お出かけのコツと誘ってくれる人の謎
引きこもりの休日
引きこもりがちな人生を送っています。
休みは予定がなければ寝ているし、起きてもベッドの上でぐうたらしています。予定がなければ休日はうたた寝と寝落ちで構成されます。
休み明けに出勤し、「おはようございます」という声がうまく出ず、聞き取ってもらえないことも多いです。声が通らないというのはとても悲しい。
学生時代、長い夏休みに1ヶ月ほど実家に帰省した際に家族から聞いた言葉で忘れられないものがあります。
「全然出かけないけど大丈夫かな? 外連れてったほうがいいかな?」
地元は自分の足で行ける範囲にはなんにもないし、せっかく休みでバイトもないし、友達もいないから家でひたすら寝ていただけなのですが、出不精過ぎて引かれていました。
直接言われたわけではないことからその心配の度合いが高かったことがうかがえます。ウケる。ほっといてほしい。
とはいえ、そんな状態が身体的・精神的健康によろしくないことはわかっているので、よっぽどのことがない限りお出かけのお誘いは断らないことにしています。こうしないと、本当によっぽどのことがない限りひとり家にこもりきりで何にもないので。
本当は、美術館に行ったり、本屋さんに行ったり、カフェでのんびりするような休日が理想的な過ごし方だと思っています。
一人で自分の時間を埋める術を持たないわけではありません。むしろ、美術館も本屋も、誰かと行くと高確率で相手を手持ち無沙汰にさせてしまいます。人といるのに自分の世界に没頭しすぎる節があるくらいなので一人で出かければいいのにと思うのですが、「自分のためだけに出かける」ということに対してはどうも腰が重いです。
実際、出かけようと思い立って準備をし終えて、あとは靴を履いて外に出るだけ、となった状態でふっと気持ちが切れてしまい「やっぱりやめた」とお出かけを中断することがあります。
それくらい、引きこもりがちな人生を送っています。思い立っても外に出ない引きこもりです。
事前予約必須メンタル
一人で自分を強制的に外へ出す手段として、事前予約をすることにしています。
コロナ禍以降、人数制限のため多くの公共施設が事前予約制となりました。そのおかげで、結果的に美術館や博物館に行く機会が増えたように思います。
いつでも行けるところってそのうち行けばいいから今行かなくてもいいや、と思ってるうちに行かずに終わってしまった興行がいくつあったことかわかりません。予約が前提になったことによって、こまめにHPを見るようになりました。頻繁にサイトを訪問することで興味のある特別展が目に入るようになります。「おっ、おもしろそう」と思った時が一番行きたい瞬間なので、その場で暇な日にちを指定して予約してしまえば、あとは当日どんなに気分が乗らなくても準備をして外に出ざるをえません。もうお金も払ってるし、行きたいのは本当だし……。先払いが面倒を越えるくらいには損を嫌っています。
引きこもりメンタルにとって一番のハードルは、靴を履いて玄関を出る瞬間じゃないかと思っています。一歩外に踏み出してしまえば気持ちが外に向き、お出かけがだんだんと楽しくなります。
せっかくここまで来たからついでにあっちへ寄ろう、こっちに行こう、ともったいない精神でふらふらとウィンドウショッピングをし、疲れたらカフェで休みながら次の行き先を考えて、というように気づけば理想の休日が完成しています。
事前予約を可能にしてくれてありがとうございます。是非これからも続けてくださると、一人の引きこもりが外に出かけるきっかけになります。
本当に誘ってください、誘います
外に出ない要因の一つとして、「誘われ待ちでしかない」というのがあります。
よっぽどのことがない限り断らないようにしている一方で、自分から約束を取り付けるということがとても苦手です。外に出るきっかけを他者に求めるくせに大変受動的な姿勢です。
友達とランチをするのも、飲みに行くのも、「今度行こうね〜!」と言ったきり。もちろん本心ではあるものの、具体的なことを決めるのがしんどい。
みんなそうだと思うんですけどね。だから「今度」ってなかなか来ないんだと思います。
そんな中で「今度」を「この日に」へ変えてくれる人には少しでも報いたい。そして、そうでもしないと外に出ない私を引っ張り出してくれてありがとうという気持ちを伝えたい。たぶん大袈裟すぎて怖がられると思うので言わないですが。
そんな「ありがとう」を直接言えない代わりに、次回の約束はこちらから取り付けるように努めています。誘ってくれて嬉しかった、ひいては一緒にいて楽しい、また会いたい、という気持ちは「ご飯行かない?」の一言が一番雄弁に伝えてくれるように思います。
なんで誘ってくれるの?
これだけ受け身なのは、引きこもりがちであるという以上に「断られたら嫌だな」という気持ちが働いているからだろうと思っています。
単に予定が合わなくて会えないだけかもしれないのに、嫌われたかな、もう会いたくないのかな、というように、「断られること」を過剰にネガティブに捉えてしまいます。遊ぶ予定を断られた時、真っ先に思い浮かぶのは「嫌われた説」です。
予定を断る時、嫌われたと思われたくなくてその場で別日の提案をするくらい「嫌われた説」は私の中で強大な力を持っています。
これって、どれくらい共感されることなんでしょうか。
私自身が会いたくない相手からの誘いはのらりくらりと断るせいでしょうか。
実際に会っている友人に聞くことでもないし、会ってくれない人には絶対聞けないし、会いたくない人にスケジュールのガラ空き具合を見られるわけにはいきません。
ネットを見渡せばいろんな意見が拾えますが、その意見がどんなに少数でも自分にとって都合が良ければその意見を支持してしまうので、自分のサンプル1の心持ちを元に探す意見はアテになりません。
言い出せばキリがないし、この記事だってインターネットの一意見として放流されるだけなので、結果無意味なのかもしれませんが、聞きたいことはたくさんあります。
いつも誘ってくれる人って、どうして誘ってくれるんですか? どんな感覚で声掛けてますか? 断られたらどう思いますか?
内向的という点では精神的にも引きこもりがちなんだと思います。事前に仕掛けをしておかないと外出も失敗するし、受け身ゆえに暇な休日の多いこと。
別に家で一人で寝ていることが問題だとは思いません。私にはその時間が確実に必要です。でも、それだけが休日の全てになることに対しては危機感を覚えています。
大人になるにつれて、友達は減ります。新しい友達が出来る機会は自分から動き出さない限りはゼロと言っても過言ではありません。そんな中で、少しでも外に出るきっかけを増やすため、せめて誘われたら断らない、興味を持ったら予約してみる、気になる場所はお気に入りしておく、そんなことを努力と呼んでいます。
ベッドの中より。