Prologue

ノートの1ページ目を丁寧に書くタイプになったのはいつからだろうか。睡魔と闘う学生ではなかったと記憶しているが、パラパラとめくる途中の一枚と見比べても明らかに美しい。終わり良ければ全て良し。そんなよく耳にするフレーズとは不釣り合いかもしれないが。

今、新たなノートの1ページ目を綴っている真っ只中。あの頃のわたしに伝えたい。このノートは1枚、1枚丁寧に綴るからね、と。果たして、このノートに最後の1ページや1冊書き上げるという概念は存在するのかすらわからないけれど、いつが終わりになっても良いように、偽りのない気持ちを愛のある言葉たちで綴っていきたい。

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わたしが《note》を始めるきっかけになったのは、身体表現性障害を患ったから、というのがいちばんだろう。完治したということはきっとないであろう厄介なヤツに好かれてしまった。それでも薬を飲まなくても、太陽より少し遅れて目覚めて、朝ごはんを食べて、公共交通機関に揺られ、一日働いて、冷たい夜風を浴びて、湯船にゆったり浸かって、綺麗にベットメイキングされた寝床で夢をみることができるようになった。

（このお話は、過去と今と未来のわたしのためにあとでどこに残しておこう。苦い経験ほど忘れられないらしいけれど、きっと乗り越えたらビターな経験にシロップをたっぷりかけて甘く甘くして、本来の美味しさが損なわられてしまうように、経験もそのときの思いも美化してしまいそうだから。）

少し話が逸れてしまったが、わたしはどうやら感情を表に出すのが苦手らしい。たしかに睨めっこは得意だし、感情に蓋をして偽りの姿を演じることだってわりかし得意だ。特に負の感情には蓋をして表に出すまいと必死に守ってきた節がある。こんなことをいうと、一人で抱え込まないで！とお決まりのフレーズを持ち出されてしまいそうだが、わたしにとっては《苦》というよりも《楽》のためだと思っていたし、今もそう思っている。

ただ、これだけは嫌いです、ときっぱり言えることがある。

《平気で悪口を言って、だれかの心を踏み躙ること》

心無い言葉たちを耳にすると、こんなに流暢な日本語を使いこなせる大人たちが、どうして罵詈雑言や心無い言葉ばかりすらすら出てくるのだろうと、不思議に思うことが度々ある。そして胸の奥や脳が一度フリーズして暫くするとザワザワする。いわゆる《チクチク言葉》反対派で、断然《ふわふわ言葉》賛成派。

また、話が脇道に蛇行してしまったが、《自分が心地良い言葉を綴ることで自分の感情と向き合っていくため》に、noteを始めたのだ。

前述したとおり、身体表現性障害の症状が顕著に現れていた数ヶ月前までと比べて今は仕事に復帰できている。正しくは前職を辞めて新しい職に就くことができた、と言えるだろう。やる気がなかったあの頃と大きく違うことは、楽しみで仕方なかった新年の恒例行事《やりたいことリスト100》が描けるようになったこと。好奇心の塊のような性格を徐々に取り戻しつつあると信じているし、そうであってほしいと願っている。だからこそ、好きにたくさん囲まれて、わたしを幸せで満たしてくれるヒトやモノ、コトを綴ることで、愛がぎゅぎゅっと詰まったわたしだけのnoteをつくろうと思う。