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タイミーで数年ぶりに保育したら、苦手を克服できてたことに気づけた話
わたしは子どもとうまく関われない。
(なってしまった。)
保育所や幼稚園の近くを通ったときに聞こえる生活音を聞くだけで「うわぁああ!」となってしまう。
(ようになった。)
幼稚園の先生だったくせに。
小さい頃からの夢だった職業だったのに。
まぁそれは、わたしの性格も相まって、あんまりにも保育(幼児期の子どもの教育)に向き合いすぎてしまったからだと思う。
子どもと関わっているときに「今、声かけていいのかな?」とか「何でこの行動をしているのだろう」とか、いろいろ考えすぎてしまうようになってた。
だから先生をやめた。
やめたけど、しばらくは友達の子どもと関わるときでさえもそのクセが抜けなかった。でも、ちょっとずつリハビリをさせてもらえた。
とはいえ、遠足に行く途中なのか団体で歩いている幼児たちを見ると「離れてよかったな」って毎回感じる。
もう保育なんて二度としない
そう思っていたくせに。
事情があって隙間時間ができたので、数年ぶりに今流行りのスキマバイトで保育をしてみることにした。
やっぱね、お金は必要。
お金なんてなんぼあってもええですからね。
あと、せっかく持ってる資格は活かさないと損だし。
📛 📛 📛
CDや雑誌などは友達に譲って、保育のものはほとんど手放していた。だけど、お気に入りのエプロンだけはなぜか持っていた。まさか、またやつらが陽の目を見るとわ。
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スキマバイト初日はとてもドキドキした。 でもそれは、子ども達とちゃんと遊べるかという不安からではなかった。ただ初めての場所で仕事をすることに対しての緊張。
3時間ほどだったアルバイト。気づいたら終わっていた。生活音さえも苦手だったのに、すんなり馴じめていた自分に驚いた。時が解決してくれてたのかもしれない。
そしてそれより驚いたのは、その日に初めて会った、友達の子どもでもない小さな子どもたちのことを、めちゃくちゃ可愛いと思えたこと。
まずは 乳児。
言葉にならない言葉で一生懸命話してくる。「……。すみません、何言ってるかよくわかんないっす」と、サンドウィッチマンの富澤さん風に心の中つぶやきならが、 ニコッと笑てうなずき返す。聞いてもらえて満足してるその子。
なに。めっちゃかわいいやないか。
かと思えば、背後でバトルが始まっていた。 決してかわいいとは言えない柄の風呂敷を、顔を真っ赤にして全身全霊をかけて取り合っている。2人とも、首の前でそれを結んでスーパーマンになりたいらしい。こっちからしたら、たかが…って感じなんだけど、今ここに情熱をかけている、それがおもしろおかしいかわいい。
一方、車をブーブー走らせて意気揚々と遊んでいたAくんが、突然止まって1点を見つめはじめる。その先には……何もない。オンオフのタイミングが謎。妖精でも見つけたのかな。シュールで、これまたおもしろおかしいかわいい。
嫌なことがあったら大声で泣き叫び、床を這いずりまわる。うれしいことがあったらぴょんぴょん飛び跳ねる。子どもたちは生きることを学んでいるんだなって感じた。忖度とか気づかいとか、そんなものがない、自分を生きてる感じがすてき。清々しい。
そして、翌日は幼児と関わった。
ラーメンのことを“ちゅるちゅる”と言って、ぎこちない手つきでお箸を一生懸命使って食べる姿が……かわいい……。こんなん、先生をしていたときは感じられなかったなとハッとさせられた。
そして、幼児は自分で考えたことや感じたことを、自分の言葉で伝えてくれる。「言葉でコミュニケーションが取れるのがおもしろいと思ったから、わたしは確実に幼児と関われる幼稚園教諭を選んだんだったよな〜」ということを思い出した。
その日はトランプで一緒に神経衰弱を楽しんだ。こんなこと、幼稚園の先生のときは「してはいけないこと」のように感じていた。普通に楽しかった。そして子どもがめっちゃ強かった。
🎒 🎒 🎒
あのとき、わたしのことを「先生!」としたってくれる子どもたちに囲まれていたのに。保育には向き合っていたけど、子どもにはまったく向き合えていなかったな……と気づかされた。スキマバイトは第三者になっているから、子どもがかわいいと感じれたんだろうけど、それにしてもあのときの子どもたちに申し訳ない。
子どもってかわいい。
素直ですてき。
保育ってやっぱりいいね。
そう思ったけど、やっぱりもう一度現場には戻れないかな。デスクワークに慣れたから、1日子ども達と元気に走り回る体力はもうない。本当に保育士、幼稚園の先生には脱帽だ。
ただ最後に一言いいたい。
保育(ほ〜いく)なんてしないなんて
言わないよ絶対。