新撰組血風録(2011年)

画像1 新選組血風録は1962年に小説中央公論で連載された、司馬遼太郎原作の幕末の新選組を題材とした15の短編をドラマ化したもの。1965年、1998年にも別キャストでそれぞれドラマ化されている。
画像2 主演は土方歳三を演じた永井大、近藤勇には宅間孝行、芹沢鴨には豊原功補と豪華なキャスティング。新選組を題材にした作品はこれまでにもたくさんありますが、いろんな切り口からストーリーが編集されて、違う俳優が個性的に演じるのもまた面白いです。
画像3 新選組の中でもダントツで人気が高い沖田総司は辻本祐樹が演じました。綾野剛は第8話「臆病者」(原作は海仙寺党異聞)という回にゲスト出演しています。甲州出身で京に医学を学びに来た長坂小十郎という架空の人物の青年役です。この役を経て、2013年八重の桜の松平容保役が来たのかも知れませんね。
画像4 長坂小十郎は医学の教えを受けようとした医師が亡くなってしまったと知り、同郷の新撰組隊員に誘われて入隊した。読み書き算盤に長けていた小十郎は勘定方に配属された。
画像5 小十郎に入隊を勧めた中倉主膳(三浦アキフミ)が小夜という女(遠野凪子)から美人局に遭い、その夫で水戸藩士の赤座智俊(大鷹明良)に斬られるという失態を犯す。この一件で中倉は法度に背いたことで切腹する羽目になった。勘定方で刀を使わないことから「腰抜け」と罵られていたが、小十郎は剣術の才もあると聞いた土方は、小十郎に中倉の仇討ちを命じる。
画像6 小十郎の実家は水月流居合術の名家であった。小十郎が仲間と手合わせするのを見て唸った土方からは、「勘定方にしておくにはもったいない」とまで言われていた。元陸上選手の剛くんは身体能力がとても高く、殺陣のシーンもキレやスピードがあり、絶賛する人も多かったようです。
画像7 しかし、「人を斬りたくない」という小十郎の意思は固い。いつか必ず医学の道に進み、志を果たすのだと言って聞かない。土方は思い通りにならない小十郎を疎ましく思いながらも、その熱意と意思の固さに本物の武士の心意気を感じていた。
画像8 「隊を脱するものは切腹せよ」と脅されても、その心に迷いはない。
画像9 小十郎は小夜から寺での密会の誘いを受けた。それを利用し、裏で糸を引いている夫の赤座を殺る計略を企てる。遠野凪子が!しかも美人局の役で出ているとは驚いたw
画像10 この仇討ちは水戸藩との揉め事になるから避けろと近藤から忠告されたにもかかわらず、新選組での義理を果たし、なおかつ自らの志を果たすことで筋を通したい小十郎は、土方からの命を遂行する。
画像11 土方も加勢し、仇討ちは見事成功する。そして土方は、最後まで筋を通した小十郎の脱退を認めた。土方がこれまでに法度を曲げたことは一度もなく、小十郎の一件が初めてだったという。小十郎の志の高さは、それほど土方の心を動かしたということだろう。
画像12 こうして新選組を脱した小十郎はその後長崎に渡り、希望通り医師となって人々を救ったというお話。剛くんの目力が凄かった!キリッとした佇まいや所作が美しく、とても魅力的な青年小十郎の役はハマり役でした。

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