだということを
優しく諭してくれた。
特別抵抗があったわけではないが、納得し同意すると
バタバタと手術の用意が始まり、手術が始まる。
あっという間に大きな泣き声がした。
産まれる前から焦りすぎて、肩にへその緒を絡ませた息子の誕生だった。
やっと会えたね。
小さくて大きい、ただただ愛しい存在ってあるんだと思った。
術後は、出血量も多く貧血となり体が思うように動かなかった。
古い病院で、病室変更のために階段を上らなければならず、
看護師さんに抱えられながら移動した。
子宮収縮の痛みと切開の痛みで心が折れそうになったが、
新生児室の息子に会いたくて頑張った。
無条件に愛しくて、
他の赤ちゃんよりも、より可愛く見えてしまう。
そんな幸せな日々だった。